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免許不要の無線通信「LoRaWAN」が切り拓く新たなIoTのカタチ(ソラコム柿島)【F17C-SRC #3】

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モバイル通信とクラウドでIoTを加速する「SORACOM(ソラコム)」柿島さんのプレゼンテーションを3回シリーズでお届けします。(その3)では、無線通信LoRaWANについてお話頂きました。

ICCカンファレンス FUKUOKA 2017「カタパルト・グランプリ」プレゼンテーションの書き起こし記事です。是非御覧ください。

スタートアップビジネスの「エコシステム」を構築し、日本の起業家を支援するプログラム「IBM BlueHub」は「カタパルト(CATAPULT)」のオフィシャル・サポーターです。


【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンスFUKUOKA 2017
カタパルト・グランプリ
Supported by IBM BlueHub

(プレゼンター)

柿島 英和
株式会社ソラコム
執行役員 セールスディレクター

1978年生まれ埼玉県出身、法政大学工学部卒業後、半導体商社に入社し製造業向け半導体販売を経験した後、外資系ストレージベンダーにてインフラの全体最適化推進プロジェクトを通してプライベートクラウド環境構築支援に携わる。2012年にアマゾンウェブサービスジャパンに入社し、エンタープライズストラテジック営業本部長を歴任、日本におけるクラウド市場黎明期の日系大手企業を中心としたクラウドサービス導入に携わる。2016年1月より現職。

▶モバイル通信とクラウドでIoTを加速する「SORACOM」の配信済み記事一覧

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本編

▼Part1,2のハイライト▼

みなさんこんにちは、ソラコムの柿島です。

弊社の事業はIoT向けの通信プラットフォームの提供です。

なぜいまIoTなのでしょうか。

要素技術の革新により、モノがどんどんインターネットに繋がれていき、2020年には500億個のものがインターネットに繋がり、全てのものが適切に制御される世界となるとも言われています。

そのようなIoTの仕組みを作るにあたっては、まだ様々な課題がございます。

弊社は、相互通信する通信ネットワークの課題に着目し、モバイル通信とクラウド技術を組み合わせることでこれらの課題を解決することを試みました。

そこで出したのが、2015年9月のIT Pro Expoで発表したSORACOM AirというSIMカードの通信サービスです。

IoT・M2M向けにサービス特化されており、APIを使って一括操作ができ、クラウド連携が非常にしやすく、少ない初期投資で利用できることが特徴です。

それでは、ソラコムの主要なサービスをご紹介します。

▶︎編集注:2017年7月より「SORACOM Inventory」「SORACOM Junction」の提供が開始されています。

これらのサービスは現在グローバルでも利用可能です。

グローバル用SIMサービスでは、海外の複数のキャリアと契約しており、現時点で1枚のSIMカードで120を超える国と地域で使えるものをご提供しております。

現在、スタートアップの会社から大企業まで幅広く、5,000を超えるお客様にSORACOMをご利用いただいており、JapanTaxi様、コマツ様などの先進的な取り組みでも活用されています。

コストを抑えることはもちろん、通信のセキュリティに関する課題をクリアすることができます。

SORACOMの競争力は、テレコムのコアな仕組みを自分たちでソフトウェアを作ってクラウド上で動かしている点です。この技術は2016年にKDDI様にもご採用いただきました。

▲Part 1,2のハイライトはここまで▲

省電力で広域をカバーできる無線通信LoRaWANのサービス

さらにもう一つ、「LoRaWAN(ローラワン)」という無線通信のサービスも2016年の5月から始めております。

LoRaWANというのは免許不要な無線通信で、日本では920MHz(メガヘルツ)の帯域が使われています。

免許不要な無線通信というとWi-Fi、ZigBeeやBluetoothなどがありますが、そういったものは近距離しか飛ばすことができません。

このLoRaWANは、数キロメートルというような長距離でデータを飛ばすことができます。

なおかつデバイスは乾電池で数年稼働させることができ、モジュールも安価です。

ただし通信速度が遅く、飛ばせるデータも数秒に11バイトと非常に限られたデータしか送ることができないという特徴もございます。

牛、橋、登山者‥‥多様なLoRaWAN利用事例

2016年の7月からは、PoCキットという形で検証用のキットを販売させていただいております。

酪農・畜産向けクラウドサービスを提供されているファームノート様には、牛に付けて広大な放牧されている牛の動線をトラッキングするところで検証いただいております。

▶︎参考記事:「農業のGoogleを目指す」ファームノートの挑戦

また、九州通信ネットワーク様には、橋の橋梁監視としてご検証いただいております。

博報堂アイ・スタジオ様が提供する、山岳地帯で登山者の位置情報をトラッキングするTREK TRACKというシステムでもご検証いただいております。

▶︎参考記事:山岳遭難事故の減少に貢献するモバイルサービス「TREK TRACK」

これまでPoCキットという形で提供しておりましたが、今月の上旬から個別販売も開始しており、ゲートウェイとデバイスを単体でも販売しております。

LoRaWAN二つの提供モデル

販売方法は、実際にお客様が所有して使っていただくモデルと、共有サービスモデルがございます。

後者はSORACOMが所有者となり、設置場所を公開することで、リーズナブルな登録料でご利用いただけます。

エンジニアの方であれば、ゲートウェイを購入しなくても、共有ゲートウェイのある場所に行き、デバイスを開発するだけでLoRaWANをお試しいただくことができます。

共有ゲートウェイスポットは「SORACOM LoRaスペース」にて、公開しております。

IoTエコシステムを構築!パートナー企業との協力

IoTは、専門性の複合体です。

SORACOMは通信を使いやすく提供するサービスですが、センサーやゲートウェイなどのデバイス、可視化、機械学習などのソリューション、そしてセキュアで安定したネットワークや、コンサルティングやシステム構築全般は、パートナー企業様と協力して提供しています。

ソラコムが提供するパートナープログラム「SORACOMパートナースペース」には270社を越える企業が登録しています。

既に実績のあるSPS認定済パートナーもすでに59社程あり、お客様はIoTシステムに実績を持つ企業にシステム構築を相談することが可能です。

ソラコムは「世界中のヒトとモノをつなげ共鳴する社会」をミッションに、専門知識が必要なIoT通信をリーズナブル、かつ誰もが使いやすく提供していきます。

そして、クラウドがそうだったように、多くの新しいビジネスを世の中に創出していきたいと願っています。

(終)

ソラコム柿島 英和さんのプレゼンテーション動画をぜひご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/平畑 真智子

【編集部コメント】

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