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「農業情報設計社」は、誰でもどこでも使える農業機械で作業を自動化し、新たな価値を生み出す(ICC KYOTO 2020)【文字起こし版】

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ICCサミット KYOTO 2020 リアルテック・カタパルトに登壇いただいた、農業情報設計社 濱田 安之さんのプレゼンテーション動画【「農業情報設計社」は、誰でもどこでも使える農業機械で作業を自動化し、新たな価値を生み出す】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2021は、2021年2月15日〜2月18日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションは、ICCサミット KYOTO 2020 ゴールド・スポンサーのKOBASHI HOLDINGS にサポート頂きました。

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【登壇者情報】
2020年9月1〜3日開催
ICCサミット KYOTO 2020
Session 2A
REALTECH CATAPULT
リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Sponsored by KOBASHI HOLDINGS

濱田 安之
株式会社農業情報設計社
代表取締役 CEO, ファウンダー

1970年北海道室蘭市出身。1996年に北海道大学農学部卒業後、農業機械の研究者として性能や安全性の評価試験や情報化・自動化に関する先端技術を開発するとともに、国内の大手農機メーカーや工業会と連携して農業機械間の通信制御の共通化に取り組んできた。2014年4月に農業情報設計社を設立。GPSを利用して真っ直ぐ等間隔、効率的な走行と作業を実現するトラクター運転支援アプリ「AgriBus-NAVI」は世界140か国の農業者に愛用されている。研究者として培った知見を生かし、「より良い農業へのチャレンジを支える」べく農業機械を中心とした農業生産技術の自動化やロボット化、情報化といった農作物・畑・田んぼそして農業者に一番近い先端技術の開発・提供に取り組んでいる。


北海道・帯広で農業用アプリ、デバイスを開発する「農業情報設計社」

濱田 安之さん 私ども農業情報設計社は、GNSS(GPS)を利用して、トラクターで畑や田んぼの中を真っ直ぐ・等間隔に走る作業を行うためのアプリとデバイスを提供しています。

私は元々農業機械の研究者で、この動画のように全自動で走行するロボットトラクターなどの新しい技術を研究開発してきました。

このような新しい技術を何とか研究所だけではなく農業の現場で実際に使ってもらいたいという思いを強くして設立したのが、この農業情報設計社です。

なぜ「真っ直ぐ・等間隔」に農作業をする必要があるのか

最初に「真っ直ぐ・等間隔」というお話をしましたが、「なぜ真っ直ぐ・等間隔なんだろう?」とお思いになった方がいらっしゃるかもしれません。

実はこの「真っ直ぐ・等間隔」というのは、農作業の中で一番大事で、でも一番大変なものの一つです。

例えば、作業が重なってしまいますと、当たり前ですがその分はロスになってしまいます。

それは種であり、肥料であり、あるいは燃料であり、時間です。

一方、間隔が開いてしまいますと、今度はそこから病害が発生して付近が全滅してしまったり、もちろん種がまかれなければ作物は生えてこないため、収量や品質が低下するという問題が起こります。

5%、10%という話ではありますが、やはり農業生産費の中で資材費、労働費は非常に多くの比重を占めています。

これらを節約することは、農業者の方々にとっての手取り、収益を大きく改善することにつながり、非常に大事だといえます。

なぜスマホのアプリなのか

もちろんこのような課題に対して、古くは20年前ぐらいから、「GPS/GNSSガイダンスシステム」というものが世の中に出てきています。

しかしながらこのGPSガイダンスシステムは、非常に高いという課題がありました。

私どもは、この非常に高額という課題に対して、スマートフォン、AndroidのアプリとしてGPS ガイダンスシステム「AgriBus-NAVI」を提供しています。

動画のように、トラクターが通った所は画面上で色が変わるので、どこまで作業が進んだのかが分かりますし、画面上に基準になる線があって、数値を見ると何cmずれているのかが分かります。

それに従ってハンドルを切っていただければ、誰でも真っ直ぐに運転することができます。

実際に使った様子がこちらの動画です。

耕している最中ですが、右側は飛び飛びに作業しているのがお分かりいただけるかもしれません。

普通は、行ったら切り返してバックして、ターンして、次は隣を作業してとなりますが、今どこにいるのか、システムの画面に表示されて分かりますので、止まらずに真っ直ぐ、ずっと作業し続けることが可能です。

これだけでも能率が5%から10%程度上がると言われています。

「AgriBus-NAVI」は100万ダウンロードを突破

おかげさまで我々のアプリは、現在100万ダウンロードを超えました。

この類のアプリの中では世界でトップシェアですし、国内の農業用のアプリでもおそらくトップだと思います。

今何気なく100万ダウンロードと言いましたが、ICCとの出会いがここまで持ってきてくれました。

昨年、ICCサミット FUKUOKA 2019でブラジル・ベンチャー・キャピタルの中山 充さんにお会いしたことをきっかけに、実際にブラジルを訪問して、ユーザーさんの声を聞きました。

その声を基に我々のエンジニアがアプリの改良を重ねた結果、ここまで伸びることができました。ICCサミットというこの場にも非常に感謝している次第です。

ユーザーの約99%は海外から

現在我々のユーザーは、国内が1%強で、99%は海外です。

既に世界中の農業者の方々にお使いいただいています。

こちらは、昨年年11月にブラジルに行ってきたときの様子ですが、我々は国内のスタートアップの中で、一番遠くでユーザーイベントをやったベンチャーではないかと自負しております。

廉価なハードウエアも提供開始

今我々はアプリだけではなく、ハードウエアにも展開をしています。

簡単・手軽で、センチメーター級の非常に高い精度のGPSを、今までの10分の1から20分の1の価格で提供しています。

また、ハンドルにモーターを入れて、手放しでも真っ直ぐ走るトラクターも今までの3分の1という非常にお求めやすい価格で提供しています。

 

農業機械を自動化して、誰でもどこでも使える世界に

我々はこれからさらにこの技術を進め、農作業を自動化、そしてサービス化して、誰でもどこでも農業機械を使うことのできる世界を創ろうと考えています。

また、農作業データから新しい価値を生み出して、食べる人と作る人をつなごうと考えているところです。

こちらは、今私たちが開発中のロボットトラクターです。

これも先ほどご覧いただいたスマホアプリ「AgriBus-NAVI」で動いているものです。

テレビドラマ「下町ロケット」でご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、劇中で「帝国重工」が大失敗してひっくり返ったトラクターそのままです。

「帝国重工」のリベンジを我々が果たしたと言ってもいいかもしれません。

かかしを検知して自動でロボットトラクターが停止するシーンがドラマにありましたが、現地試験の村長さんが、実際にかかしの代わりになってすごく喜んでくれました。

革新的技術で「より良い農業へのチャレンジ」を支えたい

現在、国内で同等の技術を持って大型トラクターを自動化しているところはありません。

我々は、この高い技術を持って、世界の農業機械を自動化、そしてサービス化してまいります。

私たちは、グローバルな市場に、革新的技術で農業と世界を変えるアグリテックを、北海道帯広から提供してまいります。

世界中の農業者の方々の、「より良い農業へのチャレンジ」を支えていきたいと思います。

私たちは現在、メンバーあるいは株主として仲間を募っております。

ご興味がありましたら、ぜひご一報いただければと思います。

以上、私ども農業情報設計社のご紹介でした。

ありがとうございました。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成
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