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「いいチームを作るのも、幸せになるのも、自分が実現するもの」スタッフ・キックオフイベントで学んだチーム・ビルディングの核心とは【Road to ICC FUKUOKA 2019】

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2019年1月17日、永田町グリッド スペース0にて「 ICCスタッフ・キックオフイベント」が開催されました。その名の通りスタッフを中心としたメンバーのイベントですが、特別ゲストとしてチームビルディングを語るパネル・ディスカッションを企画し、豪華登壇者にお集まりいただきました。その模様をお伝えします。

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターン)の募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。



【開催情報】
2019年1月17日 ICCスタッフ・キックオフイベント(ICCサミット FUKUOKA 2019)

パネルディスカッション 「最高のチームをともに創ろう!」

(スピーカー)
安藤 正樹
株式会社リクシィ 代表取締役社長

井手 直行
株式会社ヤッホーブルーイング
代表取締役社長

小林 亮介
一般社団法人HLAB 代表理事
株式会社エイチラボ 代表取締役

齋藤 太郎
株式会社 dof 代表 コミュニケーション・デザイナー
株式会社 CC Founder コミュニケーション・デザイナー

(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ株式会社
代表取締役

ICCサミット運営チーム募集要項(ICCサミット FUKUOKA 2019は募集終了)

みなさんこんにちは、ICCの活動をつぶさにレポートする浅郷です。2019年1月17日、Nagatacho GRiD SPACE 0にて、ICCサミットFUKUOKA 2019の運営スタッフ・キックオフイベントが、豪華登壇者をお迎えして開催されました。今、そのときの映像を見返しても、パネル・ディスカッションの登壇者の方々の言葉(&爆笑の掛け合い)に胸が熱くなります。

本来ならばスタッフ間の財産にしたい内容なのですが、直接聞くのと、文字で読むのは熱量が違うと思いますので、ほぼ全文書き起こしでレポートしたいと思います。なお、ぶっちゃけすぎるトークは適宜割愛していますので、ご了承ください。

ICCサミットFUKUOKA 2019 運営スタッフが大集合

早めに集まった運営スタッフ会場の設営もほぼ終わった18時半すぎ、ICC代表の小林がマイクを握りました。

「今日はミーティングを7件やって声がかれています!今日のキックオフイベントでは、お互いを知ることが大事です! 全員と仲良くしろとは言いません。今度一緒に飲もうと言える人がひとりできればいいなと思います!」

最近は連日、朝から晩まで、各種カタパルトに登壇する方たちが、入れ代わり立ち代わりリハーサルにオフィスを訪れています。プレゼンの最後のブラッシュアップを行っており、同じオフィスで聞いているだけでも緊張感が伝わります。7分で収まらないならどこを削るか……などと時間を図りながら、約50社に対して行っているので、内輪ながら本当にすごいなぁと感心せずにはいられません。

次に、隣に立っていたベテランスタッフの坂本達夫(元AppLovin)さんにマイクが渡ります。

「ICCはこんなふうに無茶振りがあるので、いつマイクが来てもいいように心の準備が必要です。過去6回参加しています。僕はICC小林さんの10歳下で、同じサッカーサークルの後輩です。

ICCの運営スタッフは、何の報酬もなく参加したい人が集まる場です。スタッフとして、一番よくないのは利己的な行動をしてしまうことです。たとえば過去にありましたが、登壇者や参加者と個人的な打ち合わせなどをしていると、その様子は周囲に見らていますし共有されます。

その一方で、年齢に関係なく、運営に貢献する人は認められます。今の高いモチベーションを忘れず、それを心にやってもらえればと思います!」

そこへ重要なマーケティング会議を終えたあと、すぐに新幹線に乗って来京、会場に到着したばかりのヤッホーブルーイングのてんちょ、井手直行さんが飛び入りです。

ヤッホーブルーイング 代表取締役社長 井手 直行さん

「ICCはこわいよ!最高にいいチームは、全員にとっていいメンバーじゃない。合わない人は徹底的に合わないからね。今日はそれを見極める日にすればいいのではと思います!」

よなよなエール乾杯でスタート

時間になり、20歳以上のメンバーはみな、手によなよなエールを持ちました。乾杯&記念撮影(一番上の写真です)でスタッフ・キックオフイベントがスタートです!

前方には、乾杯を終えたばかりの登壇者が並びました。一列目に座っていた、次回スタートアップ・カタパルトで出場するリクシィ安藤さんも、呼ばれて登壇者に加わりました。ディスカッションのお題は「最高のチームをともに創ろう!」です。

まずは登壇者の自己紹介から。

井手ヤッホーブルーイング、よなよなエールの井手です。最近毎回呼んでいただいているのですが、私はICCの大ファン。学び多き場で、私が一番学んでいると思っていて、毎回学びが多いと思っています。今日もそういう一日にしたいと思っています。よろしくお願いいたします!」


井手 直行
株式会社ヤッホーブルーイング
代表取締役社長

1967年(昭和42年)9月生まれ。福岡県出身。国立久留米高専電気工学科卒業。大手電気機器メーカーにエンジニアとして入社。広告代理店などを経て、1997年ヤッホーブルーイング創業時に営業担当として入社。2004年楽天市場担当としてネット業務を推進。看板ビール『よなよなエール』を武器に業績をⅤ字回復させた。2008年より現職。全国200社以上あるクラフトビールメーカーの中でシェアトップ。13年連続増収増益。著書に『ぷしゅ よなよなエールがお世話になります』(東洋経済新報社)。

HLAB小林「昨日まで10日間、東北へ、ハーバード・ビジネス・スクール50人の大人の修学旅行というのに付き添っていまして、声はがらがらです。HLABは、教育と居住環境とまちづくりを専門にしています。よろしくお願いいたします」


小林 亮介
コバヤシ リョウスケ
一般社団法人HLAB 代表理事
株式会社エイチラボ 代表取締役

1991年東京都生まれ。桐朋高校、一橋大学法学部(中退)を経て、ハーバード大学卒。同大在学中、外交や教育経済学を学ぶ傍ら、19歳でHLABを創設、住環境と教育の領域で事業を始める。卒業後にHLABを法人化。変革期のハーバード大学において全寮制の教育環境作りに携わった経験を活かし、現在は、3,000人以上の卒業生を輩出した、日本の高校生を対象とする国籍・世代を越えたリベラル・アーツ教育サマースクールの実施や、海外留学を支援する年間12億円の奨学金の提供、先進的教育寮の企画・運営などを行う。国際政策シンクタンク三極委員会のデイビッド・ロックフェラー・フェローを最年少で務める他、世界経済フォーラム(ダボス会議)のグローバル・シェーパーズ・コミュニティに選出。

齋藤「僕もICCに少し前から参加しておりまして、非常に肉食の人たちの集まりだと思っています。仕事はマーケティングやブランディングをしておりまして、今年で15年目になります。有名どころでいうと、サントリーのハイボールトリスなどのブランディングはうちでやっています。


齋藤 太郎
株式会社 dof 代表 コミュニケーション・デザイナー
株式会社 CC Founder コミュニケーション・デザイナー

アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランド生まれ。1995年慶應SFC卒。株式会社電通入社後、10年の勤務を経て、2005年にコミュニケーション・デザインを生業とする、株式会社dofを設立。企業スローガンは「なんとかする会社。」ナショナルクライアントからスタートアップ企業まで、経営戦略、事業戦略、製品・サービス開発、マーケティング戦略立案、メディアプランニング、クリエイティブの最終アウトプットに至るまで、コミュニケーションの川上から川下まで「課題解決」を主眼とした提案を得意とする。サントリー「角ハイボール」のブランディングには立ち上げから携わり現在10年目を迎える。そのほかの現職:株式会社VOYAGE GROUP 社外取締役、NPO法人TABLE FOR TWO グローバル戦略委員。

そのほかにも(明石家)さんまさんの『ポケトーク』や、JRの『行くぜ東北』キャンペーンとか。ICCで出会った福岡のスタートアップのお手伝いなど幅広くやっています。みなさんに何か還元できたらと思っています。

井手さんは明るいこういうキャラですが、(HLAB)小林亮介は、しゃべると10分に2回ぐらい、ハーバードって言うんですよ!今日1時間半あるので、何度言うか数えてください。ラサール石井に負けないように、これからはハーバード小林で!」

HLAB小林「齋藤さんに真面目に相談しても、お前はそこからだと言われるんですよ!」

齋藤(意に介さず)「朝倉(祐介氏 シニフィアン)さんと一緒に命名しました!ヤッホー井手、ハーバード小林に負けないようにがんばっていきたいと思います!」

安藤「はじめまして、ご存知の方は少ないと思いますが、リクシィという、できて2年半になる会社を経営しています。学生時代にドリコムという会社を今も社長やっている内藤さんと一緒に立ち上げて8年役員をして、別の会社に転職して7年役員をやり、ウェディング業界の課題が多いことから、現在の会社を立ち上げました。


安藤 正樹
アンドウ マサキ
株式会社リクシィ
代表取締役社長

2003年京都大学法学部卒業。2001年、株式会社ドリコムに創業メンバーとして参画し、営業担当取締役を務め、新規事業の立上げ、事業拡大、営業部門のマネジメント全般を担当し、東証マザーズ上場に貢献する。2009年4月、株式会社エスクリに入社し、東証マザーズ上場を経験後、結婚式場の責任者、マーケティング部門の責任者を経て、取締役事業本部長に就任し、東証一部指定替に貢献する。その後、常務取締役として事業部門を管掌。結婚式場4施設から30施設へ、売上40億円から262億円へ、社員数150名から1,023名へグロースさせた。2016年5月、株式会社リクシィを創業。ウエディング×ITのスタートアップとして、Choole、gensen weddingを運営しながら、結婚式場向けのコンサルティングサービス、人材サービスも展開。ネット業界とリアルサービス業界の双方に精通し、2度のIPOを経験している点が特徴。

今回の起業は2回めで、シリアルアントレプレナーです。もうひとつ2回目のことがあり、結婚が2回目です。今の結婚で3回式を挙げていまして、合計4回結婚式をしています。シリアルと、バツイチで、これが私の人生38年を費やした鉄板ネタです。これをツカミとして、スタートアップ・カタパルトに出させていただきます。今日も小林さんから、プレゼンについてレクチャーいただきました。

必ず笑いがとれるネタもたくさん持っています。ICCではあまり許容されないかと思いますが……」
(一同笑)

ICC小林「ん?今日は完全……お笑いですか? 一応テーマはチームマネジメントなんですが……大丈夫ですかね?」

齋藤「なぜこのメンバーでチームマネジメントなの?」

ICC小林「今まで、自分の人生をどう生きるかとかが多かったから、ちょっと違うテーマで行きます。

人生そのものもチームじゃないですか。人はひとりでは生きられない。リーダーシップとか対人関係とか、いろんなコミュニティをやりながら、生きていきます。では、その観点から、1つ目の質問!」

早速ガチンコ、無茶振りが始まりました。

チームマネジメントにはチーム”ビール”ディング

ICC小林「ビールとチームマネジメントの関係を井手さんから語っていただけますか。飲み会はいいのかどうか。どういう飲み会をしたらいいのかどうか!」

井手(満面の笑顔で)「ビールとチーム作りってとても関係がありましてね。我々昨年、よなよなエールのプロモーションで、”チームビールディング”といって、いろいろやりました。動画も2本ぐらい作りました。その関係性の心は、チーム作りの一番最初の段階は、チームビルディングの教科書的な本にも書いてあるのですが、お互い信頼関係の構築から始まるのです。

▶動画の詳細はこちらの記事で紹介しています。
1. ブランド戦略コンサルタント・山口義宏氏が解説「ブランディングの定義とは?」

いきなりこの戦略はとか、売上どうなってると言っても、信頼関係がなかったり、心が離れていると、感情的になったり、黙り込んだりします。

飲み会をすると、最初は仕事とは関係のない話をするじゃないですか。そのときにビールがあるとほろよいになるから、コミュニケーションが活発になる。言いにくかったけど、この先輩いい人だとか、話しにくかったけどそうでもないとなって、コミュニケーションが増えていって、次に難しい話ができるようになる。

心を通わせる、距離感を近づけるために、飲み会はとても大事だと思います。うちの会社は好きなのもあるけれど、しょっちゅう飲み会をやっています。ビールは最初の信頼関係を築くのに、とても重要だということに気づいちゃったんです。ネーミングもさすがうちだなと思いますね(自慢)! ”チームビーーールディング”!」

齋藤「あっ!『ビール』ディングなんだ!」

井手「ぴぴっとこないと!そういう仕事しているんだから、もっと感性を研ぎ澄ませないと!」
(一同爆笑)

井手さんと齋藤さんの息のあった掛け合いに、会場は大盛り上がりです。

目的なく集まる場から生まれるもの

ICC小林「次はハーバード小林さん、『ハーバード大学のレジデンシャルカレッジで学んだ、チームビルディングの本質とは?』」

HLAB小林「えー、ハーバードではですね!(一同爆笑)

重なるツッコミにも笑顔で対応する小林さん

チームビルディングのチームには2つあると思っています。1つは目的をもって集まるチーム。この問題を解くために集まろうというチーム。もうひとつ僕が好きなのは、特定の問題やゴールがないけれども集まるチームです。

ICCサミットでは、たくさんセッションがあって、一見目的があるように見えます。でもセッションの中で何かが生まれるというよりは、セッションのもとに人が集まって、よなよなエールを手に話しているときに、いろいろ生まれているはずなんです。

そういうふうに目的を持たずにどうやって集まるというのを、どうやって日々の生活の中に作っていくか。自分の大学時代を振り返って、それはいい機能なのではないかと思います」

齋藤「え、どこの大学ですか?」

HLAB小林(間髪入れずに)「ハーバードです!(一同爆笑)

ハーバードでは、ハウスと呼ばれる寮があります。学費の中に食費も入っていて、学生は貧乏なので、みんな食堂に行く。すると普段全く接点のない学部の人と顔を合わせることになる。夜はアルコールも出るし、コーヒーは24時間出ます。そういうやつらと毎晩のように集まっています。

そういうところから生まれたのが、Facebookだったり、映画『ラ・ラ・ランド』の監督や音楽監督。僕の寮の先輩のルームメートだったりします。理由なく集まるための理由は必要で、ビールはいいツールだと思いますね」

今風のチームのありかたとは?

ICC小林「ありがとうございます。では(齋藤)太郎さん、『チームをよくするためのコミュニケーション戦略とは?』」

齋藤「いま、ぶっちゃけチームを作らなくてもいい時代ではと思っています。ゆるやかなチームを作るというか、プロジェクト単位で個性が集まっていくのが必要ではないかと思っています。

熱弁およびツッコミで大活躍した齋藤さん

今日集まっている人たちも、小林さんの作るICCというムーブメントに、ボランティアで参加している、元は別々の組織に属している人たちです。別の日には別のチームに参加するし、いろいろなチームを多重人格的に持っていくのではないかなと思います。

LINEやFacebookのグループなど、ゆるやかなチームが作りやすくなっていると思います。

会社の固まった組織などとは違い、今風のチームの作り方はあると思っています。それにはギブができて、テイクができる、そのバランスが非常に重要だと思っています。アウトプットとインプットといってもいい。呼吸でもいいのです。うちの社員にもアウトプットのないやつには、インプットもないからねと言っています。チームの中で、誰かにギブしないと、何ももらえないよと。

誰かからたくさん情報を得よう、ネットワークを得ようとしたときに、自分からは人に何を与えられるかを考える。与えることのできる人には、必然的にネットワークやコネクション、情報が集まってくるということだと思います。

僕は昨日もICCのイベントにいってパネル・ディスカッションをしたのですが、ICCに使い倒されているとはまったく思っていません。井手さんもさきほどおっしゃっていますが、何かを発言することにより、みなさんとすばらしい出会いが生まれる。自分も吸収する、これ、最初の話にかかっていますか?」

ICC小林「とてもいい話ですね、みんなメモっています。ではWシリアル、別れと出会いを経験し、そこから学んだチームマネジメントの本質とは?」

安藤「みなさん無茶振りで答えられるので、本当にすごいなと思って聞いていました。家族って、チームなんですよね。会社のチームはコンプライアンスや意思決定があって、誰がどうやるかわかりやすいですが、家庭のチームは非常に難しいんですよね。

これは俺が決めていいのかな、これは嫁さんが決めるのかな? 前に言っていたのと判断基準違うかな?と、なるんです。自分の会社は自分で決めればいいのですが、奥さんが決めると言っていたのに、いつのまにか詰められていたりします。

どちらが正しいとかないと思ったときに、自分の場合は、会社の人格と家庭の人格を分けているのですが、一緒の人もいるでしょう。自分は自分の居心地のいいチーム、会社、家庭を作ることが大事じゃないかと思います。でも自分がバツイチの身でいいますと、人は変わります。『あれ、変わってきたな?』『あなた変わったわね』とか、そういうことは期せずして起こります」

飛び入りパネル参加かつ、このメンバーに並んで臆せぬ回答、安藤さんも十分すごいです。

ここにいたい、一緒にいたいというチームを作るには?

ICC小林「それでは会場から質問を受け付けたいと思います!(神戸大学の)柳林康くん!」

柳林「居場所として好かれるというのも、チームとして大事じゃないかと思っています。ここにいたい、一緒にいたいというチームを作るために、自分たちはこういうことをしているというのを教えていただければと思います」

ICC小林「おっ! いきなりいい質問きました」

井手「いろいろ、すごくたくさんやっています。もっとやりたいこともありますが、その一部しかできていなません。居心地がいい、ここにいたいというのも大切だと思いますが、最高のチームって、算数みたいに決まった答えはないと思っています。

井手さんの話に聞き入ります

いい環境を用意しても、そこがいいチームも居心地の悪いチームもあると思っています。そのチームの理想を明確にしなければいけない。だから100社あったら、100個あればいいと思っています。

僕らの会社だったらミッション=こんな存在意義がある、ビジョン=いつまでにこんなことを成し遂げたいというのがあり、ここはファンのために守っていこうというような、会社の経営理念を5つかかげていて、これに共感する人だけに入ってきてもらいたい。逆に共感しない人は絶対入ってほしくない。

できるだけそれが熱いところが集まった人に、入ってもらいたい。傍から見ると、なんだかこの会社やばそうというのが、僕にとって最高の会社です。

明日僕は、会社が終わったら社員のお誕生日会をやります。2ヵ月に1度していて、僕は毎回出ます。社員の家族も呼んで、会ってくっちゃべっているだけですが、僕はそういうのが好きなのです。他の会社からみるとそれは不要かもしれない。

だからその会社なりの回答があって、打ち手があると思います。他の会社から見ると、あいつらの会社、無駄なこといっぱいやってると思うんじゃないかな」

dof齋藤さん号泣のチームビルディング

とにかくこのメンバー、話が盛り上がります。齋藤さんの「胃袋で人をつかむのは大事」という話から、井手さんが初めて齋藤さんと一緒に飲んだときの話(先日のICCもお手伝いしたLEXUSのイベント後の時だったそう)、食の話とあって、ベースフードの橋本 舜さんが客席からディスカッションに参加も。

日本の結婚式を変えたい!と燃えるふたり

かと思えば、リクシィ安藤さんの、堅苦しい結婚式のイメージを変えたいという訴えから、それには”チームビールディング”が必要という話に戻り、実際、よなよなファンのカップルの結婚式で、ビールセミナーが行われ非常に盛り上がったエピソードも披露されました。担当は運営スタッフとして今回初参加するみーしー(清水)さんだったそうなので、詳しく知りたい方は直接聞いてみてくださいね。

さまざまな話に脱線したあと、話は最初の質問に戻ってきました。

井手「一番身近なチームは家庭です。僕らは会社のチーム作りを大切にしていて、楽天大学の仲山進也さんというチームビルディングの権威と、組織開発ファシリテーターの長尾彰さんに入ってもらって、チームビルディング研修を毎年やっています。

それのいい実践の場が家庭なのです。会社もよくなってきましたが、家庭がよくなってきましたね。

子どもができると、チームのバランスが崩れて、利害関係が違ってきます。料理は、洗濯は、おむつを変えるのは誰がやるの?と、変わってくる。僕には小さな子どもが3人いて、その度にバランスは変わっていくのですが、いまだにもっているのはチームビルディング研修のおかげだと思います。

何のテーマのために、いいチームを作るためではありません。会社の目標、成果を出すために、高い成果を出すためには、ひとりじゃできないよね、チームじゃないとできないよね、だからチーム作り大事だという順番です。

そうしていろんなチームで成果が出てくると、最初は興味がなかった人たちも、あそこのチームはすごいことをしていると、自分たちもやるようになる。それが文化になって出てきた、そんな感じですね」

クールな外見に似合わず熱い齋藤さん

齋藤「うちの会社は、ラスベガス(CES)に社員14人で出かけ、キャンピングカーを借りて、砂漠のど真ん中に泊まりました。みんなで話すいい機会になりました。先日は、社員全員で映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観ました。僕は世代的にかぶっているので最初からやばいなと思いましたが、若い社員にも結構刺さったみたいです。

感想を聞くと『よかったっす!』と返ってきました。あのシーンはという話で、観た後も盛り上がるし、みんなで映画はおすすめです」

ディスカッションが終わったあと、運営スタッフこちらも初参加のdof川名さんが言うには「社長はプロローグから号泣していた」そうです。

ICC小林「僕らも新年早々、福岡、大阪に行って、現地のスタッフ新年会をやってきました。みんなで同じ体験をするのは大事ですよね」

そのレポートはこちら

HLAB小林「チームとコミットするときは、2つあります。1つはこの人とやって刺激がある、学びがあるという場合。もう1つは共通項があること。まったく接点がないと話せません。(齋藤)太郎さんのチームは世代も経験もバラけるし、共通項を探すのが難しいなかで、いかに意図的に映画とか共通項を作っています。

HLABは教育を扱っていますが、コンテンツを一切供給していない、カリキュラムも持っていない会社なので、そこで何を意識するかというと、どういうふたりが出会ったとしても、いかに話せる共通項をデザインするか。意識するのはそういうところですね」

いいチームが作れたら幸せになる

真剣な表情のベースフード橋本さんが語り始めました。どうやら井手さんに尋ねたいことがあるようです。


橋本 舜
ベースフード株式会社
代表取締役

1988年生。東京大学教養学部卒。株式会社DeNAに新卒入社。月商10 億円規模のソーシャルゲームのプロデューサーを経て、新規事業部署に移り、駐車場シェアリングサービスのakippaの立ち上げ支援、及び、自動運転タクシー・バスの開発を行うロボットタクシーの立ち上げに従事。2016 年6月に退職し、ベースフード株式会社を創業。「主食をイノベーションして 健康を当たり前にする」をビジョンとし、世界初の完全栄養の主食”BASE PASTA”を開発。販売開始後、日本のAmazonで食品人気度ランキング1位を獲得。現在は、Direct to Consumer × Subscription という販売手法を中心に、国内でのさらなる普及と海外展開の準備を進めている。

橋本「近々結婚します! 会社経営と、家庭と両方ともうまくやりたいのですが、それは違いがあるのでしょうか、それとも一緒なのでしょうか?」

BASE FOODは、完全栄養パスタ「BASE PASTA」から主食にイノベーションを起こしていく(ICC FUKUOKA 2018)

井手「経営とチーム作りは、イコールの部分、そうじゃない部分もある。いいチームが作れていなくても、一部の人の力があったり、過去の貯金でうまくいくこともある。知っている限りですが、経営も、チームもうまくいくことを望んでいても、両立できている会社は極めて少ないと思います。いいチームの定義によりますが。

幸せな人がいいチームを作れるかというと、それは別だと思うんだよね。僕ら、Great Places to Workに2年連続で選ばれていて、いい会社だといわれています。ICCに参加している企業だと、セプテーニサイバーエージェントなども選ばれています。

そういう会社を見ると、業績は伸びている。でも業績が伸びているからいいチームが作れているとは思わない。でもいいチームが作れていると、業績はだいたい伸びると思う。

そのときに、幸せだからいいチームとは思わないけれども、いいチームが作れたら幸せだと思う」

齋藤「みなさんこれから、こういうことに向き合うと思います。業績もチームも、両立できることが最高だと思います。僕は、世界一社員が幸せな会社を目指しています。

僕らと仕事をした人がハッピー、そのなかでも社員が一番ハッピーなのが大事です。向かい合っている人がまずハッピーでないといけない。プロとして世の中をハッピーにすることにコミットするから、最終的にハッピーになれるという、スパイラルをどうやって回せるかなと実験しています。今のところ15年できているから、まあまあかなと思います」

ヤッホー井手さんからのメッセージ

ここまででも十分実のあるお話でしたが、ここから”てんちょ”こと井手さんが、心に刺さるメッセージをスタッフに送ってくださいました。ノーカットでお届けします。

「みなさん社会人、インターン、学生の人もいると思うけれども、この会社に入ったら幸せ、というのはまやかしです。会社に依存してはいけない。サイボウズの青野さんの記事を見て、共感しました。

サイボウズ青野社長が説く「会社というモンスター」に振り回されない覚悟

会社が何かをしてくれるという、他力本願を持っている限りだめなんです。今、自分の会社に不満を持っている方はいっぱいいらっしゃると思います。不満はどんな会社にもあるものです。

会社に求める気持ちもわかるけど、自分が幸せになっていいチーム、いい会社になるためには、自分がやらなきゃだめなんですよ。このICCもそうですよ。

自分が前のめりに、自分なりにICCならではの方向性に共感して、自分がやっていく。自分がやって、自分が動かして、自立した人間の集まりでないかぎり組織も、自分も幸せにならない。

誰かから求めて、幸せにしてほしいという気持ちも当然あるけれども、それはまやかし。
自分が実現する、これがないとうまくいかないですよね。幸せを自分が作っていくんだ、いいチームを会社じゃなくて自分が作るんだ、その集合体がICCの組織であり、会社の組織だと思います。

僕も昔は創業者がやってくれないかなとか、他力本願でした。でも、それはうまくいかない。そこで自分がやらなければと思ったら、うまくいった経験があります。結局自分なのです。

いいチームが作るのも自分、幸せになるのも自分、人のせいにしてもいけない、会社のせいにしてもいけない。まささん(ICC小林)のせいにしてはいけない。(ICCのポリシーは)明確なわけだから。合わないと思ったらやめるべきで、共感したら、誰よりも自分がこれを成功するようにやること、このマインドなくして、幸せになれません!」

最後は会社の宣伝!?

ほろ酔いも手伝ってか、いつになく真剣な口調で運営スタッフに語りかけてくださった井手さん。それはパネラーたちにも深く響いたようです。最後に全員から一言となりました。

議論を終えたばかりの5人。齋藤さんの手にはブランディングを手掛けるサントリーのハイボール。スタッフ向けにも差し入れていただきました!

ICC小林「『独立自尊』、福沢諭吉先生の言葉です。個がないといけません。僕はいい思いも失敗もしてきているのですが、自分をしっかり持つことの大切さを3年前ぐらいに痛感しました。いろいろな人に助けられていますが、最後は自分だと思います」

安藤「こういうセッションに出させていただくのは初めてですが、真剣に話ができて幸せでした」

齋藤「井手さんの最後の言葉には本当に共感できます。うちの会社もそういう人を募集していますので、興味をもっていただいたら、うちの川名というメンバーが、今回運営スタッフで参加しています。彼の下に入ってもいいかなという人がいたら、ぜひ、声をかけてください」

HLAB小林「チームをマネージするとか、大きなことを言わなくても、小さなことからできると思うのです。友達を旅行に誘うとか、自分からしていたらキャンセルできないと思うんですよね。自分が責任をもって動くこと、日々小さいことが大きいのかなと思います。自分にも自覚を持って、言語化していくことが大切と痛感したので、日々実行していきたいと思います」

最後はもう一度、井手さんからです。

井手「今日も楽しく、毎回、自分が一番学びが多いなと、話しながら頭を整理できたと思います。一つ、苦言を呈したいのですが、(齋藤)太郎さん、自分の会社のリクルーティングしちゃだめですよね。

……ちなみにうち、春に中途募集します!(一同爆笑)

もし興味のある方いたら、僕の会社の2人がいますので、井手が言っていたのは本当か?と聞いてください。あ、新卒採用もある? もう始まっているんですね。リクルーティングしちゃいました!すみません!」
(一同爆笑)

HLAB小林「自分の会社の宣伝一切話してないの僕だけですよ!”ハーバード小林”しか言われてない!」

齋藤(遮って)「みんな、ハーバードへ行くぞ! オー!」

ふたたび、大爆笑のエンディングとなりました。ちなみに「ハーバード」を言った回数は、98分で6回でした。

懇親会スタート

議論が終わると、あとはスタッフの懇親会となりました。今回は新しいケータリングサービスを試してみました。お味はいかがでしたか?

この日、来られなかった人も含め、初参加のスタッフは37名。そのフレッシュな方々に、参加した理由を聞いてみました。

上智大学2年生でキュービックで学生インターン中の豊島里香さんは「長期インターンなどの採用を考えていて、交流の場を創ることに興味があります。ICCから場作りを学びたいと思ったのと、すでに参加している先輩から話を聞いていて応募しました」

東京工業大学2年生の棚澤未来さん「ICCのことは、みなさんが熱量を持って参加している場だと父から聞いていました。そんな多くの人を惹きつける場を見てみたいと思って飛び込みました」

早稲田大学3年生の中村祐実さん「すでに参加している、中学の同級生から聞きました。大学NPOの学習支援ボランティアに参加していますが、そこでいろいろな人と出会い、学びが深いと感じています。ICCには社会人もいるのが魅力です。さらに学べることがあると思い参加しました」

みなさん気合い十分です。すべてではありませんが、今回の運営スタッフの顔ぶれをご紹介します。

スタッフのキックオフ・イベントだというのに、登壇者の方々も駆けつけてくださいました。スカラシップにもご協力していただいているHAiKの山内さん、議論にも参加いただいた、ベースフードの橋本さんも交えて記念撮影です。

参加したスタッフのみなさん、「飲みに行こう」と誘える人は見つかりましたか? そして笑いあり、学びありの内容を1時間半、スタッフのために熱く話し続けてくださったパネリストのみなさんには本当に感謝です。これを心に、「ともに学び、ともに産業を創る」場を、自分なりに考えて実現していきましょう!以上、現場から浅郷がお送りしました。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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