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「CREW」は人々の“乗りたい”と“乗せたい”を信頼と安心でつなぎ、日本のモビリティ課題を解決する(ICC FUKUOKA 2019)【文字起こし版】

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ICCサミット FUKUOKA 2019 スタートアップ・ダイジェスト(後半)に登壇頂いた、Azit 吉兼 周優さんのプレゼンテーション【「CREW」は人々の“乗りたい”と“乗せたい”を信頼と安心でつなぎ、日本のモビリティ課題を解決する】の文字起こし記事をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019 は2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 プラチナ・スポンサーの日本マイクロソフト様にサポート頂きました。


【登壇者情報】
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 12B
スタートアップ・ダイジェスト – 注目スタートアップを一挙紹介!(後半)
Supported by 日本マイクロソフト

(プレゼンター)
吉兼 周優
株式会社Azit
代表取締役 CEO / デザイナー
公式HPSTARTUP DBLinkedInページ

慶應義塾大学理工学部に在学中、2013年に株式会社Azitを共同創業。幾つかのアプリ開発コンテスト・ビジネスコンテストで優勝し、数百万円の賞金を獲得。2015年に「移動における『格差』をなくすことで、誰もが自然体でいられる日常を取り戻す」をミッションに掲げ、ドライブシェアサービス『CREW』をローンチ。著名エンジェルやVCなどから、累計約10億円の資金調達を実施し、『共創』をテーマに、日本ならではモビリティの未来の創出を目指す。2018年夏より与論島での実証実験を行うなど、都市部のITベンチャーとして地方創生にも取り組む。

「ICC FUKUOKA 2019 スタートアップ・ダイジェスト」の配信済み記事一覧


吉兼 周優さん こんにちは、株式会社Azitの吉兼(よしかね)と申します。

本日は、「日本を代表するモビリティ・ベンチャーへ」というテーマで、弊社が取り組んでいる地方での交通課題の解決と、安心安全への対策について、前回のスタートアップ・カタパルトからのアップデートをお話ししたいと思います。

我々は、“乗りたい”と“乗せたい”をマッチングする、自家用車を用いたモビリティ・プラットフォーム「CREW」を運営しています。

「“日本ならでは”のモビリティの未来へ」というビジョンを掲げて、日本独自のビジネスモデルをつくってきました。

自家用車を用いたこのビジネスモデルに関しては、2018年3月に、国土交通省より新しく通達が出されました。

▶参照:道路運送法における許可又は登録を要しない運送の態様について(平成30年3月30日国自旅第338号、国土交通省)(PDF)

本日は、そうした背景を踏まえて、私たちの日本の社会課題への取り組みについてお話しできればと思っています。

地方の交通課題を解決するモビリティ・プロジェクト

私たちは、地方部での取り組みを「ローカル・モビリティ・プロジェクト」と名付け、様々な地域での交通課題解決に取り組んでいます。

これは、前回のICCサミットで発表させていただいた、鹿児島県の与論島です。

▶参照:Azit「CREW」は、移動手段の格差を解消し、“共創するモビリティ社会”を実現する(ICC KYOTO 2018)【文字起こし版】

この島にはタクシーが8台しかない一方で、観光客が毎年1万人ずつ増えています。

私たちは昨夏、1ヵ月間かけてCREWの実証実験を行いました。

本日は、それを踏まえてアップデートをお知らせしたいと思います。

今年4月から、与論島での「CREW」の正式導入が決定しました。

実際に私も与論島に足を運び、現地の方々の強いニーズと、こうした自家用車も含めた新しい交通手段がないと、サステイナブルではないということを実感しました。

実証実験という「お試し」ではなく、サステイナブルに地域の課題解決に貢献できることを、心から嬉しく思っています。

このように自家用車を用いたモビリティ・プラットフォーム事業を営んでいると、よく「タクシー業界はどうなるのだ」とか「海外の事例では」といったお話をいただきます。

しかし私たちは、あくまで日本のモビリティ社会の課題解決をめざして、タクシー会社の売上や、地域の活性化にも貢献していきたいと思っています。

その取り組みの第一歩として、与論島でまた新しい事例をつくっていけたらと思っています。

また、長崎県五島列島にある久賀島でのCREWの導入も決定しました。

はじめに私たちが久賀島に足を運んだ際には、ドライバー講習に来られていた方がスマートフォンを持っていないなど、地方ならではの課題がありました。

しかし「せっかくCREWがやってきたのだから」ということで、高齢者の方々ががスマートフォンの購入に踏み切ってくださるなど、その学習姿勢に驚かされながら、こちらの島での交通課題の解決にも真剣に取り組んでいます。

高齢者や観光客の皆さまに、私たちにしか提供できないサービスをしっかり届けてまいります。

「安心安全」を第一にしたサービス体制の整備

また本日は、私たちの安心安全への取り組みについても発表させていただきたいと思います。

実は、先月は1ヵ月間サービスを停止して、安心安全対策にフォーカスをしていました。

私たちスタートアップの関心事はつい、サービスのグロースなどビジネス面に偏りがちです。

もちろん、それらはベンチャーが成長していく上で欠かせないものだと思っていますが、一方で、グロースのみを追い続けた結果、自分たちの思い描くサービスを社会に提供できずに終わってしまったスタートアップの事例も、本当にいくつも見てきました。

そこで私たちは、安心安全を第一に進んでいきたいと思っています。

こちらが、今月発表したCREWの安心安全対策の一覧です。

本日は、この中からいくつかピックアップしてお話しいたします。

① 緊急時のアラート送信機能

まずは1点目です。

緊急時に、SOSのアラートを送信できるようになりました。

万が一、お客さまが乗車している車が交通事故に遭った際や、何らかの事件に巻き込まれた際に、緊急時のアラートを送っていただければ、弊社のオペレーターが警察と連携を取ったり、電話対応をしたりするという、安心安全の体制を整えました。

② 異常事態の発生検知機能

さらに、能動的にSOSが上げられない場合のための「異常事態の発生検知」機能も搭載しました。

例えば、A地点からB地点まで移動する場合、そのルートから明らかにずれていたり、長時間停止していたりする場合、事件などの可能性があるドライブとして検知し、オペレーターが対応するフローになっています。

③ 迷惑行為・法令違反のパトロール

また、迷惑行為や法令違反のパトロールにも注力し、ユーザーからの報告だけではなく、私たちが能動的に行うようなことも始めています。

人間味のある、温かなサービスで交通課題を解決する

最後に、「CREW」のコンセプトをユーザーやドライバーの皆さまに理解していただくためのムービーを作りましたので、どうぞご覧ください。

観光客の方が与論空港から出てくるシーンからスタートします。

これは実際に与論島で撮影しており、ここに出てくるキャストの皆さんは、現地でドライバーをされている島の方々です。

東京のモビリティ系ベンチャーということで、どうしても都市部での活動がフィーチャーされがちですが、私たちはこうした地方での課題解決にも力を入れて取り組んでいます。

また都市部の活動としても、来年の東京オリンピックで想定される4,000万人の外国人旅行客を想定して、都市部での交通問題の解決にも取り組んでいきたいと考えています。

現在、大企業さまと一緒に、都市部での交通課題のリサーチも行っており、日本の交通課題を生のデータに落としながら、国や国民の皆さまと一緒に前に進んでいけるような、日本を代表するベンチャーになっていきたいと思っています。

同時に、人間味を感じられるような温かいコンセプトで、新しい移動手段をつくっていけたらと思っております。

引き続き、私たちの「CREW」への応援をよろしくお願いいたします。

ご清聴ありがとうございました。

(終)

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編集チーム:小林 雅/花本 夏貴/尾形 佳靖/戸田 秀成/Froese 祥子

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