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【新】元 任天堂のエンジニアが挑む”どこでも窓” – 注目のベンチャー特集「アトモフ」(1)【K16C-ATM #1】

クラウドファンディングで2,000万円以上を集めた「未来の窓」を開発する「アトモフ」のプレゼンテーションを2回シリーズでお届けします。(その1)は、アトモフ姜さんが「どこにでも行ける窓を作ろう」と思ったきっかけをお話し頂きました。2016月9月6日・7日に開催したICCカンファレンス KYOTO 2016「カタパルト」IoT/ハードウェア特集 supported by Makuake プレゼンテーションの書き起こし記事です。

ICCカンファンレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級の招待制カンファレンスです。次回ICCカンファレンス FUKUOKA 2017は2017年2月21〜23日 福岡市での開催を予定しております。

登壇者情報
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016 「ICC SUMMIT」
Session 7B
「CATAPULT(カタパルト)- IoT/ハードウェア特集-」
Supported by Makuake
 
(プレゼンター)
姜 京日
アトモフ株式会社
代表取締役
 
ロボット工学を専門に、青山学院大学にて機械工学の学士と南カリフォルニア大学 (USC) でコンピュータサイエンスの修士を取得。NHN Japan株式会社にてUser Interface Technology室を率いた後、任天堂株式会社にてハードウェアとwebに関するUI開発を行い、2014年にデジタル窓Atmoph Windowの開発のためアトモフを創業。

姜 京日氏(以下、姜) 京都で会社をやっています「アトモフ」の姜と申します。早速ですが、1分ほどの紹介動画を見ていただきたいと思います。

「部屋から見える景色がよくなかった。それが、すべてのきっかけでした」

今日は僕のパーソナルなストーリーになってしまいますが、続けさせていただきます。

研究者時代の「閉塞感」が出発点

2004年、ロボットの研究者になりたくて、アメリカで勉強していました。

ストレスがひどくて、かなり追い込まれていました。研究や、介護ロボットがうまく動かないなどに悩んでいたのですが、息苦しい閉塞感があったのです。

ふと窓に目を向けると、隣のアパートがあり、部屋自体にも閉塞感があることに気付きました。

パソコン画面やプロジェクターで試行錯誤

それならばと思って、好きなMacの背景をロビーチェンジしたのです。「これはいい」と思いました。みなさんもよくされると思います。しかし結局、Macにウィンドウをいっぱい開くと、また映像は見えなくなってしまうんですね。

それなら、もっと没入感があるヘッドマウントディスプレイを試してみました。DVDでハワイの風景などを流してみました。

でも、外してしまうと現実感があって。「これじゃないんだ」と思いました。

それから、何がよいか分からず、iPhone、iPad、プロジェクターなど色々な物で、風景や映像を映してみたのですが、結局どれも「何か違う」。

どこにでも行ける「窓」がほしい

そして、何となく「いつでも点いてる、どこにでも行ける窓があったいいんじゃないかなぁ」と気付きました。

そこから10年ほど色々と考えて、2014年。10年かかりました。

1月に、何か作ってみようかなと。液晶パネルが薄くなってきたりしていたので、ちょっと作ってみました。

液晶パネルで試作し、手ごたえ

当時、同じ京都の任天堂で働いていて、夜に家に帰って試作品を作ったりしていました。簡単な液晶とコンピュータとで、京都で撮った風景などを映したり、時計とか何かやってみたら、家の部屋の小さい所なんですけど、窓のないところで、ちょっと癒されるのを感じました。

「これはいいかもしれない」と思い立ち、2014年8月に「アトモフ(Atmoph)」という会社を設立しました。

最初のオフィスはこのような感じで、1畳もない所で作っていたのですが、1つ大きな問題がありました。

窓のための風景映像がないんですね。どこを見ても、どんなストックを見ても、National Geographicsを見ても。窓のための映像というのがありませんでした。

窓のための風景映像を求めて

「じゃあ撮ってみよう」ということで、4Kの機材などを揃えて、1人でニュージーランドへ行くことになります。

なぜかと言うと、京都などで撮っていたのですが、『ロード・オブ・ザ・リング』の舞台になっているような「絶景」という所の風景で、ちゃんとした映像で検証したいなと思ったのです。

3つつなげたイメージがこれですが、実際に川が流れていて、後ろが山の素晴らしい風景になっています。

そうこうしているうちに、2015年。

独自の4K動画とサウンドで臨場感を出す

デジタルな窓「Atmoph Window」が誕生します。独自に撮影した4K動画と、臨場感のあるサウンドで、そこにいるような気分を味わえる。壁にかけるだけ、ディスプレイを置くだけです。

(続)

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成

続きは 世界中の風景を映す「Atmoph Window」 - 注目のベンチャー特集「アトモフ」(2) をご覧ください。

【編集部コメント】

続編(その2)では、「Atmoph Window」のコンセプトと、その開発秘話をお話し頂きました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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