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A.L.I.は、世界中のGPUをつなぎ、次世代型の高速演算プラットフォームを創り出す!(ICC FUKUOKA 2019)【文字起こし版】

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ICCサミット FUKUOKA 2019 スタートアップ・ダイジェスト(後半)に登壇いただいた、A.L.I.Technologies 片野大輔さんのプレゼンテーション【A.L.I.は、世界中のGPUをつなぎ、次世代型の高速演算プラットフォームを創り出す!】の文字起こし記事をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 プラチナ・スポンサーの日本マイクロソフト様にサポート頂きました。


【登壇者情報】
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 12B
スタートアップ・ダイジェスト – 注目スタートアップを一挙紹介!(後半)
Supported by 日本マイクロソフト

(プレゼンター)
片野 大輔
株式会社A.L.I.Technologies
代表取締役社長
公式HP|STARTUP DB|LinkedInページ

Boston Consulting Group、Dream Incubatorにて、メーカーから飲食まで国内外の幅広いプロジェクトに従事後、アジア最大級の独立系コンサルティングファームの日本法人代表取締役に就任。欧州への海外展開プロジェクトを推進後、10年以上に亘る戦略コンサルティング・経営支援の経験を経て、エンジェル投資家として参画していた2018年7月に株式会社Aerial Lab Industries(現 株式会社A.L.I.Technologies)代表取締役COOに就任。東京大学工学部卒業。

「ICC FUKUOKA 2019 スタートアップ・ダイジェスト(後半)」の配信済み記事一覧


片野 大輔氏 はじめまして、A.L.I.Technologiesの片野と申します。よろしくお願いします。

弊社のミッションは「次世代を支えるインフラ企業となる。」です。

ハードウェアとソフトウェアの両面のテクノロジーを使い、次世代インフラをグローバルに提供していくことを目指しています。

今、我々が取り組んでいる事業は大きく3つあります。

1つ目はコンピューティングパワープール事業、

2つ目はエアモビリティ事業、

3つ目はパートナー事業です。

我々の会社をご存じの方はおそらく2つ目の「エアモビリティ事業」、いわゆる空飛ぶバイクやホバーバイクの開発をしている会社だと認識していただいているかと思います。

実はもう1つの主力事業として「コンピューティングパワープール事業」というものも行っております。

本日はこの事業を中心にご説明させていただきます。

ちなみに、「エアーモビリティ事業」のホバーバイクに関しては、2019年3月末頃に有人公開飛行試験を控えており、バイクが人を乗せて飛ぶというところを皆さんにお見せする計画です。(※)

▶︎参考:ホバーバイク“Speeder®”の公開飛行試験実施及びコンセプトムービー発表のお知らせ(News&Topics | A.L.I. Technologies)

A.L.I.の「コンピューティングパワープール(CPP)事業」とは?

「コンピューティングパワープール事業」とは、一言で申し上げますと、我々独自の自律分散処理システム (※) により世界中のコンピュータを繋ぎ、1台のスーパーコンピューターのようにして、その演算能力を提供する事業です。

必要な時に必要な領域で、非常に高速な演算能力を安価に提供できるというサービスです。

例えば、ディープラーニング、3Dレンダリング、CAEと呼ばれる工業設計(製品の設計・製造等におけるコンピュータシステム)、パブリックブロックチェーンなど、コンピューティングパワーが必要になってくる分野で、様々な企業を支えるインフラになっていけると考えています。

GPUマーケットは、年率30%で拡大する成長市場

ディープラーニングやパブリックブロックチェーンなど、分野が異なればエンドユーザーやソフトウェアは全く異なります。

しかし、ベースで動くハードウェアであるGPUやCPU、またその次世代型のものは、基本的には共通です。

現状、高度な演算能力の代表例であるGPUの市場規模は、機器販売と投入電力だけで数兆円、2024年までには年率約30%で拡大していくビジネス基盤があります。

GPUマーケットについて、業界別にもう少し詳しく見ていきます。

3Dレンダリングを扱っている領域が60%程度、ディープラーニングやCAE(工業デザイン・設計)が40%程度です。

この市場規模は、あくまでハードウェアのビジネスに限った予想値です。

ここにソフトウェアやサービスを含めると、トータルでアクセスできるマーケットは数十兆円以上の規模になると考えています。

GPUの課題「遅い・高価・不便・調達困難」を解決!

しかし、演算能力に対するこれほどの需要があるにも関わらず、現場のエンジニアやデザイナーに伺うと、演算能力を上手く使い切れていないという課題が出てきました。

具体的な課題としては、処理が遅いことや、クラウド型でもオンプレミス(設置・運用)型でも初期導入費用が高いこと、設定やメンテナンスが面倒であるという点があげられます。

そもそもGPUの数が不足していて、世界的に調達が困難という現状です。

そこで我々は、これらの課題に対して、高速、安価、便利で、安定的に調達できるようなサービスを提供していこうと考えています。

クラウドで提供されるソフトウェアとハードウェアの間に、我々独自の自律分散型コンピューティングシステムを入れます。

通常GPUをたくさん繋いでいくと、台数を増やせば増やすほど、真ん中のタスク管理がボトルネックになり、スピードが上がらなくなってしまいます。

しかし我々のサービスでは、GPUを50万台以上繋いでもその分だけ処理が速くなることが実証されています。

かつ、初期の設定等を面倒にしないようにクラウドGPUの機器貸し、つまりインスタンス貸しではなく、他社と連携してサービスとして提供しています。

ここに、デモンストレーションをお持ちしました。

非常に地味な3Dレンダリングの例なのですが、普通のノートパソコンにファイルをドラッグ&ドロップすると、ファイルが自動的にアップロードされていきます。

アップロードされると同時に、3Dレンダリングが始まります。

これは4枚のGPUで実験しているのですが、繋ぎ込む枚数を増やすことによって、速度を実質無限倍まで上げることができます。

そして、レンダリングが終わったものを簡単にダウンロードでき、結果として出てきたアニメーションを簡単に見ることができます。

自動運転の学習フェーズや走行予測におけるエッジ側での活用も

将来的な応用例についてです。

例えば、自動運転を学習フェーズと実際の走行・推測フェーズに大きく分けたとします。

学習フェーズでは、リアルな空間を走るだけではなく、3Dの仮想空間を走ることによってアルゴリズムを強化する取り組みが行われています。

このような3Dレンダリングやディープラーニングの部分で、我々のコンピューティングパワーを活用頂けるのではないかと考えています。

将来的には、社内で計算するものだけではなく、エッジ側 (車両側) で計算するケースも増えていくとなると、我々のコンピューティングパワーをエッジコンピューティングのインフラとして使っていくことも可能だと考えています。

次世代を支えるインフラを“共に”創る事業パートナーを

もし、このビジネスに興味を持って下さる方がいらっしゃったら、ぜひ我々の事業パートナーになっていただきたいと思っております。

関わり方としては3つございます。

1つ目は、ユーザーとして我々の貸し出す演算能力を利用していただける方。

2つ目は、演算能力を貸し出していただける方。

我々はあくまでも繋ぎ込む自律型分散処理のアルゴリズムをつくっている企業なので、演算能力が余っている企業様に貸し出していただく必要があります。

3つ目は、投資家の方です。

我々はスタートアップでキャピタルがあまりないので、投資家の方々に実際に我々のマシンを買っていただいて、それを我々が運用し、リターンとして還元したいと考えています。

ですので、我々にマシンの管理を委託いただける方も探しています。

以上が、A.L.I.Technologiesの説明です。

ありがとうございました。

(終)

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編集チーム:小林 雅/三木 茉莉子/尾形 佳靖/戸田 秀成/Froese 祥子

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