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プレミアム・パーティで感じたCo-Creationの進化。DAY1を終えた登壇者たちの意欲とは 【ICC FUKUOKA 2020レポート#7】

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2月17日~20日の4日間にわたって開催されたICCサミット FUKUOKA 2020。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。今回は、DAY1の2月18日の夜、OPEN8プレミアム・パーティの模様をお伝えします。スタートアップ・カタパルト登壇者たちの長い一日を終えた感想とは? 登壇者たちが語った今回のICCサミットへの意欲とは? ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

ICCサミット FUKUOKA 2020 開催レポートの配信済み記事一覧


ICC サミットのDAY 1、合計25のセッションを終えた登壇者たちは、博多・天神駅近くの”今、九州で一番美味しい食材”に出会えるイタリアン、リストランテKubotsuに集まっていた。食材以外にも、器や内装など、九州の地産地消を実践するレストランで、ひらまつレストラン系列の店だ。

リストランテKubotsuは、2014年に「リストランテASO 天神」からシェフ窪津朋生さんの名前を冠して現在の名称となった。窪津さんとICC小林はその頃からのおつきあいがあり、九州でもピカイチと太鼓判を押すレストランだ。

例年ここでDAY1のプレミアム・パーティが開催されるが、いつもと違うのは、今回はシェフ窪津さんにパーティ以外でICCサミットに参加いただくこと。打ち合わせなどで窪津さんとやりとりを重ねるうちに、DAY3のセッション12D「顧客に愛されるクラフト・ブランドをいかに作り上げるか?」に登壇いただくことになった。

会場に入ると、見た目も楽しい料理がすでに並べられていた。このあと、窪津さんにはローストビーフのカッティングなどでパーティを盛り上げていただくことになっている。

セッションの熱気もそのままに、レッドパス(主にスピーカー)の方々が次々に到着。写真を中心にOPEN8 プレミアム・パーティの様子をご紹介していこう。

リストランテKubotsuに登壇者が大集合

ICCサミットの名物モデレーター、スピーカーに加えて、ひときわリラックスした様子に見えるのは、スタートアップ・カタパルトの登壇を終えたプレゼンターたちだ。

クライス&カンパニー棚澤 啓介さん、スタートアップ・カタパルトのプレゼンを終えたばかりのWorld Matcha 塚田 英次郎さん、涼しい顔して物々しいガスマスクを装着したオリィ吉藤 健太朗さんがポーズ。

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吉藤さんいわく「今、こちらのマスクのほうが安いですよ」

今回のカタパルト優勝者、アダコテック河邑 亮太さんは、CARTA HOLDINGSの宇佐美 進典さんとアクサ生命の安渕 聖司さんに囲まれている。優勝の瞬間、涙ぐんでいた理由を聞いた。

写真中央が河邑さん

河邑さん「自分はアダコテックにあとから入った人間なのですが、メンバーはずっと14年、同じものを研究してきて、苦労してきました。

潰れそうになったときもありながら、それをこうして世に出せたというところで、ぐっときました。

自分はただプレゼンをしただけですが、メンバーの顔が思い浮かんでうれしかったです。

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メンバーは中継は見ていなくて、優勝したと伝えたら、みんなで録画の映像を見てくれたらしいです。商品がいろいろ当たってましたね、と言われました(笑)。

最初の頃のプレゼンだったら、優勝は絶対無理だったと思います。そこから何度も練習させてもらいました。

小林さんが書いてくれた、工場の労働人口減少と、技術の進化・第三次AIブームが交差して、世の中がようやくついてきたという、あのグラフが僕は超気に入っています。最後のミッションの流れも、小林さんに教えてもらいました。

AIの専門家でもよくわからないと言われるのですが、今回のプレゼンでうちの母親から、初めて技術がよくわかったわと言われました(笑)。

今までは露出がうまくなくて外に出せていないところもあったけれど、そういった意味でもよかったし、いろいろな人にメッセージいただいたので、改めて影響力を感じました。

でも、この優勝があったから事業が変わるわけではなくて、事業でこつこつと、今までのことをやっていくだけです。今までの事業があったから、こうやって届いたわけですし」

ファッション系の3人、FABRIC TOKYOの森 雄一郎さん、ラクサス児玉 昇司さん、メッシュウェル窪田 光平さん

メッシュウェルの窪田さんは残念ながら入賞はならなかったが、後日、カタパルトに登壇したお礼の丁寧なお手紙をICCオフィスに送ってくださった。起業する前からいつかは出たいと願い、登壇が決まってからの3カ月はさまざまな形で「共創する」を実感し、成長することができたという。

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目指す場所として、思い入れがあった舞台だからこそ、運営スタッフの準備日にも会場を見に来たのだろう。

阪急デザインシステムズの橋本 裕一さんの横で、おどけて見せるスタートアップ・カタパルト2位入賞のMiddleField中山 翔太さん

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5位に入賞した、月額4万円で全国多拠点生活プラットフォーム「ADDress」を運営する佐別当 隆志さんは、自宅をシェアハウスにし、家族と一緒にいさまざまな人や文化が出入りする生活を楽しんでいるという。

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佐別当さん「テレビやメディアを見て、大家さんが連絡をくださったり、人口減少が進んで困っている地方自治体と提携したりして、物件は増えています。日本の城下町や宿場町、歴史のある街は、電車や車ができてから廃れてしまったところが多いのですが、そういうところもまた面白くて。

海の近い地方では、魚を釣ったりさばいたりというのが普通で、都会に住んでいるせいか、そういうのに憧れているんです。

ADDressの物件に住む、とある企業で人事部長をしている方が、海を目の前にしながらオンラインで採用をしたりしています。そういうふうに、働く場所は自由でいいんだというのを発信してもらえればうれしいです。

最近のイチオシ物件は、栃木県に益子焼の職人が家守となり、器やインテリアなどに益子焼がふんだんに使われた『職人さんの家に住める家』。都心からも近く、さまざまなクラフト体験ができます。

年配の方は田舎暮らしをしたいけれど、ここに家を買っていいかわからないというときに、各地に住んでみてから決めるというのもあるみたいです。会員を辞めてしまわれると売上は下がりますが、地域の人は喜んでくれるからそれはいいかなと思っています」

まだまだ自分の想いを伝えきれないとばかりに語るスタートアップ・カタパルトのチャレンジャーたち。通過点をひとつ超えて、さらなる成長を目指して静かな闘志がみなぎっていた。

パーティ会場でライブ・クッキング

パーティの最初のほうで、コーヒーのサイフォンのような、実験器具のような料理を紹介していた窪津さんは、会場でライブで料理を作っていた。

窪津さん「上の容器は、ごぼうを地面に植物が植わっているイメージで大葉をたっぷりあしらっていて、鉢植えのようにしています。下には鶏のスープが入っています。コーヒーを作る要領で、下から温めてスープを作っていきたいと思います」

下のスープがぐらぐらと煮立つと上の容器に上がっていき、そこでゴボウと大葉が混ざり合うと、いい香りが立ち上ってきた。すべての材料は九州産だ。

見て楽しく、出来たてのおいしいスープに、集まった人たちは大喜び。パーティを盛り上げる特別な演出に、スープはたちまちなくなっっていった。

ともに創るICCサミットへ進化

写真左から武田 純人さん、楽天大学仲山進也がくちょ、ドリームインキュベータ宮宗さん

カタパルトについて語りたいのは、プレゼンターばかりではない。審査員を務めた武田 純人さんは、3位に入賞した知り合いのジグザグ仲里 一義さんから、なぜ1位に投票してくれなかったのかと聞かれている。

武田さん「最初に審査員をお受けしたとき、まささん(ICC小林)に評価の基準を聞いたのです。そうすると、武田さんの基準でいいですよと言う。こういう基準でやってくださいじゃなくて、それぞれの基準が許される。ダイバーシティがあって、すごくいいと思います。

儲かるという基準なら、僕はWorld Matchaに投票しませんでした。むしろ、茶葉のサブスクリプションなんて無理だと言うと思う。でもあの世界観がいいなと思ったのです。

儲かる基準なら、仲里さんのところとか、アダコテック。ジグザグは、前に聞いた時よりも事業がすごく伸びていますよね、おっさんベンチャー(笑)」

仲里さん「(ICC)小林さんにお会いしたときに、仲里さんスタートアップ・カタパルトなんだっけ?と言われて、ちょっと緊張しましたね(笑)」

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カタパルトだけでなく、今日のセッションの感想を語り合っている方々も多い。

「組織のWell-beingとは何か?(シーズン3)」に登壇した石川 善樹さん・楽天小林 正忠さんと、FABRIC TOKYOの森さん

「スタートアップ・カタパルト」で審査員を務めたアクサ・インベストメント・マネージャーズの齋藤 剛さん、ユーグレナ/リアルテックファンドの永田 暁彦さん

「悩みを聞いてほしい! 市場を創造するためのマーケティング戦略とは?」にアドバイザーとして参加したdof齋藤 太郎さん、マカイラ城 譲さんとココナラ南 章行さん

写真左から2番目がネットプロテクションズの秋山 瞬さん。日本IBMの荒川さん、正木さん、伊藤さん、ヤッホーブリューイングの井手さんと

「組織が変わる! モチベーションクラウド流組織変革 体感ワークショップ」に、ディスカッション・リーダーとして参加したネットプロテクションズの秋山さんに、ワークショップの感想を聞いた。

秋山さん「おもしろかったですね。事業、組織のフェーズで全然違うし、いる人材のタイプも違うなかで、組織の課題感も違ってくる。ディスカッションしたグループで、リアル壁打ちができるのは勉強になるなと思いました。

組織がオペレーション型とか、プロフェッショナル型など違いの認識はありましたし、事業モデルによっても変わってくるというのは、前職と現職でも違いを感じていて、経験則としてはありましたが、フレームを提示されたことで自分でしっくりきました」

事業の特性で組織タイプは決まる! モチべーションクラウド流ワークショップで、強い組織に変革するヒントを学ぶ【ICC FUKUOKA 2020】

今回ICCサミット初参加のナイアンテック足立光さん、窪田製薬ホールディングスの窪田 良さん

写真左からサツドラ富山 浩樹さん、inaho菱木 豊さん、メタジェン福田 真嗣さん

料理が追加され、ローストビーフのカッティングも始まった。

メイン会場のセッションを終えて、移動してきた人たちのなかに、翌日カタパルト・グランプリに登壇するGROOVE Xの林 要さんがいた。会場で展示していたLOVOTも連れてきていて、会場でたちまちの人気者になっている。

SmartHRの宮田 昇始さん、ICC小林、GROOVE X林さん、GROOVE XのCMOでもある西井 敏恭さん

今回初開催のAI CATAPULTでキーノート・プレゼンターを務める日本IBMの伊藤 昇さんも興味津々

まだ2月18日で自粛が広く言われる前の時点ではあったが、さすがに参加者は予定よりも少なかった。しかし会場にはそれを補うほどの熱気があった。終了時間となり、ICC小林から挨拶させていただいたあと、マイクが近くの登壇者に回っていく。

FABRIC TOKYO森さん「実は僕はICC皆勤賞でして、今回無事に開催されてよかったです。

今日のセッション、朝から全部、レベルが高くなかったですか? ICCの進化とともに、僕も進化しています。ここで育ててもらっています。

明日、WITH THE STYLEの『Co-Creation Night』で『D2Cの部屋』というのをやるので、OMOやリアルテック、D2Cなどに興味ある方はみんな、僕の部屋へ来てください。21時半から! よろしくお願いします!」

翌日の夜のパーティでは、新しい試みである『Co-Creation Night supported by LEXUS』という特別プログラムが企画されていた。福岡のスタイリッシュなホテルを貸し切り、13の客室で各ホストがテーマを設定し語り合うということになっている。

楽天大学がくちょ仲山さん「明日朝イチにチームビルディングのセッション(『イノベーションの起こし方 – 仲山進也のチームビルディング講座 2』)を拝命していますが、D会場は飛び入りができる環境ですので、飛び入っていただく方ウェルカムです!

夜は『チームビルディング&キングダムの部屋』という無茶振りを拝命しています」

飛び入りウェルカムとのサプライズ。仲山さんの講座は常に人気で、参加はいつも抽選になる。しかし朝イチに激しいアクティビティを伴う講座、果たして何名が飛び入れるだろうか?
「仲山進也のチームビルディング講座」に第2弾登場!「イノベーションの起こし方」体験に、参加者再び大熱狂!【ICCアカデミーレポート】

仲山さんによる「Co-Creation Night」の一室は、当然のようにチームビルディングがテーマだが、とってつけたような「キングダム」に爆笑が起こった。以前のイベントでモデレーターを務めたためと、念の為付け加えておく。

読む楽しさ倍増! ICC登壇者たちが『キングダム』のキャラクター、組織、経営の学びを深読み!

グロース・キャピタルの嶺井 政人さんがマイクを握った。

嶺井さん「明日は90分拡大版で『【完全オフレコ】教えてほしい! IPOの最新事情』モデレーターを務めます。IPOの裏側を語るので、IPOを目指している会社は全員来てほしいです。

バイオの会社から伸びているITの会社までいろいろ幅広く、5社に来ていただきます。IPOの裏側、バリュエーションはどうだったのとか、みんな聞きたいけど聞けなかったようなことを、ぐいぐい聞いていくので、IPOを目指している方はぜひ来てください!」

今回印象的だったのは、登壇者の方々が壇上で議論するだけではなく、セッションであれ特別プログラムであれ、積極的に自身の参加するコンテンツに対してオーナーシップを発揮してくださっていたことである。ICCサミットも9回目を迎え、ともに創るものへ、新たなレベルでCo-Creationが始まっているようだ。

別会場で開催されていた「CRAFTED MEETUP NIGHT in Garraway F」での二次会合流をご案内して、OPEN8 プレミアム・パーティは終了した。その模様は別レポートにてお伝えする。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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