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街のパン屋の取り置きアプリ「sacri」は、「作って、待つだけ」のパン屋さんの可能性を拡大する(ICC KYOTO 2021)【文字起こし版】

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ICC KYOTO 2021 スタートアップ・カタパルトに登壇いただいた、sacri 大谷 パブロ 具史さんのプレゼンテーション動画【街のパン屋の取り置きアプリ「sacri」は、「作って、待つだけ」のパン屋さんの可能性を拡大する】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2022は、2022年2月14日〜2月17日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションは、ICCサミット KYOTO 2021 ダイヤモンド・スポンサーのノバセル にサポート頂きました。

【速報】“業界DX”で巨大市場が動く!オフィス不動産データプラットフォーム運営の「estie(エスティ)」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2021)


【登壇者情報】
2021年9月6〜9日開催
ICC KYOTO 2021
Session 1A
STARTUP CATAPULT
スタートアップの登竜門
Supported by ノバセル

大谷 パブロ 具史
株式会社sacri
代表取締役 CEO

1986年マレーシア生まれ。早稲田大学教育学部を卒業後、2009年4月に株式会社博報堂に入社。プロモーションプランナーや営業として大手クライアントのマーケティング支援に従事。2017年、博報堂DYホールディングスの社内ベンチャー制度にて株式会社frascoを設立。共同代表として街歩きメディア「Stock.Shop(ストックショップ)」の事業開発と運営を経験。このメディアの取材を行う中で、ベーカリー業界が抱える大きな課題を目の当たりにし「ベーカリー業界特化のマーケティングソリューション」の提供を決意。2020年9月に博報堂を退職し、街のパン屋さんの取り置きサービス、「sacri(サクリ)」の開発・運営を行っている。


大谷 パブロ 具史さん 「『作って、待つ』から『作って、攻める』へ。」、街のパン屋さんの取り置きサービス「sacri」を作っている、代表の大谷 パブロ 具史です。

大谷 翔平が活躍しているので、僕も負けじとフルスイングしたいと思います(笑)。

お目当てのパンが売り切れていた経験はありませんか?

突然ですが、皆さん、行きつけのパン屋さんはございますか?

そして、こんな経験をしたことはないでしょうか?

それは例えば、パン屋さんに行ったのにお目当てのパンが売り切れていた、裸のパンを触るのはコロナ感染が不安などです。

そんな悩みを持たないように、我々は、いつでも、どこでも、皆さんのスマホが街のパン屋さんの売り場に変わるサービスを作りました。

それが、街のパン屋さんの取り置きアプリ、sacriです。

パンの焼きあがりをプッシュ通知でお知らせ

パン屋さんは、パンの焼き上がりをプッシュ通知でお客様にお伝えします。

お客様はその瞬間パンのことを忘れていても、プッシュ通知で家にパンがなかったことを思い出し、どこからでも簡単に、事前決済と取り置きの依頼ができます。

昨年(2020年)の10月にリリースした、このサービスの実際のフローをご覧ください。

パン屋さんでパンが焼き上がると、お店をお気に入り登録している方に、焼き上がり通知が届きます。

アプリを開くと、sacriで取り置くことができる、このお店の商品が並んでいます。

「在庫あり」や「残りわずか」と書いている商品は、すぐ取り置くことができます。

欲しい商品の+ボタンを押すと簡単にカートに入るので、ベッドでリラックスしながら、電車で移動しながら、ゆっくりたっぷりお客様のペースでお買い物ができます。

注文内容を確認し、お名前、電話番号、来店予定時刻を入力し、初回のみクレジットカードを登録して決済ボタンを押すと、簡単に取り置きと事前決済が完了します。

あとは店頭で受取画面を見せて、商品を受け取るだけです。

普段行かないエリアでも地図からお店を選ぶことができ、翌日以降の受け取りも簡単にカレンダーから選択できるので、24時間いつでも思い立った瞬間にパンの取り置き依頼ができます。

sacriなら確実に買えるので無駄足がなくなり、しかも非接触なので、コロナ禍でも安心してパン屋さんに行けるという声を頂き、月に10回以上もsacriを使ってくれる常連さんが続々と誕生しています。

さまざまなパン屋さんで使いやすい設計

では、パン屋さん側がどう使うか、管理画面の使い方をご覧ください。

sacriに出品する商品は、商品名や価格、焼き上がる時間や個数を初期設定すれば、その後は、予約を受け付ける日程の設定をするだけです。

受付可能な日をカレンダーから選択し、対象商品を選んでチェックを入れるだけです。

リアルタイムの在庫増減も、すぐにできます。

一番大事な注文確認も簡単です。

ご利用何回目の、どなたが、何を購入し、何時頃来店するのかという必要な情報が一覧で表示され、検索や印刷も可能です。

色々なタイプのパン屋さんがありますが、どんなタイプのお店にも馴染むように作っています。

sacriの仕組みは、パン屋さんにも喜んで頂いています。

お客さんとパン屋さんに「需給タイミングのズレ」

なぜなら、お客様が「買えない」と悩んでいる裏で、パン屋さんたちは「売れない」と困っていたからです。

パン屋さんからすると、在庫がある時にお客様が来てくれない、夕方はリスクが高くて作れないという状況がありました。

また、もし来店してくれても入店制限があってチャンスロスになってしまう。

つまり、お客様との間に「需給タイミングのズレ」が生じていたのです。

結果、せっかく作ったパンの約1割が食品ロスになっているという悲しい現実があります。

「作って、待つ」から「作って、攻める」へ

これを何とかしたいと思って色々なパン屋さんにヒアリングしたところ、1つの共通点が浮かび上がりました。

それは、職人さんの多いこの業界は、「作って、待つ」営業スタイルになりがちということです。

© 1989 角野栄子・Studio Ghibli・N

つまり、お客様に「パンを買おう!」と思ってもらえる第一関門を突破しても、そのお店に行こうと思ってもらえない限りは、1円にもならなかったのです。

そんな「作って、待つ」という状況を、我々はパンが出来上がる一番美味しいタイミングでお客様の手元に届けられ、かつ事前決済なので必ずお店に来てもらえる、つまり、「作って、攻める」ことができるようにしたのです。

お店の魅力を知る常連さんがターゲット

sacriのもう一つのポイントは、そのお店の魅力を知っていて、好きなパンが既にある常連さんがターゲットという点です。

ですから、店頭でチラシを配るだけで利用してくれますし、お店に取りに来てくれるので、デリバリーサービスのように高い手数料を支払う必要もありません。

sacriは月額2,200円プラス売上の10%という、使いやすい料金体系で提供しています。

sacriの利用で顧客単価が1.7倍に

パン屋さんと一緒にサービスを磨き続けてきた結果、お客様の購入体験に変化が出てきました。

今までは、両手がふさがってしまうので、お店ではトレイ1枚分の買い物しかできなかったり、また、後ろの列を気にしながらお買い物をされたりするお客様がいました。

しかしsacriだと、ゆっくりたっぷりお客様自身のペースで買い物ができるので、顧客単価が1.7倍になりました。

こちらは実際の管理画面ですが、夜中の3時近くにパンを4,000円分買うお客様も現れました。

そしてパン屋さんの月商において、sacriでの売上比率が20%を超え、売上自体も15%上がるお店が出てきたのです。

事前決済のためセルフサービス導入店も

営業スタイルにも変化が起きています。

対応が煩雑だった電話予約や台帳記入、整理券配布をやめられることになり、パン作りや接客に集中できるようになりました。

そして店頭では、会計が済んでいて商品を渡すだけなので、どんな場所にでも支店を展開でき、また、セルフサービスの店舗も開けるようになったのです。

リリース10カ月で会員は約32,000人に

実績をご紹介します。

ありがたいことに、NHKやWBSにも取り上げて頂き、クチコミを中心に、北海道から鹿児島まで88店舗に広がっています。

【トレたま】パンを取り置きできるアプリ(テレ東BIZ)

我々は、広告出稿やクーポン展開は一切していませんが、会員数は32,000人に達しています。

そして流通額は、89倍と大きく伸びています。

2021年秋、通販を開始予定

今後の展望について、お話しします。

「sacriで知った地方の、あのお店のパンが食べたい!」というお客様の声にお応えし、この秋、通販モードを開始予定です。

先日、sacriでトライアルとして、3,500円(税込)のベーグルセットを78セット売ってみたのですが、27万円分が2分で完売しました。

さらに全国、北海道から鹿児島までのお客様が買ってくださり、しかも全国各地のsacriの出店者の常連のお客様が買ってくださいました。

これは、すごく嬉しかったです。

さらに、パン屋さんと似た特性を持つ、パティスリーにも拡大しようと考えています。

街のパン屋さん市場4,700億円に、パティスリー市場4,000億円を足すと、約8,700億円規模にまで拡がります。

我々はこのように、忙しくて、したくても今までできなかった「攻めのマーケティング」や「商圏拡大」、そして寝ていても24時間sacriが注文を取ってくれる「営業時間拡大」を、簡単に実現できるインフラになります。

ぜひ応援をよろしくお願いします。

最後に、sacriなら、ここ京都屈指の人気店のパンも取り置き注文ができますので、ICC開催中にご利用頂けると嬉しいです。

ありがとうございました、応援をよろしくお願いします。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸

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