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エアロネクストは“上空150メートル”に革新と信頼をもたらし「ドローン前提社会」を実現する(ICC FUKUOKA 2019)【文字起こし版】

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ICCサミット FUKUOKA 2019 カタパルト・グランプリに登壇し、準優勝に輝いた、エアロネクスト・田路圭輔さんのプレゼンテーション【エアロネクストは“上空150メートル”に革新と信頼をもたらし「ドローン前提社会」を実現する】の文字起こし記事をぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 プラチナ・スポンサーのAGSコンサルティング様にサポート頂きました。


【登壇者情報】
2019年2月19日〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 6B
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ) – 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング

(プレゼンター)
田路 圭輔
株式会社エアロネクスト
代表取締役 CEO
公式HPSTARTUP DBLinkedInページ

兵庫県姫路市出身。大阪大学工学部建築工学科卒。1991年、株式会社電通入社。主にセールスプロモーション領域の業務に従事した後、新規事業開発を担当。 1999年、テレビ放送のデジタル化を契機に電子番組表(EPG)に着目し、電通と米国ジェムスター社の合弁で株式会社インタラクティブ・プログラム・ガイド(IPG)を共同設立。代表取締役社長としてEPGのデファクトスタンダードとなった「Gガイド」の普及・市場化を実現。 2017年7月、株式会社DRONE iPLAB(DIPL)を共同創業し、取締役副社長に就任。DIPLとの資本業務提携を機に同年11月より株式会社エアロネクストに代表取締役CEOとして参画。

「ICC FUKUOKA 2019 カタパルト・グランプリ」の配信済み記事一覧


田路 圭輔氏 皆さまおはようございます。エアロネクストの田路(とうじ)と申します。

本日は、「次世代ドローン革命」と題して、エアロネクストの挑戦が新しいステージに到達したことをお伝えしたいと思います。

「ドローン前提社会」の実現――これが私たちの目標であり、夢です。

私は、この言葉を聞くとテンションが上がります。

それは、「人々の生活をどう変えるか」という利便性の話だけではなく、起業家として、自動車が生み出した巨大なエコシステムに匹敵する社会インパクトを、その言葉に想像するからです。

自動車の登場により、市場・インフラ・雇用・法制度・税金といった、とてつもなく大きな経済が創り出されました。

「ドローン前提社会」の実現に向けた課題は何か?

一方、「ドローン前提社会」の実現に向けた道のりは、長く険しいものです。

自動車に例えると、まだ「T型フォード」が登場する以前の段階であると言えます。

ドローン前提社会のさらに前提、それは「機体の信頼性」です。

さて改めて、現在のドローンの機体の課題は何でしょうか?

ドローンの機体はこのように、信頼性の他にも耐風性、飛行時間、飛行速度などの多くの課題を抱えています。

これまでのドローン開発者は、こうした課題を「ソフトウェア」で改善するというアプローチをとってきました。

しかし私たちは技術開発のセオリーどおり「ハードウェアでのアプローチ」を試みています。

実は、ドローンの機体フレームというのは30年間にわたって進化していません。

私は、ドローンの機体構造を根本から変えなければ、皆さんが期待してるような劇的な進化はドローン産業には訪れないと考えています。

産業用ドローンに革命をもたらす「4D Gravity®」技術

そこで私たちが発明したのは、「4D Gravity®」という重心制御技術です。

ドローンの機体フレームにおいて、飛行に関わる部分と目的を達する部分を分離独立させ、ジンバルで結合して独立変位させる「貫通ジンバル構造」に特徴を持っています。

上記の映像から、これまでの機体の飛び方と私たちの機体の飛び方が、全く違うことがお分かりいただけるかと思います。

私たちの機体は、軸が一切ぶれません。

この「軸がぶれない」というのは、産業用ドローンにおいてとても重要です。

なぜなら、産業用ドローンの目的が多岐にわたるからです。

私たちの機体であれば、もちろん、ラーメンだって運ぶことができます。

従来の一体型の機体の場合、傾くとどうしても、このように重心が移動します。

結果として、一部のモーターに負荷がかかります。

しかし分離構造の場合には、機体が傾いても重心が動かないので、モーターが安定します。

結果として、風に対する応答性能、モーターの信頼性、さらには燃費の問題、スピードの全てを解決します。

これが「4D Gravity®」です。

30年間不変の機体フレームを革新する「4D Gravity®」

4D Gravity®は、これらの基本性能をアップさせるだけではありません。

4D Gravity®のテクノロジーは、幅広い用途開発に使えるのが特徴です。

例えば、軸がぶれないので、天井にくっついて監視をする無人警備ドローン。

あるいは、長い棒を差し込んで、橋梁の裏側のような目視できないを部分を覗く点検ドローン。

重たいホースをぶら下げて安定した飛行をする消防ドローン。

さらには、上空でドローンを合体させてバッテリー交換をする、といったこともできます。

こちらはすでに発表済みですが、機体が映り込まず360度自由視点の映像を撮りきるVRドローン。

さらには、荷物が傾かない高速移動ドローン。

そして最後に、機体が対象物に接近しない、アクロバティックな産業用ドローンです。

こういった私たちのアウトプットに対して、ある一定の評価を得ています。

「CEATEC AWARD 経済産業大臣賞」は、ベンチャー企業では初の受賞であったかと思います。

「Intel Insideモデル」を採用、知財戦略で世界を狙う

ドローンの世界には「DJI」というジャイアントがいます。

彼らは、“フライング・スマートフォン”の世界のチャンピオンです。

私たちは、“フライング・ロボット”の世界でチャンピオンになりたいと考えています。

その重要な戦略が「知財(知的財産)」です。

私たちは、経営資源として知財を最も重視しています。

私は、技術の流通スピードを高めるために知財を活用する、という考えを持っています。

しかし、知財だけでは世界で勝つことができません。

コア技術に加え、特許ポートフォリオ、ブランド、こういったものを「4D Gravity® テクノロジー」としてまとめ上げ、かつてコンピュータ業界でインテルが行ったマーケティングモデルをドローンに移植して展開しようと考えています。

グローバル市場に向けた第一歩:中国への展開

そして私たちが世界で勝負する一番最初となる市場、それは中国です。

中国はドローン産業の中心で、2020年にはなんと1兆円の市場規模が予測されています。

私たちのグローバルの成功の第一歩は、この世界市場のショーケースである中国を外しては考えられません。

そのために、私たちは2018年11月に深センで行われたスタートアップのワールドカップに出場しました。

完全にアウェイな厳しい状況の中で、24社中スタートアップ部門で総合第3位と知的財産賞をダブルで獲得しました。

そして深セン市南山区の熱烈なラブコールに応えて、この1月に再度深センを訪問し、人民政府のみならず、ドローンベンチャーが300社加盟するドローン産業協会、さらには深セン市と清華大学の合弁会社、これらのサポートを取り付けました。

私たちは遅くとも今年5月までに深センに現地法人を立ち上げて、本格的に中国に進出します。

「量産化」と「パートナーシップ」で国内市場へ展開

次に国内戦略ですが、国内に関しては事業セグメントごとにパートナーを見つけ、そのセグメントごとに事業を立ち上げていく、という考えを持っています。

既にここには書ききれないくらい多くの会社から業務提携、共同開発等様々なオファーをいただいています。

そして、これらに共通する最も重要な課題、それは「量産化」です。

私たちは昨日、農業機械製造の大手である小橋工業と業務提携をし、我々の「4D Gravity®」搭載機である「Next」シリーズの量産化を発表いたしました。

▶参照:画期的ドローン開発のエアロネクスト、量産化に向け農業機械メーカーの小橋工業と強力タッグ(TechCrunch)

この機体は、「FUKUOKA Smart EAST」のラストワンマイル配送実験での採用が決まっており、近々ここ福岡で飛ぶことができます。

新型VTOLを武器に、ドローン前提社会をめざす!

最後に、私たちが今回発表しているVTOL(垂直離着陸機)をご覧ください。

これは、今回のICCサミットでの展示が初となります。

垂直離着陸、長距離飛行、ピンポイント・ランディング、これらを実現するのがVTOLです。

私は、物流機の本命はVTOLだと考えてます。

機体の信頼性、これは4D Gravity®がマンダトリー(必須)となった世界だと考えています。

そして私たちは、産業用ドローンで4D Gravity®の技術を標準化したいと思っています。

そして、今は鳥と電波しか飛んでいない地上から150メートルの空域を経済化し、「ドローン前提社会」の誕生に貢献したいと思っています。

引き続き、皆さまの熱い応援をよろしくお願いします。

(終)

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/三木 茉莉子/尾形 佳靖/戸田 秀成/SNOWLIGHT

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