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「おてつたび」は、地域の人手不足と旅行者のニーズをかけ合わせ、旅に新たな価値を創造する(ICC FUKUOKA 2022)

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ICC FUKUOKA 2022 スタートアップ・カタパルトに登壇いただき5位に入賞した、おてつたび 永岡 里菜さんのプレゼンテーション動画【「おてつたび」は、地域の人手不足と旅行者のニーズをかけ合わせ、旅に新たな価値を創造する】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回300名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2022は、2022年9月5日〜9月8日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2022 ダイヤモンド・スポンサーの <ノバセル にサポート頂きました。

【速報】コーヒー生産者と価格の透明性を確保した小ロットからのダイレクトトレードを実現する「TYPICA」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2022)


【登壇者情報】
2022年2月14〜17日開催
ICC FUKUOKA 2022
Session 1A
STARTUP CATAPULT
スタートアップの登竜門
Supported by ノバセル

永岡 里菜
株式会社おてつたび
代表取締役CEO

1990年生まれ。三重県尾鷲市(おわせし)出身。千葉大学卒業後、PR・プロモーション会社勤務後に、農林水産省との和食推進事業の立ち上げを経て、独立。自分の出身地のような一見何もなさそうに見えてしまう地域にも人が訪れる仕組みを創りたいと思い2018年7月に株式会社おてつたびを創業。地域の短期的・季節的な人手不足で困る事業者(宿泊施設や農家等)と、地域外の若者をマッチングするwebプラットフォーム『おてつたび』を運営。『おてつたび』は、地域の人手不足等の困りごとをお手伝いする事により報酬を得ながら旅行をする事が可能なため、地域にいく際のボトルネックになりがちな旅費を軽減する事を実現。また、お手伝いを通じて地域の方と関係性ができ再び同じ地域へ訪れる参加者も増えており、関係人口拡大の一助を担っている。全国の自治体や農協、大手交通会社や旅行会社等と連携しながら、日本各地に人と想いとお金が巡る世界を目指す。


永岡 里菜さん 皆さん初めまして、おてつたびの永岡と申します。

突然ですが、こちらをご覧ください。

よくある求人だと思われる方もいるかもしれません。

実際に、Indeedから引用しました。

次にこちらをご覧ください。

同じような求人ですが、E-bike貸出しがあったり、良いレビューがついていたりしているので、こちらのほうが面白そうと感じる方もいるのではないでしょうか?

この2つの違いは、後者は「働く」だけではなく、「旅行」という価値をプラスしている点です。

季節的な人手不足に悩む農家や旅館が「旅行者」を募集

そんな、「短期バイト」と「トラベル」をかけ合わせたサービスが、「おてつたび」です。

短期的、季節的な人手不足に困っている収穫時の農家や、ハイシーズンの旅館などと旅行者をマッチングします。

期間は、1泊2日から1カ月の長期滞在まで、多種多様なものがあります。

「出稼ぎ」をリブランディングした「おてつたび」

おてつたびの特徴は、3つあります。

まず、お手伝いをして、アルバイト代が得られることです。

皆さんも若い頃、旅行に行きたくてもお金がないという経験があったのではないでしょうか?

しかしそんなことを気にせず、色々な地域に行くことができます。

2つ目は、手間いらずなことです。

マッチングが完了すると、雇用契約から源泉徴収票の発行まで、電子システムで一貫して行えます。

3つ目は、普段出会わない人や産業と出会うことができるというユニークな「コト体験」が可能である点です。

昔から日本各地にあった、「季節労働」や「出稼ぎ」、「住み込みバイト」という言葉を、おてつたびでリブランディングしながら、「働く価値と旅行体験のアップデート」を目指しています。

プラットフォーム上で地域の事業者と旅行者をマッチング

では、どうやって募集者である地域の方と旅行者をマッチングしているのでしょうか?

いたってシンプルです。

Airbnbなどを思い浮かべて頂けると、分かりやすいと思います。

AirBnB とは何か?ホテルとの違い、予約時の注意点などを完全解説 2019年8月26日(PLATINUM STYLE)

募集者である地域の方には、時給と期間、お手伝い内容等を記載して頂き、募集を出して頂きます。

参加する旅行者側にも、プロフィールを書いてもらった上で気になるおてつたびを探してもらい、申し込んで頂きます。

マッチングが成立するとチャットでやり取りをして頂き、おてつたび終了後に相互レビューを行います。

薪割り、養蜂農家での就業など、ユニークな体験も多数

おてつたび先として、季節変動性の高い一次産業や観光業は非常に相性が良いです。

最近はユニークなものも増えており、例えば薪割りや、養蜂家のもとで蜂蜜のついた板をひたすら運ぶ仕事もあります。

地域の方からすると当たり前、もしかしたら雑用と感じる仕事かもしれませんが、地域外の方からすると、一生に一度は関わってみたいと思える体験も増えてきています。

マッチング成立時の手数料が収益のビジネスモデル

おてつたび先は、47都道府県に広がっています。

ビジネスモデルは、マッチングが完了した時のみ、成果報酬として手数料を頂いています。

地域ならではの交流や体験も魅力

実際のおてつたびをご紹介します。

こちらは、鹿児島県の芋焼酎の酒蔵でのおてつたびで、仕込み前の芋の皮剥きと梱包のお手伝いです。

普段、旅行はお金を払って行くものですが、おてつたびの場合、場所によっては旅行をすることでお金を得られることも多いです。

こちらは熊本県の戸馳島での、母の日前の花農家での梱包の仕事です。

休み時間は、地域の方と交流もできます。

この写真に写っているのは、お二人を除くと、手前にいる70代の方も含め、おてつたびの参加者です。

仕事が休みの日は、地域の魅力を堪能することもできます。

募集者の満足度は95%

おかげさまで募集者は増え、参加者側も口コミで増えており、マッチング率は100%となって、「おてつたびでなければ人が集まらない」という声を頂くことも多くなってきました。

「そんな旅行感覚で参加して大丈夫なのか?」と思われる方もいるかもしれませんが、大丈夫です。

ノウハウがしっかり溜まっており、期待値調整もしているので、募集者側の満足度は95%です。

「(おてつたびを受け入れて)通常より仕事が1週間早く終わった」という声を頂くこともあります。

また、コロナ禍で予約の見込みが立ちにくく従業員数をスリム化していた宿泊事業者さんの中で、GoToトラベルが始まった際、働き手の確保に困られた方もいらっしゃったのですが、そういうときには「おてつたびだとかなり助かる」との声を頂きました。今、宿泊業者からの募集が増えております。

自治体・企業と連携し募集事業者を拡大

トラクションです。

コロナ禍でもしっかり伸ばしており、参加登録者は約1.5万人、受け入れ先は約500箇所になっています。

自治体や、業界では有名なJTBのホテル連盟(JTB協定旅館ホテル連盟)とも連携して、募集をする事業者を拡大しています。

JTB、旅館・ホテルの人手不足解消で「おてつたび」と提携、一部費用を負担し経営支援も 2021年01月07日(トラベルボイス)

また、ANAと連携し、参加者がリーズナブルに旅行できるモデルも作っています。

おてつたび×ANAトラベラーズ

おてつたびの利用で単位取得できる大学も

おてつたびはよく、「お金のにおいがしないね」と言われるのですが、大丈夫です。

かなりコンサバに試算した3,500億円の市場を、しっかり獲得したいと考えています。

参加者のターゲットは大学生で、教育機関とも連携しており、おてつたびの利用で単位を得られる学校もあります。

『おてつたび』が、関西大学との連携を開始。挑戦の場を求める大学生が地域と関わるキッカケを提供します。(PR TIMES)

大学生の利用者を増やしつつ、アクティブシニア層も狙っていきたいと思っています。

メディアを通じて認知度アップ

メディアにも取り上げて頂き、農林水産省の白書への掲載やアーティストである7orderさんとのタイアップ番組などを通じて、色々な方に知って頂いています。

農林水産省の資料におてつたびを掲載していただきました(おてつたび)

地方の良さを再発見! 真田・森田のローカルデリバリー(おてつたび)

少し前に、『ガイアの夜明け』でも1時間の特集を組んで頂きました。

宿泊無料&お金も稼げる「おてつたび」新たな出会いも…変わる旅の常識:ガイアの夜明け 2021.12.10(テレ東プラス)

有料ですが、是非オンデマンドなどでご覧頂きたいです。

自身は漁業と林業を営む三重県尾鷲市出身

では、なぜこのようなサービスを提供しているのでしょうか?

「それどこ?」とよく言われてしまうのですが、私は三重県尾鷲市という漁業と林業の町の出身です。

他の地域と同様、過疎化、少子高齢化によって存続の危機に陥っており、笑えない状態です。

良いものを持っていますが、いきなり住んでくれというのはハードルが高いです。

そこで、1人が何役にもなって存続を支え合える世界を目指せないかと考え、4年前、26歳だった時、東京の家を解約して脱サラし、夜行バスで色々な地域をひたすら回り、現状を見てきました。

【前編】部屋を解約してバスで全国へ…人手不足の地域と旅人を結ぶ「おてつたび」が生まれるまで(Hint-Pot)

【後編】地域と旅行者を結ぶサービス「おてつたび」 創設者の永岡里菜さんが決めた“覚悟”とは(Hint-Pot)

「地域の短期的な人手不足」という課題と、「地域に旅行に行きたくても金銭的余裕がなくて行けない」という課題をかけ合わせ、新しい価値を提供できないかと考え、チャレンジしています。

今は人の動き、「労働」という軸で動かしていますが、私たちは、もっと地域にもお金が落ちてほしいと思っています。

人の動きを作りながら、地域にお金が落ちる旅行市場も目指しながら、「日本各地に人と想いとお金が巡る世界」を作りたいと思っています。

チームには、地方出身者や地域に思い入れのあるメンバーが多いです。

エンジニアとして楽天トラベルで働いていたメンバーや、リクルート出身の営業メンバーなどで構成されています。

日本各地に人と想いとお金が巡る世界を

最後になりますが、おてつたびを立ち上げた際、「なぜ旅行先でお手伝いをしないといけないの?」とバカにされることも多かったです。

しかし、周りのミレニアル世代、Z世代の声を聞きながら、必ず需要があると信じて泥臭くサービスを提供し続けてきて、何とかここまで来ています。

自分の人生を賭けてでも達成したいビジョン、ミッションを掲げて事業を行っています。

「誰かにとっての“特別な地域”を創出する」ことによって、「日本各地に人と想いとお金が巡る世界」を創りたいと思います。

まだまだ足りないところがたくさんありますので、皆さん、応援頂けると幸いです。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸

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