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ブラック企業と戦うスマホアプリ”残業証拠レコーダー” – 注目のベンチャー特集「日本リーガルネットワーク」(2) 【K16C-NLN #2】

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日本リーガルネットワークのサービス残業問題を解決する「残業証拠レコーダー(残レコ)」のプレゼンテーションを4回シリーズでお届けします。(その2)は、残レコの基本的な機能についてお話し頂きました。GPSを使用した従来にない機能に注目です。2016月9月6日・7日に開催したICCカンファレンス KYOTO 2016スタートアップ・コンテスト「カタパルト」プレゼンテーションの書き起こし記事です。ぜひ御覧ください。

スタートアップビジネスの「エコシステム」を構築し、日本の起業家を支援するプログラム「IBM BlueHub」は「カタパルト(CATAPULT)」のオフィシャル・サポーターです。

 

登壇者情報
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016 「ICC SUMMIT」
Session 1B
CATAPULT(カタパルト) - スタートアップコンテスト -
Supported by IBM BlueHub
 
(プレゼンター)
 
南谷 泰史
株式会社日本リーガルネットワーク
代表取締役CEO
 
1987年生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験に合格。同大学を卒業後、司法修習を経て、2011年、西村あさひ法律事務所に入所し、弁護士として勤務。
その後、一般的な弁護士像とは異なるスキル、メンタリティを習得したいとの思いから、同事務所を退職、一旦、法曹界を離れ、2013年、経営コンサルティング会社ボストン・コンサルティング・グループに入社。同社では、コンサルタントとして、ウェブ関連事業、商社、製造業、金融等、様々な業界のプロジェクトに従事。
Legal Techの分野で社会課題の解決に貢献する事業を造ることを目指し、2015年に同社を退社し、株式会社日本リーガルネットワークを設立。自身でも弁護士の実務を行いつつ、同社にて、残業代の請求をサポートするスマートフォンアプリ「残業証拠レコーダー」を開発、提供している。

その1はこちらをご覧ください:【新】 注目のベンチャー特集「日本リーガルネットワーク」(1) – リーガルテックでサービス残業問題を解決【K16C-NLN #1】


「残レコ」がサービス残業問題を解決する

サービス残業問題が解決されていない理由を考えてみますと、残業代を請求するまでにハードルがあることが原因だと思っています。「残レコ(残業証拠レコーダー)」はこのハードルを1つ1つ解決していきます。

このことをご説明する上で、1つ仮想の例を出してみたいと思います。飲食チェーンの店舗に勤めるAさん、毎日の労働時間が8時から11時半と非常に長時間働いている、しかし残業代は出ていない。そんなケースです。

残業代についての知識不足

この方が残業代を請求するまでのハードルの1つ目は残業代についての知識不足です。

例えば、Aさんが「残業代は出るのか」と聞いても、この会社ブラック企業ですから、「裁量労働だから残業代は出ない」などというんですよ。

でも、法律上は、Aさんのような方には裁量労働制は適用できないので、これは嘘なんですよ。しかし、Aさんは法律知識がありませんから、こういった嘘を見抜けません。

すると、残業代はもらえないと思ってしまいますし、当然、残業代の金額がどの程度なのかもわかりません。これでは、現実的に請求できません。

残響代が貰えるか等を判定する簡易チェック機能

そのため、我々は、簡易チェック機能というのを設けています。こちらでは、質問に答えていただくことで、残業代が貰えるのか、幾らぐらい残業代があるのかがわかります。

デモ動画

例えば、こちら、勤務タイプの質問で、Aさんが言われた通り、「裁量労働」を選びます。

ここで、普通なら裁量労働なので残業代請求は無理ですね、となりそうですが、残レコでは、次に、これらの仕事に該当しますか、と質問を投げます。例えば、システムコンサルタントなどですね。

それに飲食店なので該当しないと答えて頂くと、「裁量労働制ではない可能性が非常に高い」と表示するようになっています。

そして、動画では間を省略していますが、質問を進んで頂くと、最終的には、このくらいの残業代がありそうですと、Aさんの場合は600万円くらいありそうですと表示されます。

法律上、残業代は原則2年分請求できますので、Aさんくらいサービス残業していると、だいたい年収の2倍の残業代があります。

これで、Aさんは残業代がもらえることと、金額の程度がわかりました。

サービス残業時間の「証拠」

まだハードルがあります。Aさんの店には、タイムカードはありませんし、出勤記録も実際とは違う時間を書かされています。そのため、証拠がありません。

そこで、残レコを使っていただくと、放っておくだけでも証拠が確保できます。こちらが実際の画面になりますが、まず仕事場の場所を登録してもらいます。

デモ動画

この赤い円です。そして、この青い円がGPSで計測した現在地なんですが、こういった形でGPSで仕事場にいた時間を計測します。

そして、カレンダーの画面で青いバーで勤務時間として表示されるとともに、弊社サーバーで保管されて証拠になります。

また、仕事場の外で働いていたよという場合は、タップしてもらうと、勤務時間をメモできます。この記録も弊社サーバーで保管されて証拠になります。

では、これらの記録がどういった証拠になるか、まずGPSデータですが、客観的な記録の上、弊社サーバーで保管されてユーザー自身は編集できないので、非常に強い証拠になる可能性が高いと考えられます。

次に、手入力の労働時間メモ、先ほどのオレンジのバーですね。これは、証拠になるのか、疑問に思われた方もいらっしゃるかと思います

これについては、参考となる裁判例がありまして、一定の条件の下ですが、労働者の手書きのメモが証拠として認められました。

そして、手書きのメモに比べると、残レコの労働時間メモは、入力履歴を記録することで、事後のねつ造でないことを示していますし、この履歴はユーザーは編集できません。

そのため、労働時間メモも、業務実態にもよりますが、ある程度強い証拠になる場合も多いと考えられます。

そして、これらの証拠を、最終的には書面でユーザーに提供します。これにより、ユーザーは手元に証拠を確保できます。

残業代の自動推計

それでもまだ残業代請求までにハードルがあります。残業代の実際の金額がわからないと、請求する踏ん切りがつきません。

そこで残レコでは、先ほどのカレンダー画面で推定した労働時間から、自動で残業代を推計して表示します。

ここまでで残業代を請求しようと思った場合、やはり弁護士に依頼したいかと思います。しかし、ここで、弁護士や労働事件への誤解がハードルになります。

(続)

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成

スマホアプリをダウンロードする場合は、「残レコ」をご覧ください。

続きは 「弁護士費用は高い?」労働事件にまつわる誤解 – 注目のベンチャー特集「日本リーガルネットワーク」(3) をご覧ください。

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【編集部コメント】

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