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ナビタイムCTO菊池氏が語る「高品質な経路探索の秘密」【K16-8D #3】

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「イノベーティブなプロダクトを生み出す開発/エンジニアリング・マネジメント」【K16-8D】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!10回シリーズ(その3)は、ナビタイムジャパンCTO菊池さんに自己紹介頂きました。ナビタイムの経路探索のこだわりにも注目です。ぜひ御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。



登壇者情報
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016「ICC SUMMIT」
Session 8D
「イノベーティブなプロダクトを生み出す開発/エンジニアリング・マネジメント」
 
(スピーカー)
大宮 英紀
株式会社リクルートライフスタイル
執行役員
 
菊池 新
株式会社ナビタイムジャパン
取締役副社長 兼 最高技術責任者
 
徳生 裕人
グーグル株式会社
製品開発本部長
 
平栗 遵宜
freee株式会社
執行役員 開発本部長
 
(モデレーター)
安川 健太
株式会社ソラコム
取締役CTO

「イノベーティブなプロダクトを生み出す開発/エンジニアリング・マネジメント」配信済み記事一覧

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【本編】

安川 では次にナビタイムの菊池さんから自己紹介とサービスのご紹介をいただければと思います。

ナビタイムジャパンCTO菊池さんの自己紹介

菊池 よろしくお願いします、ナビタイムジャパンの菊池と申します。



菊池 新
株式会社ナビタイムジャパン
取締役副社長 兼 最高技術責任者
 
1994年 上智大学大学院理工学研究科 電気電子工学博士前期課程修了。修士論文:時刻表および平均移動時間を考慮した列車・航空便の最適乗継系列探索システム
1994年 (株)NTTデータ入社
1995年 (株)大西熱学入社
1996年 (株)大西熱学において社内ベンチャーとして経路探索エンジンのライセンスビジネスを立ち上げる
2000年 株式会社ナビタイムジャパンを設立し、取締役副社長 兼 最高技術責任者に就任
2016年 やまなし大使に就任。現在に至る。

最初に略歴ですが、私は1994年に上智大学の理工学研究科を卒業、在学中は、時刻表の経路探索エンジン、今の「NAVITIME」の元になるものを作っていました。

その後、新卒でNTTデータに入社しました。

20年ほど前になりますが、当時、つまり90年代の半ばは、インターネットがようやく商用化され、これから伸びるというタイミングでした。

Windows 95が発売される直前です。

インターネットに非常に興味があったこと、もう少しコードを書きたいと思っていたところ、今の社長の大西とインターネットも伸びるだろうし何か一緒にやらないかという話になり、大西の父が経営している大西熱学という空調の会社の研究開発室で社内ベンチャーとして2人で経路探索エンジンのライセンスビジネスを立ち上げました。

それが96年くらいです。

90年代後半というのは、時刻表や地図が電子化され、「ザウルス」や「パームパイロット」といったPDAが流行った時期で、そのPDA向けに経路探索エンジンを提供し、何とか採算が取れそうだということで、2000年3月にナビタイムジャパンを設立しました。

私は山梨出身なのですが、最近やまなし大使に就任しまして、それも略歴に載せました。

安川 気になっていました。

菊池 これには理由がありまして、前のセッションで社長の大西が略歴を紹介していましたが、2000年に一緒に会社を作ったので、その後の経歴は関係ないだろうと思っていたところ、大西は東京大学の客員教授であるとか、上智大学の客員教授などにも就いていまして、それとは対照的に私は何もないと思いきや、最近やまなし大使になったことを思い出し、書かせていただきました(笑)。

以上です。

安川 ナビタイムの話よりやまなし大使の話の方が盛り上がってしまいましたが、この後ナビタイムの話も伺えるのでしょうか。

菊池 はい、では次のスライドへ移ります。

2つの経路探索エンジン=トータルナビの完成

菊池 ご覧になっているのは古い記事で、ウェブの時代以前なので新聞の切り抜きしか残っていませんが、左が社長の大西です。

90年12月に、パソコンで徒歩と車の経路探索エンジンの研究をしているという記事が毎日新聞に載りました。

右は94年、私は大西よりも4つ年下なのですが、時刻表の経路探索エンジンの研究をしていることが新聞記事になりました。

この2つの技術を基に、ビジネスを展開しています。

経路探索の技術には大きく分けて2つありますが、大西が研究していた道路網などのダイクストラ法が基になった研究と、時刻表ベースで動く公共交通機関、この2つの技術を大西と私の2人が持っていたので、双方の技術をあわせれば全ての交通機関の経路探索ができるのではないかと考え、96年に「トータルナビ」を完成させました。

会社の概要ですが、2000年3月に設立し、今はコンシューマーだけでなく法人向けのサービスも伸びています。

社員数は現在450人くらいです。

そのうちの3分の2がエンジニアとデザイナーということで、300人くらいが開発に携わっていることになります。

正社員でいうと8割がエンジニアなので、完全にエンジニアが強い会社です。

このスライドはコンシューマー向けサービスの内訳で、現在、月額モデルを提供していますが、毎月お金を払っていただいている有料課金ユーザーが450万人、スライド上の数字は少し古く、月間のユニークユーザーが現在3,300万人くらいの規模になっています。

2000年3月の創業時から、「経路探索エンジンの技術で世界の産業に奉仕する」という企業理念を掲げています。

行動規範はありませんが、何か行動を起こす時や、プロダクトを世に出すにあたっては、この企業理念に沿っているかどうかが判断基準となります。

経路探索にこだわりを持っていますので、簡単に駆け足で紹介させていただきます。

ナビタイムが持つ経路品質の秘密

プローブ(走行している車から直接収集される位置と時刻のデータ)の交通渋滞情報ですが、これはユーザーから上がってくるプローブのデータが大量にありますので、それをサーバー側で分析し、精度高く目的地にたどり着ける経路探索を行います。

弊社は精度に非常にこだわっていまして、現在、ルート検索結果の到着予想時間の90%以上が、実際にかかった時間のプラスマイナス5分以内となっており、この精度を保てるように毎日チューニングをしており、これはエンジニアが毎日ログを、つまり集計を確認し、少しでも改善ができるように日々努力をしています。

多彩なルートバリエーションがあり、その中でも去年、「超渋滞回避」というバリエーションをひとつ増やしました。

それまでの経路探索でもある程度の渋滞回避はできたのですが、そこまで大回りしたルートはなかなか出せませんでした。

これを去年から出しています。

次のスライドでもう少し詳しく紹介させていただきますが、ゴールデンウイークやお盆の時期は30km渋滞なども多く発生すると思います。

スライド上の画像は大和トンネル辺りで、距離はかなり走ることになりますが、20分短縮したルートが表示されています。

混雑や不通といったシーンに対応する乗換案内

乗り換えについても、適切な経路がいろいろ出せるようなモードを用意しています。

例えば、迂回ルートです。

昨今、電車が大雨や台風のせいで止まることがあるかと思いますが、それを回避した経路が出るようになっています。

画像のように、バスも含めて様々な迂回ルートを出すことができます。

また最近では、電車の混雑予測も始めまして、特定の電車がどの程度混んでいるかを表示できるようにしました。

これもきちんとアルゴリズム化して、時刻表を調べて結果を出しています。

こういう形ですね。

皆さん、7、8時台の通勤ラッシュの時に、やけに空いている電車が1本だけ来たというような経験をされたことがあると思います。

それがどういう電車なのかを調べると、大体の場合において出発駅が他の電車と違っていたりします。

そのような情報を探索結果に出し、できるだけ空いている電車に乗っていただき、混雑緩和になればという思いから追加した機能です。

徳生 精度はどのくらい高いのですか?

菊池 精度については、まだサービスを提供し始めたばかりなので分からないのですが、出し方がなかなか難しいところです。

ただ、ユーザーからのレポート機能が付いていて、結果が合っているかどうかを報告できるようになっているのですが、その結果から判断すると、そこまで間違ってはなさそうです。

これは今、朝の時間帯だけなのですが、1日中できればと、帰宅ルートについては皆さん帰宅の時間帯が異なるので機能を追加するのは難しいのですが、次の挑戦はそこになるだろうと思っています。

安川 ありがとうございます。私も最初に入れたナビゲーションアプリは、ナビタイムだったのを覚えています。

菊池 ありがとうございます。

安川 初めて携帯電話を買ったころの話だったように思いますので、非常に長く続いていらっしゃるのに、絶えず改善や機能追加をずっと続けてこられているのだなと感心しました。

そして、精度へのこだわりも強いのですね。

菊池 そうですね、ログという形で可視化し、少しでも改善点があればチューニングして展開する、ということを日々続けています。

安川 それがやはり長く続くプロダクトの秘訣なのでしょうか。

菊池 そうですね。

安川 ありがとうございます。

それでは次はグーグルの徳生さんにバトンタッチをしたいと思います。

(続)

続きは 「プロダクトマネージャーとエンジニアは対等である」Google徳生氏が語る開発チームづくり をご覧ください。
https://icc.dvlpmnt.site/management/10354

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/鈴木ファストアーベント 理恵

【編集部コメント】

続編(その4)では、Google徳生さんに自己紹介頂きました。Google内部の開発マネジメントについて、貴重なお話しです是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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