【NEW】ICC サミット FUKUOKA 2023 開催情報詳しくはこちら

KDDIにも採用されたソラコムの技術力【F17C-SRC #2】

平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! Youtubeチャネルの登録はこちらから!

モバイル通信とクラウドでIoTを加速する「SORACOM(ソラコム)」柿島さんのプレゼンテーションを3回シリーズでお届けします。(その2)は、SORACOM Air利用方法・メリットについてお話頂きました。多様なサービスの全貌や大企業にも採用される秘密にも迫ります。

ICCカンファレンス FUKUOKA 2017「カタパルト・グランプリ」プレゼンテーションの書き起こし記事です。是非御覧ください。

スタートアップビジネスの「エコシステム」を構築し、日本の起業家を支援するプログラム「IBM BlueHub」は「カタパルト(CATAPULT)」のオフィシャル・サポーターです。


【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンスFUKUOKA 2017
カタパルト・グランプリ
Supported by IBM BlueHub

(プレゼンター)

柿島 英和
株式会社ソラコム
執行役員 セールスディレクター

1978年生まれ埼玉県出身、法政大学工学部卒業後、半導体商社に入社し製造業向け半導体販売を経験した後、外資系ストレージベンダーにてインフラの全体最適化推進プロジェクトを通してプライベートクラウド環境構築支援に携わる。2012年にアマゾンウェブサービスジャパンに入社し、エンタープライズストラテジック営業本部長を歴任、日本におけるクラウド市場黎明期の日系大手企業を中心としたクラウドサービス導入に携わる。2016年1月より現職。

モバイル通信とクラウドでIoTを加速する「SORACOM」の配信済み記事一覧

前の記事

あわせて読みたい
モバイル通信とクラウドでIoTを加速する「SORACOM」【F17C-SRC #1】 モバイル通信とクラウドでIoTを加速する「SORACOM(ソラコム)」柿島さんのプレゼンテーションを3回シリーズでお届けします。(その1)は、「なぜIoT通信プラットフォームを提供するのか」という背景やSORACOM Airの魅力についてお話し頂きました。

本編

▼Part 1のハイライト▼
みなさんこんにちは、ソラコムの柿島です。

弊社の事業はIoT向けの通信プラットフォームの提供です。

なぜいまIoTなのでしょうか。

要素技術の革新により、モノがどんどんインターネットに繋がれていき、2020年には500億個のものがインターネットに繋がり、全てのものが適切に制御される世界となるとも言われています。

そのようなIoTの仕組みを作るにあたっては、まだ様々な課題がございます。

弊社は、相互通信する通信ネットワークの課題に着目し、モバイル通信とクラウド技術を組み合わせることでこれらの課題を解決することを試みました。

そこで出したのが、2015年9月のIT Pro Expoで発表したSORACOM AirというSIMカードの通信サービスです。

IoT・M2M向けにサービス特化されており、APIを使って一括操作ができ、クラウド連携が非常にしやすく、少ない初期投資で利用できることが特徴です。

例えば、フォトシンス様には遠隔地で操作できるスマートロック「Akerun Remote」で、楽天Edy様には楽天イーグルスの試合の決済端末で、WAmazing様には訪日外国人向けのSIMでご利用いただいています。

初期投資が少ない従量課金制かつ契約期間の縛りなく数日からでもご利用可能なため大変リーズナブルに、また弊社のAPIを使ってお客様の通信の開始や休止において自動化の仕組みを作り効率化して、ご利用いただいております。

▲Part 1のハイライトはここまで▲

「モノ向け通信」提供の仕組み

では「ITベンチャーがどのようにしてモノ向け通信を提供しているのか」という話に入らせていただきます。

弊社はMVNOをいう形態をとって、通信キャリアと直接専用線で結び、パケット交換や帯域制御といった、テレコムのコアな仕組みを自分たちでソフトウェアを作りクラウド上で動かしている、といった特徴がございます。

そうすることにより、バーチャルキャリアとしてサービスを展開できており、非常に少ない初期投資でビジネスを回すことができ、なおかつクラウドのスケールメリットを活かすことができております。

また、ソフトウェアで構築していることで、その他の付加価値としてのサービスを付けやすくなっております。

SORACOM Airの利用方法

実際の利用方法ですが、まずSIMの挿さるデバイスに弊社のSORACOM AirというSIMを挿していただきます。

無料でご提供するWebコンソールを使用していただくと、回線の管理・監視ができます。

さらにはAPIを使い、プログラムで自動化の仕組みを作ることも可能です。

Webコンソールから一元管理ができる

こちらが実際のコンソールの画面になります。

SORACOMでアカウントを作りログインしていただくと、そのアカウントで保有しているSIMカードの情報が、このような形で並んできます。

ここでセッションの状態を確認したり、回線の速度を4段階で変えるたりすることができます。

また、オンライン上で、SIMの発注や解約、休止といった操作もできるようになっております。

さらには利用料を把握したいというニーズから、実際どの速度クラスでどれだけ通信を行っているかということを、アップロード・ダウンロード別にこのような形で確認できるようになっております。

APIによる通信の管理自動化や一括操作も可能

SORACOMではAPIを提供しております。

先ほどご紹介したユーザーコンソール自体もSORACOMのAPIを基に構築されておりますので、ユーザーコンソールでお使いいただける機能のほとんど全てがAPIで呼び出し(操作)可能です。

フィードバックを反映させる迅速な開発体制

弊社のサービスは常にどんどん進化しておりまして、お客様からいろいろとフィードバックをいただき、プライオリティを付けた上で、随時サービス開発を進めております。

サービスを発表してから、新サービスリリースというものを10個出しており、新機能発表も34回行っております。

Airだけではない!ソラコムの多様なサービス

主要なサービスをご紹介します。これらは弊社ではアルファベット順にネーミングされております。

SORACOM AirというSIMカードのサービス。

Beamというデータを暗号化してお客様のインフラ環境に送信するサービス。

お客様のインフラ環境と閉域網でセキュアにデータを送るサービスのCanal、Direct/Door。

認証のサービスのEndorse。

クラウドアダプタのサービスのFunnel。

デバイスとの相互通信をセキュアに実現するGate。

SORACOM側でデータを蓄積し、それを簡単に可視化できるHarvestなどのサービスを提供しております。

▶︎編集注:2017年7月より「SORACOM Inventory」「SORACOM Junction」の提供が開始されています。

一枚のSIMカードが120以上の国と地域で使える

これらのサービスは現在グローバルでも利用可能です。

グローバル用SIMサービスでは、海外の複数のキャリアと契約しており、現時点で1枚のSIMカードで120を超える国と地域で使えるものをご提供しております。

こちらは現在米国の方で販売を開始しておりまして、米国のAmazonのサイトでご購入いただけるようになっております。

そして昨日プレスを打ったニュースをご紹介します。

来週からモバイルのグローバルで一番大規模なMWCというイベントがスペインのバルセロナで開催され、弊社も出店するのですが、欧州でも来週から販売を開始させていただく予定です。

スタートアップから大企業まで幅広い顧客

今現在、スタートアップの会社から大企業まで幅広く、5,000を超えるお客様にSORACOMをご利用いただいております。

JapanTaxiでの利用事例

JapanTaxi様の事例をご紹介します。

東京都内で走るタクシーの平均乗車時間は18分と言われており、そのプライベートな空間に適切な広告を打つと、非常に可能性があるのではということで、現在日本交通のタクシーの後部座席の前にタブレットの画面があります。

そこで流すコンテンツの入れ替えのための通信として弊社サービスをご利用いただいております。

導入効果としては、APIを使って通信料を最適化していただくことができました。

深夜帯割引を効率的に使っていただき、速度変更などの管理や制御を自動化されています。

セキュリティの課題をクリアしたコマツの事例

IoTにおいて先端を走るコマツ様にもご利用いただいております。

ダンプカーやショベルカーといったICT建機とクラウドシステムをシームレスに接続するために、弊社の通信サービスをご利用いただいております。

SORACOMのサービスを利用いただくことにより、コストメリットもさることながら、セキュリティに関して課題をクリアすることができたというコメントをいただいております。

KDDIにも採用されたソラコムの技術力

SORACOMの競争力は、テレコムのコアな仕組みを自分たちでソフトウェアを作ってクラウド上で動かしている点です。

そして昨年(2016年)、この技術をKDDI様にもご採用いただきました。

KDDIの「IoTコネクトAir」というIoT向けの新しい通信サービスのバックエンドにはSORACOMの技術を採用していただいております。

このような形でキャリアとも連携し、ビジネスを進めております。

▶︎編集注:なお、2017年8月2日にソラコムがKDDIグループへ参画することが発表されました。2017年8月下旬を目途に、ソラコムはKDDIの連結子会社となる予定です。

(続)

続きは 免許不要の無線通信「LoRaWAN」が切り拓く新たなIoTのカタチ(ソラコム柿島) をご覧ください。

ソラコム柿島 英和さんのプレゼンテーション動画をぜひご覧ください。

平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! ICCのYoutubeチャネルの登録はこちらから!

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/平畑 真智子

【編集部コメント】

プレゼンテーション内でKDDIとの協働について触れられていましたが、ちょうど少し前(8月初頭)、KDDIによるソラコム買収のニュースが話題になりましたね。(立花)

続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

更新情報はFacebookページのフォローをお願い致します。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!