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良品データ100枚のみで、低コスト・高精度のAI検品を可能にする「アダコテック」(ICC FUKUOKA 2022)

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ICC FUKUOKA 2022 カタパルト・グランプリに登壇いただき、5位に入賞した、アダコテック 河邑 亮太さんのプレゼンテーション動画【良品データ100枚のみで、低コスト・高精度のAI検品を可能にする「アダコテック」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回300名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2022は、2022年9月5日〜9月8日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2022プラチナ・スポンサーのAGSコンサルティングにサポートいただきました。

【速報】ゴムの常識を変える「錦城護謨」と、サバ養殖を進化させる「フィッシュ・バイオテック」がカタパルト・グランプリ同率優勝! (ICC FUKUOKA 2022)


【登壇者情報】
2022年2月14〜17日開催
ICC FUKUOKA 2022
Session 6A
カタパルト・グランプリ
– 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング

河邑 亮太
株式会社アダコテック
代表取締役CEO

1987年生まれ。2011年に一橋大学法学部を卒業後、三井物産株式会社に入社。7年間、南米の自動車ビジネスを担当し、主に、在チリ子会社のターンアラウンド経営(社長補佐兼CFO)や数百億円規模のクロスボーダーM&A案件に従事。テクノロジー領域へ転身すべく、2018年4月から合同会社DMM.com。経営企画室にてVR領域での新規事業立案や社会人向けプログラミングスクールを営む子会社に出向してのPMI/経営支援を行った。2019年7月より「日本発の技術で日本のお家芸である製造業を変革する」という方向性に共鳴し、アダコテックに執行役員として参画。2020年4月より現職。産総研発の優れた画像解析技術と機械学習技術を武器に、製造業の検査検品を自動化するソフトウェアを提供している。ICCサミット FUKUOKA 2020「スタートアップ・カタパルト」優勝。


河邑 亮太さん こんにちは、アダコテックの河邑です。

我々は独自の技術を使った「検品のAI」を提供しています、日本最大級の研究機関である産業技術総合研究所(産総研)の特許を活用したテクノロジーベンチャーです。

検品作業にはプレッシャーがかかり、熟練の技が必要

さて検品ですが、なかなかイメージが湧きづらいと思いますので、まずはこちらの動画をご覧ください。

こちらは、私自身が工場に泊まり込みで1週間検品したときの様子です。

皆様のお手元にあるスマートフォンなどのさまざまな機器は、この検品の作業に支えられています。

実際にやってみて分かったのですが、1日数千個という部品に対して、数十ミクロンという細かい傷を探し続ける作業です。

非常に単調ですがプレッシャーがかかり、そして何より単純そうに見えて熟練の技が必要になっています。

検品の現場は人手不足が深刻で限界を迎えている

アダコテックがなぜこの検品に着目したかというと、圧倒的な人手不足が理由です。

検品の95%が、人の目によって行われています。

工場の実に5人に1人は、検品しています。

検品市場としては30兆円という大きな市場がありますが、人手不足が深刻で、検品現場は限界を迎えている状況です。

こういった課題に対して、アダコテックがどのように解決するのか、それを説明します。

先ほど私が検品していたこちらの金属部品には、ごくたまにこのような欠陥が発生します。

こちらの動画は、検査機を使って部品の画像を撮影しているところです。

ボタンを押すと部品が奥に引き込まれていって、表、裏の両面が撮影されます。

撮影された画像に対して、どこが不良なのか、そしてどれくらい不良なのか、それが瞬時に100%見える化します。

このハードウェア(検査機)は協力会社さんに作っていただいていますが、ソフトウェアを作っているのがアダコテックです。

ディープラーニングAIの3大課題を解決する世界一の技術

それでは、なぜ人の目に今まで頼ってきたのでしょうか?

それはディープラーニングのAIに課題があるからなのです。

まず、データ量です。

ディープラーニングは一般的に大量のデータが必要と言われていますが、製造業で不良品はほとんど出てきません。

そのためデータが集まらないのです。

これに対して、アダコテックは良品データ100枚のみで非常に精度の高いモデルが作れます。

また、高価なパソコンも必要なく、安価なパソコンで処理ができます。

そして判断根拠がブラックボックス化してしまうという問題は、品質保証の要である検品においては、致命的です。

こちらを説明可能なロジックで克服しています。

すなわちアダコテックは、検品に最も適した、世界で唯一の技術を持っている会社です。

産総研発の特許技術で素早く正確に検品が完了

それでは、なぜこういった違いが出せるのか、そのアルゴリズムを説明します。

産総研の特許技術HLAC(Higher−order Local Auto−Correlation:エイチラック)とは、画像の特徴を速く、正確に抽出する技術です。

世界一やさしいHLAC入門!(間違い探し編)(Zenn)

3ピクセル×3ピクセルのマスクパターンは25個あるのですが、青、赤、緑の色が付いたところの明るさの値を拾っていきます。

例えば、こういった画像に対して、画像の左上から右下にかけて、この25種類のマスクパターンをスキャンしていき、どこにどの特徴がいくつあるのか、これを数え上げることで画像の解析をする、そういった技術になっています。

それでは、デモをご覧ください。

ご覧の金属部品の学習データとして必要なのは、良品画像100枚のみです。

こちらをまずクラウド上にアップロードしていきます。

このようにクラウド型のSaaSとして、サービスを提供しています。

アップロードが完了して、右下の学習ボタンをポチッと押していただくと、学習を開始します。

学習のスピードは、たった1分で完了します。

ディープラーニングの実に429倍高速です。

そして学習が完了すると、このように検査結果が一覧となり見える化します。

スクロールしていくと、個別の検査結果が表示されます。

例えば、最初の白い線傷のようなもの、こちらを検知します。

あとは、黒い丸い打痕傷、こちらも検知します。

そして、少し見にくい汚れのようなものも、100%検知します。

このようなソフトウェアを1つの検品ライン当たり年間300万円で提供していくのが、アダコテックのビジネスモデルです。

大手自動車会社で年2.3億円の導入効果

導入効果です。

大手の自動車会社のエンジンの部品の検品に採用されています。

検査人員を大幅に効率化できておりますし、また検品のデータを活用することで歩留まりも改善します。

▶参考:歩留りとは(日立システムズ)

このように、検品という1つの工程を改善するだけで、2.3億円の年間効果を届けられています。

こちらは、1つの工場の1つの工程での効果になりますので、こういった効果を世界中の工場に届けていきます。

15年の研究成果により、300%以上の成長を達成

トラクションです。

15年、研究開発して参りました。

ようやく花開きまして、昨年から300%以上の成長を見せております。

今年の売上は2億円を見込んでおります。

あらゆる業界のあらゆる製品で、検査を実現しております。

製造最大手企業への導入が続々決定

そして先週、ついにホンダさんとの事例を日本経済新聞さんに取材いただきました。

AI異常検知のアダコテック、ホンダに導入 2022年2月10日(日本経済新聞)

このように、世界でも最も基準が厳しいと言われている自動車、電子部品・半導体、そしてその他の最大手の企業様への導入を進めております。

昨年(2021年)からは、ドイツにも進出しました。

検品市場は30兆円とも言われていますが、製造業はやはり前例主義なので大手への実績が大事です。

ゆえに、まずは最大手企業への導入を優先的に進めていきます。

中小企業向け検査装置も来年発売予定

今後ですが、やはり検品に最も苦しんでいるのは誰かというと、やはり中小企業のお客様です。

そういった方々にも技術を届けたい。

中小企業のお客様に届けるためには、より汎用的でより安価な形にする必要があり、そのためにあらゆるカメラや検査装置への組み込みを進めています。

実は来年にはもうすでに2社、2製品の発売を予定しておりまして、どんどんアダコテックの技術を組み込んでいきます。

検品ソフトウェアの「技術的デファクト」を確立する

つまり我々が目指すのは、インテルがCPUで実現したように、検品ソフトウェアの「技術的デファクト(※事実上の標準的な機能)」を確立することです。

これは、研究開発に15年費やしてきたアダコテックだからこそ目指せるビジネスです。

チームですが、創業者(写真中央)の伊藤(桂一)と伊部(卓秀)、彼らが15年研究開発してきました。

彼らの想いに惹かれるような形で、グローバルで戦える強いチームメンバーが加わっています。

より自由でクリエイティブなモノづくりができる世界へ

最後に、検品の人手不足は待ったなしの状況です。

検品はアダコテックに任せてください。

そして、ものづくりに従事する人は、より自由で、よりクリエイティブなプロセスに従事してほしい。

アダコテックがやりたいことは、そんな世界を創ることです。

それが私たちのミッションの「モノづくりの進化と革新を支える。」に込めた思いです。

今まで15年やって参りましたが、まだまだ進化が必要です。

ぜひ応援のほど、よろしくお願いいたします。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美

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