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e-Education三輪開人さんのプレゼンテーションを4回シリーズでお届けします。(その3)は、e-Education三輪さんの、バングラデシュでのテロ事件をきっかけとした休職、そして再起にかける想いと行動を熱くお話し頂きました。感動のプレゼンテーションでした。三輪さんはカタパルトグランプリで、見事優勝しました。
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017「カタパルト・グランプリ」プレゼンテーションの書き起こし記事です。ぜひご覧ください。
スタートアップビジネスの「エコシステム」を構築し、日本の起業家を支援するプログラム「IBM BlueHub」は「カタパルト(CATAPULT)」のオフィシャル・サポーターです。
本記事で特集しております8分間のプレゼンテーションを行う「CATAPULT(カタパルト)」のプレゼンターを募集しております。「スタートアップ」「IoT/ハードウエア」「リアルテック」「カタパルト・グランプリ」の4カテゴリーで募集しております。ぜひ募集ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
CATAPULT GRANDPRIX (カタパルト・グランプリ)
Supported by IBM BlueHub
三輪 開人
特定非営利法人e-Education
代表理事
1986年生まれ。早稲田大学在学中に税所篤快と共にNPO、e-Educationの前身を設立。バングラデシュの貧しい高校生に映像教育を提供し、大学受験を支援した。1年目から合格者を輩出し「途上国版ドラゴン桜」と呼ばれる。大学卒業後はJICA(国際協力機構)で東南アジア・大洋州の教育案件を担当しながら、NGOの海外事業総括を担当。2013年10月にJICAを退職してe-Educationの活動に専念。14年7月に同団体の代表理事へ就任。これまでに途上国14カ国8000名の中高生に映像授業を届けてきた。2016年、アメリカの経済誌「Forbes」が選ぶアジアを牽引する若手リーダー「Forbes 30 under 30 in Asia」に選出される。
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【本編】
▼Part 1, 2のハイライト▼
三輪開人(以下、三輪) 皆さんこんにちは。
NPO法人e-Education代表理事の三輪開人と申します。
「e-Education」は最高の授業を世界の果てまで届けるというミッションを掲げた、途上国で教育支援を行なっているNPOです。
私たちが活動しているバングラデシュという国は、アジア最貧国と呼ばれ、大変な国なのです。
小中学校で教育支援を行なっているNPOは全国で1万団体以上ありましたが、40,000人の先生が足りない中で、特に深刻なのが高校生です。先生の足りない高校生の層が、大学を受験するに壁がある。
一方、大学に入ることができれば奨学金が貰えるだけではなく、アルバイトで大学の通学費や生活費の全てを稼ぐことができ、当然ですが就職することもできる。では高校を卒業して大学に行けたら、彼らの人生は変わるのではないかと僕たちは思い、e-Educationという事業を始めました。
日本の東進ハイスクールをモデルにして、授業を映像にして届けることができたら面白いことが起こるのではないか。バングラデシュで初めてのDVD予備校を作りました。
すると、e-EducationのDVD予備校を使って、現地の東京大学にあたるダッカ大学に合格する学生が現れ、途上国版ドラゴン桜といったような形で取り上げて頂き、たくさんの応援を頂けるようになりました。
2014年には私たちが一番協働したかった世界銀行と一緒にお仕事をさせて頂く機会を得ました。
初年度(ダッカ大学の合格者が)1人だったところ、2011年には3人、そして、ついに2015年に、私たちのプログラムから、現地のトップ大学に合格する学生が100名を超えました。
現地の方々から評価頂き、嬉しいことに2015年にバングラデシュの教育大臣からご連絡を頂き、表彰して頂きました。
そして我々が教育大臣と一緒にどういう事業ができるかを話し合い、今バングラデシュの教育省が進めているデジタル教育として、導入する400万台のパソコンの中に我々のコンテンツを入れられるのではないか、と言う話まで頂きました。
こうして、e-Educationは、バングラデシュにおける公教育のデジタル授業改革という部分に携わらせて頂いております。
▲Part 1,2のハイライトはここまで▲
▼Part 3 はこちらから▼
三輪 ここまでが私たちが頑張ってきた歴史なのですが、一つ見落としていたことがありました。
それは私たちが当初想定していた「大学に行ったら人生が開ける」、もっと疑うべきだったのですが、ここが大きな抜け穴でした。
現地の大学に受かった学生が相談に来ます。いろいろなことに困っています。
「一生懸命勉強して、大学に受かったけれどもその後が見えない」こういう相談を頂いていた中で、非常に悲しい事件が起こりました。
優秀な若者が起こしたバングラデシュのテロ
2016年7月1日、バングラデシュでテロ事件が起きました。
▶バングラデシュ テロ、日本人7人死亡 伊9人含め20人犠牲
ご存知の方もいらっしゃるかと思います。バングラデシュで8人の方が死傷されて7人の方が亡くなりました。1人は私の知り合いでした。
実は私も当時現場にいて、72時間つまり3日間ホテルから出るなという日本政府の命令を受けていました。
その中でいろいろなニュースが飛び込んでくるのですが、一番ショックだったのは、この事件を起こしてしまったのが非常に優秀な若者だったということです。
大学に行っている子もいれば、トップの大学を卒業した子もいたのです。そういう子たちがテロの犯人になってしまいました。
もし僕らが彼らの声を聞いていれば、一番近くで教育支援をしていた私たちがこの声を聞いていたら、何かができたのではないか、そういうことを思ってしまった時に、恥ずかしならこれは自分たちのせいではないか、そういう風に悔やんでしまい、私は心と体の病気を負ってしまいました。
e-Education三輪さん再起の想い
それから私はしばらく会社を休むことになったのですが、今この会場に立てているのはたくさんの方に支えてもらったからです。
少しだけご紹介をさせてください。
先ず一つは、他でもないバングラデシュの人たちでした。
事件の当日、ホテルから出られないことを知った現地の仲間達が土砂降りでびしょ濡れになりながら食べ物や飲み物を持ってきてくれました。
スタッフだけではなく、卒業した現地の大学生たちもいました。
一生懸命「何かできることはありませんか」と声をかけてくれる人がたくさんいました。現地には優しい挑戦者がたくさんいるのです。
2つ目は、他でもないこのICCカンファレンスの主催者の小林さんです。
私がまだ休職をしていた2016年9月に、小林さんからお誘いを頂いて、ICCx AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンスという、現在ビッグテーマになっている「社会課題をどう解決するか」というICCイベントに参加させて頂きました。
もちろん(会場にいる)リディラバ安部さんも一緒です。
そしてこのイベントで実際に、皆様のような経営者や企業の皆様ではなく、大学生の皆さんの前でプレゼンテーションをさせて頂きました。
起業家や経営者がプレゼンテーションをすると、大学生の目がどんどん変わっていくのです。起業家や経営者の皆さんの持っているパワーとは果てしないと思いました。https://icc.dvlpmnt.site/digest/17635
こう思った私は、これをもっと大きな形で、バングラデシュでできないかということで、ICCのモデルごとバングラデシュに持っていくことを考えました。
実際には先ほど少しご紹介した中央銀行の総裁にご協力をいただき、ライフストーリーをドキュメンタリー動画にさせて頂きました。
彼は小学校を中退して、その後一生懸命這い上がって中央銀行総裁になったのです。
そしてその動画をFacebookで公開させて頂いたところ、たくさんの人に見て頂いただけではなく、現地の人たちから「中央銀行総裁のようになりたい。子供にも見せたい」という声を頂けるようになりました。
私は、彼に教えて貰ったこともそうですし、他でもないICCに参加されている皆さんから教えて貰ったことをバングラデシュ各地の大学で伝えるよう頑張っています。
バングラデシュへ、移住します
ICCのモデルをバングラデシュに届けたら何か変わるのではないか。しかしやはり遠隔でやっていると限界があります。だから決めました。
今年(2017年)の5月から私はバングラデシュを拠点に活動します。おそらくこれが日本で皆さんの前でお話しする最後のプレゼンになります。
2017年の8月、今から半年後にはこの会場の熱気に負けない様なイベントを起こしてみたいと思っています。
(続)
続きは いま、バングラデシュが熱い – 補助金充実・税制優遇・英語人材豊富!(e-Education三輪) をご覧ください。
▶e-Education三輪開人さんの感動のプレゼンテーション動画をぜひご覧ください。
▶三輪さんの、本プレゼンテーションの準備に関するブログもぜひ御覧ください。
→「心を動かすプレゼンテーションをするために参考にした動画33選(日本人・日本語)」
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/nosonho
【編集部コメント】
Videoで見ると、より感動する素晴らしいプレゼンテーションです。ぜひ動画もご覧ください!(榎戸)
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