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これまでに配信した、経営に関する議論を総特集いたします。今回は、ICC Connection 2016 から、「俺たちのHARD THINGS」を15回に再編集してお届けします。15回シリーズ(その10)は、クラウドワークス吉田さんのお話から、社長を退く条件などを議論しました。各登壇者、会社への考え方が違い、興味深いです。是非御覧ください。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
小林 高橋さんは経営譲渡についてどうお考えでしょう。
高橋 譲り渡すなどということは考えたことがありません。僕以外に誰がいるのか、と思っていますから。
吉田 そうですか。そういう感覚なのですね。
小林 でも、高橋さんの場合オーナーシップはほとんど自分ですよね?
高橋 はい。
小林 吉田さんも(株式を)結構お持ちだったと思うのですが。
吉田 いいえ、私は30数%です。
元々、会社づくりとして、一回目の起業で自分の限界や、自分の強み、弱みについて、自覚して始めているので、自分が社長であり続けられるかどうかは会社の成長に対して自分が前を走り続けられている間と思っています。
ですから、会社が成長しているのに社長が成長していなかったら、すごく迷惑をかけるわけです。
だいたい、サラリーマンでもよくあったのですが、上司がのさばっているだけで仕事をしなくて、部下が我慢しているというようなシチュエーションというのはたくさんあるわけです。
あれをやってはならないと私は思っているので、会社の成長に対して自分が追いつかなくなった時は降りるべきだと考えています。
自分が最もパフォーマンスしているという感覚
高橋 でも、それは肌で感じるものではないでしょうか。
吉田 ああ、そうですね。
高橋 今は、「自分が一番パフォーマンスしている瞬間は今だ」というふうに思えますでしょう。
吉田 それが「俺が常に前を走っているのだ」ということですよね。
高橋 僕は、「今、スーパーパフォーマンスしているな」と思ってやっています。
これが逆にパフォーマンスしなくなったら下りなくてはいけないのだと思います。
吉田 「今、俺スーパーパフォーマンスしているな」と思っているのですか。
高橋 思っています。
吉田 それはすごい。やはり天才起業家かもしれませんね。
小林 田中さんはどうでしょう。
田中 僕は君臨はするけれど統治はしていないタイプです。
もちろん、社内でとても時間を使っています。
ただ、社内で時間を使っていて、例えば離職率がすごく低いとか、文化が強いとか、そういうものはKPIもないので、売上などには関係ないのです。
だから、自分がパフォーマンスしているかは正直全然わかりません。
30年続けたい
田中 文化を作っているとか、社員とコミュニケーションしているとか、そういうものは指標上わからない。
それから、僕はもう営業もあまりやらない。
社長営業などもこの1年くらいはほぼやったことがないと思います。
ただ、僕は30年続けたいという考えしかありません。
高橋 でも、僕も営業などはしないですよ。そのあたりはロール(役割)でしょう。
田中 どうやってパフォーマンスしているかどうかを計っているのか教えて欲しいです。
高橋 自分が得意な領域というものがありますよね。
吉田 そうなると、どこでスーパーパフォーマンスをしているのですか。
高橋 今で言ったら、採用などです。
まだいくつか領域があると思いますが、少なくとも自分がこの会社で一番できることだと思います。
そして、逆にできない領域は任せているので、その人が「スーパーパフォーマンス」すれば良いのです。
ただ、会社全体のトップとして、いろいろな人の意見を聞いて何か決めていくとか、実行していくという時に一番自分に自信があるから、やっているという感じです。
逆に言えば、そこで僕よりも優秀な人がいたら譲ると思います。
田中 僕は売上が伸びるというところ以外の面倒くさいところをぜんぶ他の役員から拾いあげて、まとめる。
そして、そこに中間管理職を混ぜて、中間管理職の教育をやったりしています。
自分がやりたいことのために立ち上げた会社だ
高橋 すみません。少し前言撤回してもよろしいでしょうか。
小林 はい。
高橋 自分より「スーパーパフォーマンス」している人がいても譲らないかもしれません。
なぜかと言うと、自分がやりたいことのために立ち上げた会社だからです。
吉田 なるほど。
小林 たとえば、ニケシュ(元ソフトバンク)が「無料で働きます」と言ったら社長を譲りませんか。
高橋 譲らないです。そもそもニケシュがウチでパフォーマンスするかはわかりませんし。
吉田 結構、お二人は自分のやりたいことというのにこだわりがあるのですね。
田中 ただ、僕はそこには二面性があると思っています。
一つは社長なので当然やりたいことをやりたいということ。もう一つは大株主ということです。
僕だったら、ニケシュが社長をやってくれるというのなら、「パフォーマンスをあげることができるなら良い」と言うかもしれません。
要するに、株主としての立場に立つと。社長としての立場に立つと絶対に譲りたくないと思いますが。
高橋 そうすると、ソフトバンクみたいに後で心残りがあって、戻ってくるというようなことになりそうですね。
田中 それはありえます。
高橋 「何の事業をやっていくか」というのは結構重要でしょう。
ウチもコンサル事業もやっていて、Applivもやっていて、別の事業もやっていて、というところがあります。
ですが、自分がやりたいことでなければ最後まで「ぶち込め」ないのです。
自分が社長でオーナーシップを持ってやっている状態は、最終的に「これはやらない」とか「これはやりきる」と言える立場でしょう。
ところが、社長というポジションをもし誰かに渡してしまったら、その人が最後に決める立場になる。
僕は、そこに介入できないという立場が最後に我慢できなくなると思うのです。
吉田 でも、その方が事業のうまくいく可能性があったとしたらどうですか。
高橋 数字は最後どうでもいいと思っています。
吉田 なるほど。社長の意志ですね。
事業の属性に対する思いこそ創業者の強み
高橋 はい。自分がやりたくないことで数字を出しても、それは自分が作りたい会社ではないから、意味がない。
小林 すごく孫正義的な発言をしていますね。
高橋 しかし、たとえば事業を選ばないのであれば、それこそグレーなアダルト事業などをやっても良いという話になりますが、たぶん絶対に許さないでしょう。
なぜかと言うと、それは絶対にやりたくないというのがあるからです。
おそらくみんな、ある範囲の中で自分のやりたいことを絶対にやるのだというような、事業の属性に対してかける想いというものがあるはずです。
それがファウンダーの強みだと思っていて、その最後の一線を譲るというのは自分の中ではあまりに大きいことだと感じます。
(続)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/石川 翔太
続きは 「社長抜き経営幹部合宿」のススメ をご覧ください。
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【編集部コメント】
続編(その11)では、経営会議を研究しているというクラウドワークス吉田さんが、オススメする「社長抜きの経営幹部合宿」について語りました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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