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「ユニークなゲームコンテンツ企業のマネジメント手法」【K16-4C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!7回シリーズ(その2)は、ディー・エル・イー椎木さんに、衝撃の会社紹介とオフィスマネジメントについてお話し頂きました。会場が大いに沸いたトークに注目です。是非御覧ください。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
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【登壇者情報】
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016
Session 4C
「ユニークなゲーム/コンテンツ企業のマネジメント手法」
(スピーカー)
小渕 宏二
クルーズ株式会社
代表取締役社長
椎木 隆太
株式会社ディー・エル・イー
代表取締役
塩田 元規
株式会社アカツキ
共同創業者 代表取締役CEO
柳澤 大輔
面白法人カヤック
代表取締役CEO
(モデレーター)
琴坂 将広
慶應義塾大学
准教授
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【前の記事】
【本編】
琴坂 ではそろそろ椎木さんの方に移っていってもよろしいでしょうか。
椎木 椎木です。
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椎木 隆太
株式会社ディー・エル・イー
代表取締役CEO & Founder
1966年静岡生まれ。91年慶應大学卒業後、ソニー入社。シンガポール、ベトナムでの海外駐在等を経て01年DLEを創業し代表取締役就任。Warner Brothers Animation社やCartoon Network社とのプロデューサー契約、世界的大手玩具メーカーであるHasbro社と資本・業務提携契約を次々と締結。また、TransformersやGI JOE等、数々の世界的な大人気TVシリーズのプロデュースを手掛け、日本のアニメ業界では初の米国プロデューサー組合会員となる。14年東証マザーズ、16年4月東証一部上場。主力コンテンツは「秘密結社 鷹の爪」「パンパカパンツ」「貝社員」「東京ガールズコレクション」。
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困りましたね。びっくりした。
(クルーズさんの上記スライドを見て)「オモシロカッコイイ」って。
(自社の投影スライドを見て)あれ?って。秘書が何てことを。
琴坂 最初に衝撃の1ページがあるので、それを出して頂ければ。
衝撃の会社紹介
琴坂 これで紹介して下さいという秘書さんからのご要望がありました。
椎木 これは会社紹介のページですよね。
琴坂 ええ、そうですね。
椎木 これは後で説明しますけれども、ディー・エル・イーという会社は、元々アニメーションやキャラクターを自社で企画開発し、映画やテレビやウェブ等、デジタルに広告に色々なところに展開している会社です。
出所:2016年11月9日 「平成29年6月期 第1四半期決算説明資料」P13
2014年に東証マザーズ上場し、その資金を使ってまず東京ガールズコレクションの商標を買収し、2016年に東証一部に上場しました。
その後、東京ガールズコレクションの実行部隊、イベント部隊も買収して、ちょうど2016年9月1日に完全買収を完了しました。
ファッション、ビューティー、アニメ、キャラクターのような、日本が世界に誇る、世界にマーケットがあるものを選んでいます。
どうしても日本のマーケットは天井が低いのですが、僕達はそんな天井の低いところを狙ってはいません。
世界にマーケットがあり天井が高いビジネスを狙う、つまり、ディー・エル・イーの権利を活かした、レバレッジの効いたビジネスをするというのが、我々の目指しているところです。
琴坂 なるほど。
このユニークな写真とこれがどう関係しているのでしょうか。
椎木 僕達は麹町にオフィスを構えているのですが、そんなに広くないんですよ。120坪くらいですかね。
割とミーティングが多いので、ミーティングルームが7つくらいあって、ワーキングスペースは60坪から70坪くらいです。
普通の会社もそうなんですよね。
ミーティングルームが沢山あって60~70坪だと、僕達と同じビルだと大体24人とか、多くて30人ちょっとの会社なんですよ。2階や3階がそうです。
僕達のフロアはその人達と全く同じようなフロアなのですけれども、125人いるんですよ。
出所:2016年11月9日 「平成29年6月期 第1四半期決算説明資料」P8
琴坂 それ、無理ですよね?
椎木 60坪に125人いるので、こういう机の状態になるんですよね。
ディー・エル・イーのオフィスマネジメント
椎木 見て頂ければ分かると思いますが、そもそも机が狭いんですよ。
机が狭くてギュッとやるというので、元々はこれを横に使っていたんですよ。
琴坂 確かにこれは椅子の幅しかないですよね。
椎木 つまり、正しい机の使い方にしても120センチって狭いよね、なんて言われながら。ごめんね、なんて言いながら。
人数が増えてきて、皆が「そろそろ引っ越しのタイミングではないのですか?」と言い始め、80人くらいから引っ越し引っ越しと言われました。
琴坂 暴動が起きるみたいな感じですか?(笑)
椎木 引っ越しおばさんのようなのが出てきたんですよね(笑)。
あの引っ越しムードがすごく広がった時に、いやいや、これは違うと。
琴坂 これがスタイルであると?
椎木 この横に使っている机を一人で使うなんて贅沢だから、縦に使えば2人で使えるじゃないかと。
ということで、120センチ×70センチくらいの机を、70センチ×60センチで2人で使うようにしました。
琴坂 これは、横のところが更に2人で使われているということなのですね。
椎木 はい。これは2人分ですよ。
手前に見えるのが、手前の人のごみで、奥が奥の人のごみですから。これは2人分の机です。
琴坂 その心は?そこをやはりお聞きしたいのですが。
椎木 半分以上言い訳なのですが、基本的に机の幅は狭くしたいと思っている会社なのです。
普通なら140センチくらいなのですが、我々は120センチで、今はほとんど100センチなんですよね。
もう袖机も入らない状態だといってブーイングも出ているのですが、今は70センチが随分多くなってきました。
僕達はクリエイティブとビジネスを両立して、色々な広告や音楽やファッションやビューティーに仕掛けるという、あまり世にない形のビジネスをやっているので、営業が何をやっているかや、クリエイターが何をやっているかや、ライツが何をやっているかや、音楽のところが何をやっているかといったことをお互いにきちんと理解し、尊敬し合う風土を作りたいのです。
つまり、常にガヤガヤしていて、うるさくて活気あふれるオフィスを作りたいということを考えると、所謂パーテーション等も嫌だし、もちろん個室なんて以ての外ですけれども、隣にいる営業の人が今非常に苦労して、お客さんに頭を下げてお仕事を頂いているんだということをクリエイターは知るべきだし、営業は、クリエイターが夜を徹して頑張ってやっているとか、思い悩みながら、監督に怒られながら、半べそかきながらやっているというようなことを知って、お互いリスペクトする職場、そしてコミュニケーションを円滑にするという意味で、なるべく密な環境を作りたいというのが僕の希望なのです。
琴坂 なるほど。
1人あたり0.5坪のオフィス
60坪というと、普通は何人くらいいるものなのでしょうか?
椎木 普通は一人当たり2~3坪なので、60坪だと20人くらいですよね。
琴坂 なるほど。
椎木 僕達は1坪2人ですから、0.5坪ですね。
小渕 だから戻って来ないのではないですか?(笑)
椎木 それはすごくあると思うんですよ。
だって皆さん儲かってますもん。儲かっていれば、僕だって少しは広くしたいんですよ。
そんなに儲かっていないですからね。
これは仕方がないです。
出所:2016年11月9日 「平成29年6月期 第1四半期決算説明資料」P11
琴坂 場所にこだわりなどはありますか?
小渕 弊社は1人2坪いかないくらいか、2坪くらいですね。
弊社も元々は麹町の二番町にいたのですけれども、当時は1人1坪なかった時代もあり、本当にギュウギュウだったんですよね。
椎木 そうなんですね。
小渕 だから、それはすごくよく分かりますよ。
椎木 その頃と今とでは、どちらの方が雰囲気が良いですか?
小渕 変わらないです。
椎木 やはり一長一短あるということですよね。
小渕 そうですね。ステージによりますね。
あの時は2007年の上場直前だったので、ギュッとした感じは良かったし、今は今で、ある程度クリエイターも増えてきて色々な人がいるので、今の感じもありなのかなと思っています。
琴坂 柳澤さんはいかがですか?
柳澤 考え方は僕も一緒です。
オープンな空間で、あちらの人が何をやっているかが分かって、ガヤガヤと入ってくる情報で刺激し合うというのは一緒なのですが、狭いと風邪などがすぐに移ってしまいますからね。
小渕 すごいですね。冬のパンデミック(笑)。
柳澤 誰かがインフルエンザになると、皆同時に引かれてしまうので、やはり空気の流れというか気の流れを良くするために、ある程度の広さは必要かなと思います。
椎木 気の流れは大事ですよね、確かに。
柳澤 弊社でも今2坪くらいかな、やはり。
社員数が多くて引っ越しする前には、1坪の時もありましたね。
クリエイター、エンジニア、営業、管理と、島を分けるのですか?それともチーム毎でしょうか。
どういう風なアロケーションにされていますか?
椎木 場所は分けていますけれども、60坪ですから、お互いがとても近いですね。
琴坂 そうですよね。
椎木 はい。
小渕 弊社では、プロジェクトチーム制、つまり、プロデューサーがいてディレクターがいて云々で1つのチームという場合もあれば、企画部、営業部、開発部、○○部のような感じでやっていた時期もあって、それは1年半おきに必要に応じて変えていますよね。
やはり、ステージや、中にいる人によって変わるんですよ。
琴坂 なるほど。
柳澤 あとはやはり、業種ももちろんあるんでしょうけれども、社長の性質が出ますよね。
小渕さんのところはオフィスがすごく綺麗だから、多分、小渕さんが綺麗好きなんですよね。
小渕 そうですね。
柳澤 ですよね。
(会場笑)
椎木 柳澤さん、それはどういう意味ですか?
やめて下さいよ。汚いですから。どうせ汚いですから。僕は。
柳澤 すごいなと思って。本当に綺麗なんですよ。
琴坂 なるほど。
椎木さん、次のページもご説明頂けると思うのですけれども。ピザパーティーと言えば…
コミュニケーション活性化の為のピザパーティー
椎木 僕は、机の狭いのが上手くいっているなと思いつつ、もちろんコミュニケーションが少し足りないので、ピザパーティーをできるだけ頻繁に開いて、特に新入りが入ったらここで一芸やってもらうなど、お酒を飲みながら社員同士のコミュニケーションを図っています。
サントリーさんとよくお仕事をさせて頂いているので、差し入れを頂きつつ、そういうパーティーを行っています。
弊社は本当にケチなので、ささやかなパーティーなのですけれども。
数万円で120人がやっています。
琴坂 120人(笑)。
(会場笑)
椎木 はい。
柳澤 この話は何の話なんですかね? (笑)
椎木 貧乏なりにもモチベーションを上げる必要があるので、こういう風にやっていますね。
クルーズさんの後に喋ると辛いですね。僕は。
(会場笑)
本当に貧乏なんですよ。
小渕 そんなに派手にやっていないですよ。
オフィスは派手に見えるじゃないですか。
皆さん受付に入ると、「これお金をかけてるね、小渕さん。」と言われるんですが、そんなことはないのですよ。
黒塗りのスペースマウンテンのようなオフィスなのですけれども、色を真っ黒に塗って、そしてプロジェクターで光を当てて、弊社のゲームの映像を流しているんですね。
そのように黒く塗っていると、安っぽく見えないんですよ。
白に明かりがバーッと当たっていると、安っぽく見えるんですよ。
でも、黒だとある意味色々なものを隠してくれる。
椎木 僕、これ、机を黒くしたらバッチリに見えますかね?
小渕 ごみが目立つ可能性がありますね(笑)。
椎木 ダメだと思うな。
小渕 そして映像もデジタルなので、新しく入れ替えられますよね。
だから、実はコストがすごく低いんですよ。
琴坂 そうなのですね。
(続)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/Froese 祥子
続きは「緊急ではない重要なことに目を向ける」アカツキが実践する3ヶ月に1度の全社合宿 を配信予定です。
https://icc.dvlpmnt.site/management/8268
【編集部コメント】
続編(その3)では、アカツキ塩田さんに3ヶ月に1度という高頻度の全社合宿についてお話し頂きました。「らしさ」を考え続けるアカツキらしいエピソードが満載です。是非ご期待ください。感想はぜひNewsPicksでコメントを頂けると大変うれしいです。
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