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食べて投票、マルシェ・アワード初代栄冠はMinimal<チョコレートレアチーズケーキ>に輝く!【ICC KYOTO 2021レポート】

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9月6日~9日の4日間にわたって開催されたICCサミット KYOTO 2021。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。今回は、ICC参加企業の15社による初開催の食のアワード「マルシェ・アワード」の模様をお伝えします。初代優勝となったMinimalのチョコレートレアチーズケーキをはじめ、各ブースが展示した自信の一品を写真とともにお伝えします。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2022は、2022年2月14日〜2月17日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。


これまで、ICCサミットでは会場の一角に、ご参加いただいている企業など、パートナー企業から飲料やプロダクトのご提供をいただいたり、ICC側で用意したフードや飲料などを並べた「フード・飲料提供コーナー」を設置してきた。

エクストリーム・ディスカッションの合間に、参加する方々に軽くつまめるものや飲めるものという主旨のコーナーだが、せっかく置くのならば参加企業のもので、プロダクトを通じた交流が広がればという想定したものであった。

しかしここ数回でICCサミットそのものが、より体験型にシフトしてきた。カタパルトによっては、プレゼンが壇上で行われるときに審査員にサンプルが配られるようになり、ICC側もオフシーズンに有志を募ってものづくりの現場を訪問し、ご案内いただきながら見学するツアーを重ねてきた。

https://icc.dvlpmnt.site/digest/71629
https://icc.dvlpmnt.site/digest/71634

そこで学んだのは、ただ口にするのと、ものづくりにこめた想いや工夫をうかがって体験するのでは、体験の価値が大きく違ってくることである。美味しいものは世の中にあふれているが、その背景、美味しさをいかに実現している工夫を知ることで、そのプロダクトのファンになり、語りたくなってしまうのである。

そしてICCサミットでも今回6カテゴリに増えてきたカタパルトの競争原理を用いて、「フード・飲料提供コーナー」でも高め合う場を創る。それがこの「マルシェ・アワード」が生まれたいきさつだ。

今回は初開催となった「マルシェ・アワード」は、参加企業15社のみなさんのご協力により、大いに盛り上がった。2日間にわたって試食提供とスマホによる投票を行い、初代の1位は、チョコレートレアチーズケーキを提供した「Minimal」が飾り、上位5位は以下のとおりとなった。

こちらのレポートでは、メイン会場の後方のスペースに設けられた各社のブースを、商品紹介とともに写真でご紹介する。

1位 Minimal(チョコレートレアチーズケーキ)

Minimalの山下貴嗣さんに、中川政七商店からMinimalにジョインした緒方恵さんというダブルヘッダーで最強のブースを作ったMinimal。運営スタッフもケーキの配布を手伝わせていただいたが、スタッフに対しても美味しさの秘密をしっかり伝授してアワードに臨んだ結果、見事初代王者となった。

Minimalの山下貴嗣さん

<商品紹介>
山下さん「Minimalは、チョコレートの原材料であるカカオを自分たちで農園まで行って仕入れて、豆からチョコレートを作っています。チーズに合わせてチョコレートの油分をちょっと少なめにして、香りが際立つような特別に配合したチョコレートを使った、チョコレートレアチーズケーキです」

Minimalの緒方 恵さん

<優勝後のコメント>
緒方さん「正直めちゃくちゃ嬉しいです。出るからには絶対1位を獲りたいと思っていましたので、ブースで2人で頑張って配った結果が実を結んで嬉しいです。

今回お持ちしたチーズケーキは、ある意味すごくわかりやすく美味しい商品ですが、『えっ、チーズとチョコレートって、どういうこと?』と相反するイメージがあるので、ブースに足を止めてもらう仕掛けという掛け算を考えて、商品を選定して提供させていただきました。

チョコレートが本来持つ一番の価値って、美味しい、幸せっていうことです。今の大変な状況があり、ICCの職域接種の件もあって、みんななんとか頑張ってこの日を迎えている。ですからこの場をよりハッピーに、クリエイティブにする1つのアクセントとして提供させていただきたかった。

これをセッションの間に食べてちょっとほっとして、また新たなラーニングを皆さんがしていただければ、うれしいなと思います。

周りの皆さんのブースも全部食べさせていただいたんですが、非常にレベルが高く、また僕らとはまた違ったものづくりの業界で、哲学があって、別の知見を、学びを得ることができました。実は食べていただいた皆さんより、出展者の僕たちのほうが得るものが大きかったのではないかと思っています。とても得るものが大きかったです。ありがとうございました」

2位 みやじ豚(みやじ豚)


<商品紹介>
宮治 勇輔さん「神奈川県の藤沢市から参りましたみやじ豚の宮治と申します。月100頭しか生産できない限定のみやじ豚ということで、口コミだけで広めてまいりました。売上は国産のブランド豚平均の約2倍です。今日はそのローストポークを、1,800種類の塩から4種類を厳選してブレンドした、みやじ豚を最高においしく食べる塩を添えて召し上がっていただいております。

よそで豚肉を食べられなくなってもいいという人だけ、うちの豚を食べていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!」

みやじ豚の宮治 勇輔さん

<2位入賞後のコメント>

「いや、1位じゃないのが悔しすぎです! でもMinimalさんに負けたんなら、まあしょうがないかなというふうに思います。皆さん食べてくださってありがとうございます!」

3位 イノP / 農家ハンター(ジビエの腿肉/ソーセージ)


<商品紹介>
宮川さん「熊本からやってきました農家ハンター、株式会社イノPの宮川と申します。皆さんイノシシはご存知かと思いますけれども、美味しいジビエと出会ったことはありますか? おいしいジビエに出会うのは一期一会といわれていますけれども、私たちはIoTの技術を使って銃を使わない鳥獣対策をしながら、おいしくて安心、安定してご提供できるようになりました。

そこにあるのはイノシシの脚1本です。そしてそれで作ったソーセージもあります。臭いなんて全くないというのは今日試食していただければわかると思いますので、ぜひ僕らの農家のストーリーと共に味わっていただければうれしいなと思います」

イノP / 農家ハンターの宮川 将人さん

3位 一平ホールディングス(MATCHA MODE)


<商品紹介>
村岡 浩司さん「いつもは九州パンケーキなんですけど、今日はMATCHA MODEという新商品を持ってきました。私たちは九州の農業素材と九州のいろんな加工技術をかけ合わせて、世の中に新しい価値を作り出すということをやっています。

MATCHA MODEは志布志のお茶の産地で有機のモリンガの栽培もやっていて、それをパウダー化して3割ぐらい入れたパウダーティーです。皆さんぜひお手にとってお試しください。水に溶かして気軽に飲んでもらえます。モリンガはスーパーフードで、とても健康にいいお茶なので、ぜひ飲んでほしいと思います」

一平ホールディングスの村岡 浩司さん

5位 homeal(牛肉とひよこ豆のハッシュドビーフほか幼児食)


<商品紹介>
櫻林 栄吉さん「皆さんこんにちは。代表(鬼海 翔さん)の代わりに学生スタッフの櫻林がお話しさせていただきます。homealでは冷凍の幼児食を販売しております。厳選素材、減塩、無添加となっていて、しっかり減塩されているんですが、大人が食べてもしっかりおいしい味となっています。私が丹精を込めて湯せんしていますので、ぜひお越しください」

homealの鬼海 翔さん

HiO ICE CREAM(季節のアイスクリームほか)


<商品紹介>
西尾 修平さんHiO ICE CREAMの西尾と申します。僕らのような世代から、お子さんの世代まで安心して食べてもらえるような、素材本来の良さを生かしたアイスクリームを作っています。

今回は宮崎県小林市のマンゴーを50%以上使って練り込んだマンゴピューレを使ったアイスクリームと、九州パンケーキの村岡(浩司)さんにご紹介いただいてご縁をいただきました、熊本県の玉名の牛乳を使ったシングルオリジンのアイスクリーム、そしてアグベルさん、丸山さんが丁寧に作ってくださった巨峰をシャーベットにしました。この3種類をご用意しております」

HiO ICE CREAMの西尾 修平さん

アグベル(シャインマスカット)

アグベルの丸山 桂佑さん

<商品紹介>
丸山さん「山梨県から来ましたアグベル株式会社の丸山です。皆様は本物のブドウを食べたことがあるでしょうか? 弊社自慢のシャインマスカット、今が一番旬のシャインマスカットをご用意しています。店頭に飾ってあるものは本物のブドウですので、ぜひ見に来ていただいて、ライブ感を味わってもらえればと思います!」

ユーグレナ(からだにユーグレナ)


<商品紹介>
工藤さん「本日は「からだにユーグレナ」のユーグレナ史上最もおいしいと好評いただいているドリンクをお持ちしております。

ユーグレナは売れれば売れるほど社会が良くなるということを目指しておりまして、この食品事業ではユーグレナ、ミドリムシの持つ機能性、栄養と睡眠、ストレス、免疫、これらの機能で健康寿命を延ばすということを目指しています。そして売上の一部でバングラデシュの子どもたちに栄養豊富なクッキーを届けるという活動をしています。

ICCでも登壇しています緑のネクタイの出雲(充)社長、彼のことを私は心から尊敬はしているのですが、実は彼の舌はあんまり信用していません。と言うのが、ユーグレナ、和名ミドリムシのことを愛しすぎていて、ユーグレナのことはなんでもおいしいと言ってくれるからです。

どんなに社会に良くても体に良くても、おいしくないと続けられないというふうに考えていますので、社内で”おいしさ革命”を起こしまして、その集大成がこのドリンクです。

本当に人類の健康のために必要だと思うことを毎日摂りやすい形で提供する。そういったことを目指しています。売れれば売れるほど社会が良くなる。そんな野望においしさを乗せたこの究極のドリンクをぜひご賞味いただければと思います」

ユーグレナの工藤 萌さん

ジャパン・ファームプロダクツ(無添加・無糖のドライマンゴー、ドライパイナップル)


<商品紹介>
阿古さん「本日カンボジアから参加させていただきましたジャパン・ファームプロダクツの阿古と申します。無添加・無糖のドライパイナップルとドライマンゴーをこのICCイベント限定の袋に入れて、持ち運び便利にお配りしています。セッションの間つまんでいただけるように作りましたので、ぜひ皆さん手に取ってセッションを楽しんでいただければと思っております!」

ジャパン・ファームプロダクツの阿古哲史さん

結わえる(寝かせ玄米)

結わえるの島田まなみさん

<商品紹介>
島田さん「私たち結わえるは、ブースにて寝かせ玄米の試食をお出ししております。これが玄米!?というようなモチモチの食感をぜひ体感してください。玄米のパサパサであったり、硬い、あとはあまりおいしくないというイメージが覆されると思っております。

玄米はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、健康や美容、またダイエットに良いというのはご存知の方は多いかもしれませんが、なにしろおいしく炊くのには時間と手間がかかります。それを解決した寝かせ玄米のご飯パックをもちまして、健康的で持続可能な食生活というのを提案していけたらと思っております。

本日ブースでは商品サンプルとして一食分のご飯パックをお土産としてお渡ししておりますので、ぜひ展示にお立ち寄りいただければと思っております」

初日にスピーチする「結わえる」の荻野 芳隆さん

KOHII(スペシャルティコーヒー「エチオピア ベロヤ」)


<商品紹介>
太田さん株式会社KOHII CTOの太田 優成と申します。私どもはコーヒーと人をつなげるということをミッションに掲げたアプリケーションの開発運営をしております。そこで本日はKOHII内でのパートナーロースターである、Kurasu Kyotoのエチオピアのコーヒーをご提供させていただいております。

香りがとても豊かで面白いコーヒーになっていますので、ぜひ一度ご賞味くださいませ。もしおいしいと感じていただけましたら、マルシェ・アワードのご投票を、ぜひよろしくお願いいたします!」

KOHIIの太田 優成さん

パンフォーユー(4種のカレーパン、パンスクのセット)


パンフォーユーの矢野 健太さん

<商品紹介>
矢野さん「『新しいパン経済圏を作り、地域経済に貢献する』がミッション、パンフォーユーの矢野でございます。全国4店舗からの4種のカレーパンと、個人向けのパンのサブスクでお届けしている北海道のBoulangerie Lafi、北海道産の米粉を使ってモチモチの小麦の甘みを感じるパンをご用意しております。温めて差し上げますのでぜひ召し上がっていただければと思います!」

ベースフード(ベースブレッド、BASE Cookies™)


<商品紹介>
吉田さん「私たちは『主食をイノベーションし、健康をあたりまえに』をミッションに完全栄養食を作っています。皆様も仕事が忙しくって日々の栄養バランスの良い食事を摂ることまでは考えられないという経験がありませんか?

そんなときに栄養バランスの良い食事を主食で賄うことができればという発想から、ベースフードは生まれました。こちらのブースでご用意しているベースブレッドとBASE Cookiesの中に、人間が生きていく上で必要な栄養素26種のビタミン、ミネラル、食物繊維、タンパク質などがバランス良く含まれています。

自然由来の栄養豊富な材料にこだわって10種類以上ブレンドすることで、おいしさと栄養のどちらも叶えました。皆さんが自然に無理なく健康が当たり前にという世界を目指して邁進してまいります」

ベースフードの吉田 千紘さん

クラダシ(モデルチェンジ前のキットカット)


<商品紹介>
徳山さん「先程カタパルト・グラプリでも発表させていただきましたが、われわれは社会貢献型ショッピングサイト KURADASHIというのを運営しております。日本で600万トンもの大量の食品が食べられる状態で廃棄されており、これを無くすことを目的としてサービスを展開しています。

同じくフードロス削減に先進的に取り組まれているネスレさんにご協力いただいて、今回キットカットがモデルチェンジをするということで、このままいくとお蔵入りをしてしまうという前モデルの商品を、皆様のおやつ、3時のおやつ、疲れたときの小腹にということで、ご提供させていただいております」

クラダシの徳山 耕平さん

フィッシュ・バイオテック(こりゃうめぇトロサバ棒寿司)


<商品紹介>
右田さん「今日は、サバのおいしさを存分に味わっていただける『こりゃうめぇトロサバ棒寿司』を試食いただいています。この機会に、ぜひ本当に美味しいサバをお召し上がりいただければと思います。特別価格で販売もしています」

フィッシュ・バイオテックの右田 孝宣さんと田中 俊子さん

金楠水産(明石たこ)


<商品紹介>
樟さん金楠水産の明石だこを持ってきています。ぜひ皆さんに食べていただきたいです。クラフテッド・カタパルトのプレゼン登壇、めっちゃ緊張しています……!」

金楠水産の樟 陽介さん

山西牧場(“飲める脂”の豚肉)


<商品紹介>
倉持さん山西牧場の豚肉の特徴は、一言で言ってしまえば”飲める脂”です。肉の旨味を決めるという点で 『餌が脂を作る』という考えなので、なによりも餌にこだわって作っています。

仕上がった脂が口に残らない、食べた後にさらっと流れて、次の一口にいけるというのが大事で、かつ旨味がしっかりしています。それで”飲める脂”という名前をお客様からいただいていますが、豚肉の中でもスタンダードで楽しめるようなものになっていると思います」

山西牧場の倉持 信宏さん

マルシェ・アワードが作ったもの

アワードの結果発表は、9月8日の15時45分から行われた

一見、デパートの物産展のようだが、ICCマルシェ・アワードの一味違うところは、経営者が自らブースに立って説明をする率が高いこと。過去のカタパルトや、登壇で見知っている顔も多く、この機会に自信の一品を味わってもらいたいという積極的な接客も、和気あいあいとした雰囲気を生んだ。

賑わうマルシェの中で、Minimal緒方さんが撮影しているのは、先日まで在籍していた中川政七商店の会長、中川さん。緒方さんの転職先のブースの中で、中川さんが満面の笑顔で記念撮影している。

二人は楽しそうに撮影を終えたあと、がっちりICCポーズを決めてくれた。

ICC初参加企業のブース

今回初参加の企業も、自信の一品をブースで配布した。

楽しそうに金楠水産の楠さんの話を聞いていたFactelierの山田さんとMATCHA MODEでブースを出していた一平ホールディングスの村岡さん。ブースに近づくと山田さんは「美味しいゆでたこは何が決め手か知っていますか?」と、こちらに逆質問。その味の秘密を誰かに伝えずにはいられなかったようだ。

クラフテッド・カタパルトの登壇直後の時間帯のため、アワードのプレゼンをCTOの太田さんに任せたKOHIIの大槻さん。ブースはカタパルト会場の正面の位置で、太田さんはコーヒーを配布しながらさまざまなプレゼンも見られて、刺激を受けたと語ってくれた。

別日にブースを訪れると、大槻さんがブースに立っていて、「休憩時間の合間だけかと思っていたけど、セッション中にも取りに来てくださる人がいてうれしいですね」と言う。

KOHIIの大槻 洋三さん

大槻さん「今回のコーヒーは、本当に珍しい、希少価値の高いコーヒーです。コーヒーはフルーツだというのが、飲んで香りで一瞬で分かります。ブラックがおいしいのですが、ラテにするとまた驚いていただけると思います。バリスタチームに作ってもらおうかな?」

マルシェではないが、今回のバリスタブースでのコーヒー豆はKOHIIにご提供いただいた(ちなみにICCのバリスタチームが、ブラインドテイスティングで数種類の候補から選んだ豆がKOHIIのものだったそうだ)。そして上のコメントの通り、最終日に大槻さんは残った豆をバリスタチームにプレゼントしてくださった。

クラフテッドとソーシャルグッド、2つのカタパルトで登壇する丸山さんは、準備日から会場に入ってブース作り。パッと目を引くぶどう棚には、本物だとは信じがたい大きさの立派なシャインマスカットが吊り下げられている。

今までのICCサミットでは見たことがない光景だが、野菜の即売所に積まれているようなケースには、その朝、山梨で収穫してきたシャインマスカットと、巨峰のような紫色のぶどう「スカーレット」が入っている。スカーレットは来年発売予定の新種で、まだ市場に出回っていないレアなぶどうだ。

夕方の時間帯には絶品肉が登場

イノP / 農家ハンター、みやじ豚、山西牧場の肉については、ホテルで調理とその場でのカットをお願いして、両日とも夕方の時間帯に提供された。焼けた肉の香りに自然と人が集まっている中に、ヤッホーブルーイングの井手さんを発見。「こりゃもう速攻で宣伝しなきゃな。うまい!」と舌鼓を打っている。

イノP / 農家ハンター宮川さん「おいしさの秘密は、このイノシシさんは僕らの地域で豊かに育まれた熊本の農産物を死ぬほど食べているからです。そうやって畑を荒らしたイノシシだけを僕らは捕まえているので、おいしくない訳がないです。僕よりも先においしいコシヒカリを、デコポンとかも食べまくっている。

僕らのような農家は被害で困っている。でもこうやっておいしく食べることでイノシシの命も無駄にせずに次の命にずっとつながっていく。だから、おいしいと言っていただけるとめちゃめちゃうれしいです」

井手さん「本当にクセがなくて単純に美味い。これ言われなかったらイノシシってわかんないぐらい。もうびっくり。みんなに食べてほしい」

宮川さん「2回目なんですよ、さっきは無理にお願いして食べていただいたんですが」

井手さん「いや、無理じゃないよ! あまりにもおいしいのでもう一回おかわり。あまり人だかりができていたら申し訳ないなと思って、ちょっと人がいなくなった瞬間におかわりですね。本当においしい。みんな食べたほうがいいよ!」

ヘラルボニーの松田兄弟も、ジビエを堪能中

交流が生まれ、ものづくりをより深く知る場に

homealの鬼頭さんと三星グループの岩田さん

冷食の幼児用フードを作るhomealは、カタパルトで登壇のときに審査員には試食を配布した実績がある。「親も一緒に楽しめる味」といっても、大人が幼児食を試食する機会は少ない。大人でも満足できる味と、それを子どもと一緒に食べられるという驚きが、今回のアワードの5位入賞につながったのではないかと思う。

普段何気なく口にしているものを、ブースで話を聞くことで改めて背景を知るという場にもなった。たとえば「からだにユーグレナ」は、ICCのオフィスでも前のドリンクより美味しいと話題になって
いたが、社内で”おいしさ革命”が起こり、その理由はバングラデシュの子どもたちへの継続的なサポートのためだとは知らなかった。

優勝したMinimalは、セッションの休憩時間を奪う絶妙な商品セレクトと、豊富な配布数と商品の背景を伝える努力で納得の優勝だった。運営スタッフも配布をお手伝いしたが、スタッフにもストーリーを伝えた上で配布を依頼している姿が印象的だった。

そした美味しさのあまり、リピーターが続出していた。ミラーフィットの黄 皓さんもその一人だ。

ミラーフィットの黄 皓さん

黄さん「僕らめちゃくちゃリピートしています。もう1回いただいてもいいですか?」

緒方さん「もちろんです! チーズの酸味とチョコレートの甘味って、相容れないものなんですが、Minimalはカカオを直接仕入れて、1レシピについて3,000回試作しています。チーズに対してカカオを合わせていって、調和が生まれた味です。チーズ? あれ、チョコ!? みたいな、いい混乱が生まれる面白い味わいになっています」

黄さん「うまい〜! 僕が一番好きなスイーツはチョコレート、2番目がチーズケーキなんです」

ーー3番目に好きなのは?

黄さん「モンブラン!」

緒方さん「モンブラン、Minimalでも販売しています」

ミニマル、チョコレートが主役の「チョコレートモンブラン」富ヶ谷店限定で発売(FASHION PRESS)

どうやら黄さんとMinimalの相性はぴったりのようだ。

緒方さん「栗のガトーショコラとか、ティラミスのようにな、あまりたくさん作れないものは、LINEの友だち限定などでも販売していますよ」

黄さん「3,000回試作とは、なぜそんなに多いんですか?」

緒方さん「狙った味を出すために、たとえば豆の焙煎時間を1分ずつ変えるのを×600回とかします」

黄さん「味見なら、いくらでもお付き合いしたいです!」

緒方さん「職人が顔色変えて真剣勝負しているので、怖いかも」

黄さん「そんなハッピーなものじゃないんですね。では完成したものを買うことにします!」

各社自慢のプロダクトを味わいながら、カジュアルに、でも深く、その食べ物のストーリーを知ることができた今回のマルシェ・アワード。ここで体験した美味しさや、すごいと思った話は、誰かに伝えずにはいられないはずだ。初回のためまだまだ改善の余地はあるが、楽しさと美味しさと学びが一体となった、ICCサミットの新たなコンテンツの誕生である。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成

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