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締めのラーメンは横並びで食べよう【F17-7D #5】

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「極めよう、『食』と『心』を。」【F17-7D】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!7回シリーズ(その5)は、「なぜ締めにラーメンを食べるの?」という問いから始まり、コミュニケーションの場としての食事の席、チームマネジメントなど広く議論しました。是非御覧ください。

ICCサミットは新産業のトップリーダー600名以上が集結する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2018は2018年2月20日〜22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
Session 7D
極めよう、「食」と「心」を。

【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
Session 7D
極めよう、「食」と「心」を。

(スピーカー)
川上(全龍)隆史
宗教法人 春光院
副住職

高島 宏平
オイシックス株式会社
(現オイシックスドット大地株式会社)
代表取締役社長

松嶋 啓介
株式会社Accelaire 代表取締役
KEISUKE MATSUSHIMA 総料理長

(スピーカー&モデレーター)
石川 善樹
株式会社Campus for H
共同創業者

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最初の記事
【新】極めよう、「食」と「心」を。【F17-7D #1】

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本編

高島 料理の話をかなりしましたが、食事の話もしたいと思います。

ビジネスの世界では会食やチームでの飲み会等色んな食事がありますが、僕等この3人は「ダウナー系」といった話をしながら、昨日の夜はラーメンを食べに行ったりしてるわけです。

▶編集注:Part2の議論で、食の領域での「アッパー系」の代表として油や糖、「ダウナー系」の代表として「旨味」という話がありました。「アッパー」の食はどんどん食べたくなること、「ダウナー」の食は深い満足を得られて落ち着くことが特徴だということです。

石川 アゲアゲ(アッパー系)でしたね。

高島 言っていることとやっていることが違うんですが。

松嶋 最期は出汁で締めましたから。

高島 食事はビジネスシーンにおいて大事なことですが、ビジネスにおける食事というシーンをどのように使っていくのがいいのかということも話を進めていきたいと思います。松嶋さん、夜中のラーメンは意味がありましたか。

松嶋 昨日は本当にこんなにご飯を食べて最後にしめるってすごいなと思ったんですよね。

高島 お腹いっぱいでしたもんね。

▶編集注:本セッションはラーメンの美味しい福岡市の会場で行われています(立花)

締めのラーメンは横並びの屋台で食べろ

松嶋 お腹いっぱいでもみんな意地になって行くというのは、みんなで集まって楽しかった空間を終わらせたくないけれど終わらせないといけないからとりえず締めようということで、締めのお約束事みたいなことだと思います。

ラーメンは「アッパー」と「ダウナー」の両方があります。

まずは最初にチャーシューがいきなり「アッパー」で攻めます。

上に浮いている油と麺をたべながら、最後は出汁を飲んでほっとするという「アッパー」と「ダウナー」を両方を持って、しかも屋台だとちょっと(肌が)触れ合うんですよね。

高島 距離が近かったですしね。

松嶋 しかも前を向いて食べるので、顔を向き合わせて食べているわけではありません。

あの午前1時ぐらいの時間帯にみんな結構酔っ払ってラーメンを食べていたと思うのですが、屋台で話した内容は覚えてないはずで、そこがまた重要なんです。

石川 「博多最高ばい」って言ってたのは覚えてます(笑)。

松嶋 結構そこが大事だと思います。

高島 このような自分の正当化力も大事ですね(笑)。

石川 確かに言われてみて思ったのは、会食はだいたい向き合ってますよね。

昨日市長がおっしゃっていましたが、市長同士で会食する時に重要なポイントが1つあるそうです。

大体パーティー会場等人がたくさんいる場所で出会うそうなのですが、15分ぐらい抜けてご飯に行く時は、必ず横並びでご飯を食べるそうです。

カウンターで横並びで食べた方が同じ未来を見て喋るのですごく仲良くなれる、たぶん(テーブルで)向き合うことと違うというのは本能的に分かってらっしゃるんでしょうね。

最後(締めで)屋台は横並びになれるのでいいですよね。

松嶋 全部は話を聞かないですしね。

石川 全く聞いてないですよね。

(会場笑)

松嶋 本当に最後の締めのとき、疲れてるけど一緒にいきたい、この人との時間をもう少し楽しみたいという時に、ポロっといくつかいい言葉を言うんです。

そしてそのまま家に帰って寝たら整理され、翌日目が覚めた時に「そういうえばラーメン食べている時に、いいこといってたよね」というのが次のビジネスのチャンスに繋がるキーポイントかなと思います。

酔っ払ってるから結構本音になってるんですよね。

高島 すごい正当化力の高さですね(笑)。

オーガナイズされ過ぎた集まりは面白くない

石川 ビジネスの会食でいうと、お寺はお茶とかがあるので本家本元じゃないですか。

川上 本家本元というか、祇園なんかは坊さんばかりだと思いますが、ビジネスの会食はカテゴライズされると面白くない時があります。

「こういうことがやりたいので川上さんとAさん、Bさん、Cさんに声かけました、お願いします」というビジネスミーティングは非常に面白くない。

というのは、オーガナイズした側がこの人たちはこういう内容になるだろうとあらかじめ想定しているんですよね。

そこからクリエイティブなことは絶対にわかなくて、逆にこの人仲良いから連れてくるねという感じで集まった方が面白い化学反応が起きやすいと思っていて、それが良いビジネスミーティングかなと思います。

高島 会食などをする時は酔っ払わせてここでこの決断を引き出してしまおうというふうになりがちですが、そうではなくて、テーマを明確にせず、何が生まれるか、どんな化学反応が起こるかといった感じでやったほうが結局はいいチームや人間関係ができて、後々に繋がるということですかね。

石川 もしかしたら、男性と女性で違うのかもしれません。

仲良くなる方法は男女で根本的に違うというのが最近特に言われるようになってきて、女性は基本的に喋ることを通して仲良くなります。

男性は仲良くなるのに喋る必要なく、どれだけ一緒の行為をしたかが重要で、それは昔なら狩りに行く、薪を割るなど何でもいいんです。

松嶋 ラーメン食べに行くとか。

石川 そう、ラーメン食べに行くとか。会話よりも同じ行為をしたということで男同士は仲良くなります。

女性同士は喋らないといけないので、行為か会話かという違いがあります。

川上 同じ釜の飯を食った、という感じですね。

高島 さっきは社外の会食でしたが、社内のチームビルディングにも食事は使えると思います。

男性の場合はバーベキュー等一緒にやる作業がチームを作りやすいというのがあるのかもしれません。

石川 人間の会話のほとんどが噂話と愚痴なので、その燃料さえあげたら女性はずっと喋っていられるんですね。

高島 女性のチームビルディングをするには、上司は参加しない方がいいですね。

チームを作るとき男女をどう分ける?

石川 女性活躍といえば、プロノバの岡島さん(岡島悦子氏)ですよね。

高島 どういうことですか。

石川 岡島さんは、女性に会社内で活躍してもらうためにはどうしたらいいのかという専門家で、女子の扱いに非常に長けていると思います。

高島 そういう時は、男女のチームは別々に作ったほうがいいんですかね。

石川 どうですかね、男性と女性は仲良くなれるんですかね?

川上 こっち(川上さん)に振るの?

石川 今オイシックスさんはどうですか。

高島 うちは男女半々です。

石川 それはどんな感じですか。

何故このようなことを聞いているかというと、チームでは男女で固まるということが起こるからです。

チームの最小単位は4人だと言われていますが、5人以上になると必ず2グループに分かれてしまい、分かれる時に女性は女性でかたまってしまいます。

結果として男性が固まらざるを得ない状況になる、というのが最近の研究で言われていて、会社の中で女性が増えてくると女性が絶対固まってしまうんです。

そうすると男性はまた男性で固まるざるを得ないので、なかなかブリッジングがかかりにくく、これはどうしたらいいのかよく分からないんですよね。

高島 弊社はたまたま妊娠率の高い会社でして、男性社員、女性社員ともに子どもがどんどんできていて、少子化じゃないんです。

今女性社員の15%が産休中で、ママがどんどん増えてきているのですが、見ているとママはマネージメントができるようになってくるのです。

弊社で良い組み合わせは、年齢が違う組み合わせ、「ママ」ぐらいの女性社員と新卒の男性というこの組み合わせがすごく機能します。

ママさん社員がディレクションして、若手は言われたことを頑張るし、ママさん社員のお子さんが病気の時はそれを補うべく頑張る、そうやって育っていき、だんだんマネージメントできるようになっていくというのが最近発見したパターンです。

石川 面白いですね、松嶋さんはどうですか。

シェフの世界は最近女性が増えてますよね。

松嶋 ちょっとづつ増えてきていると世の中では言われていますが、もともとイタリア等ではシェフは女性ばかりで、それがただ伝わってなかっただけの話かと思います。

高島 でも、家で料理をするのは女性の方が多いけど、シェフは男性の方が圧倒的に多いのはどういう理由ですか。

松嶋 イタリアは全然そんなことありません。

男性はお店で喋っていたいから、料理は奥さんに任せて、旦那は表で酒を飲みながらお店の営業をするというのがイタリアです。

川上 いいなそれ。

松嶋 美味しいレストランはおかあさん、「マンマの味」ですね。

でもやはり、人は「マンマの味」「母の味」に戻ってくるということをイタリアは分かっているんだと思います。

フランス料理は「アッパー」ばかりではない

高島 フレンチはどうですか。

松嶋 僕等フレンチはというと、破廉恥なので、

(会場…)

石川 ギャグですね?(笑)

松嶋 特にパリで流行った料理では、「浮ついた味」を作るんです。

僕等はそれを古典的な料理とよく言います。

音楽の世界でも古典はそうだと思うのですが、古典とはその時代に一番流行ったものなんです。

石川 一番破廉恥だったものということですね。

松嶋 そうですね、パリというのは世界のショーウィンドウなので、フランスの地方の色々な産物をパリで見せなければいけないけません。

そして、世界の人をいい意味で騙さないことにはフランスの商品は売れません。

僕等の美食の考えというのは、どちらかと言うと食べてほっとするというよりは、食べて惑わすという感じです。

だからアッパー系の味がすごく多く、最後にバターをやクリームをたくさん使うし、そういうのがフランス料理だという認識が世界中であります。

しかしフランスの地方にいったら全くそんなことはありません。

フランスの地方の料理はどちらかというと「母の味」が多くてほっとします。

川上 ダウナー系が多いんですね。

松嶋 そこはイメージで(アッパー系が多いと)見られているところだと思います。

イタリアの地方と同じように、フランスにも地方料理で「母の味」はいっぱい存在しますが、シェフが男性で出ていくのは、世界で売り込まなければいけなかったから、というのがあるかと思います。

(続)

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続きは 戦国時代の抹茶は現代におけるレッドブル(石川善樹) をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/ 城山 ゆかり

【編集部コメント】

「昨夜の締めのラーメン」からこんなに話が広がるとは。安心して締めのラーメンを(横並びで)食べに行きます。(立花)

続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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