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著名ベンチャーキャピタリストがいま注目する投資テーマとは?(前編)【F17-10B #6】

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「ベンチャー・ファイナンスはどのように変わっていくのか?」【F17-10B】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!10回シリーズ(その6)は、インキュベイトファンド本間さんとリアルテックファンド永田さんに、現在注目する投資テーマをお話いただきました。ベンチャー業界必見の議論です。是非御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
2017年2月21・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
Session 10B
ベンチャー・ファイナンスはどのように変わっていくのか?

(スピーカー)
今野 穣
株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ
ジェネラルパートナー, 最高執行責任者(COO)

永田 暁彦
株式会社ユーグレナ
取締役 財務・経営戦略担当
リアルテックファンド 代表

本間 真彦
インキュベイトファンド
代表パートナー

(モデレーター)
武田 純人
UBS証券株式会社
マネージングディレクター

「ベンチャー・ファイナンスはどのように変わっていくのか?」の配信済みの記事

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【本編】

武田 では次に、「ヒト・モノ・カネ」の、二番目のテーマ「モノ」。

マーケットにおける「モノ」というのはつまり投資テーマかなと自分は思っています。

このお三方が今どういう投資領域にフラグを立てているのかについて、是非ご紹介というかお話頂きたいと思います。

こちらも事前に3人にお伺いしましたので、一覧のような形で出してしまいますね。

皆さんが今関心を持たれている投資テーマについて、こちらも事前に簡単にご回答頂きました。

本間さんから一番具体的に頂いているので、本間さんからいくのがよいでしょうか。

全員にお伺いするので、どなたからいってもいいのですが。

武田 本間さん、まずは「ロケーションVR」。

本間 具体的だと外しやすいですね(笑)。

(会場笑)

武田 いやいや。

そこになぜ注目されているのかについて、是非教えてください。

リアルを代替するエンタメや無人化の仕組みに注目

本間 僕はVR(Virtual Reality=仮想現実)に興味があります。

ロケーションベースというのは施設型のということなので、ディズニーランドや○○ランドというものであったり、ゲームセンターであったりというようなところを、VRでどういう風に構造化するかということに興味があります。

なぜそこに興味があるかというと、一つはエンターテイメントという軸で考えた時に、ゲームなどは、基本的にはどんなに大画面で見ても、ほとんど個人でやるものなんですよね。

ですから、オンラインで繋がっていても個人と個人でという話になるのですけれども、家族や恋人が週末どう過ごすのかということについて、お金を払わせてエンターテイメントとしてバーチャル化できているケースがすごく少ない。

じゃあ、ディズニーランドに行こうかとか、旅行に行こうかとか、星のやに泊まってみようとか、そういうところにお金を使っているんですね。

そこは完全にリアルの世界で、ここにどういう風にバーチャルのエンターテイメントを入れていくのかなという、そのザクッとした方向感にすごく興味があって、そこをオールソフトウェアできたら、トヨタに対するテスラみたいなことができるのではないかと。

ディズニーランドに対するバーチャル○○ランドみたいなことを、ちょっと作ってみたいなというのが一つですね。

具体的にこんな話でいいですか?(笑)

武田 どこまで掘るかはお任せします(笑)。

本間 僕の興味とオーディエンスが合っているかどうか分かりませんが。

スマートホームと、店舗の高度化や自動化というのはほぼ同じような文脈なのですが。

今はスマートフォン上でのデータが取得されているということがあって、データ収集した結果、AIなりビッグデータなりできちんとした解析がされて、付加価値のある情報がユーザーなりコンシューマーに戻っていくということがなされていると思います。

これがリアルの店舗になると、具体的にあるものでイメージが近いのは、「むじんくん(自動契約機)」やパーク24株式会社の「タイムズ」のようなもので、元々そこに人がいてやっていかければならなかったものが、完全に無人になっています。

だからラブホテルなんかも、実はそういうものにちょっと近くて、ホテルのフロントがなく、清算も終わっていて、勝手に入って勝手に出ていく仕組みになっています。

しかもすごく短期間で貸すという点で言うと、意外とそういう「むじんくん」やラブホテルや「タイムズ」のように、パカッと開くとどこが動いているか分かるという、こういう仕組みがまさに僕がイメージしている店舗の高度化や自動化です。

こういうイノベーションは日本において特に伸びる余地があるのではないかと思っていて、すごく興味を持っています。

スマートホームも同様と言えば同様なのですが、それが家で起きたらどうなるかということで、いきなりロボットになるのかは分かりませんが、Alexa(アレクサ)とは言わず、もっと違う形でもやっていけることがあるのではないかなという点で、リアルの自動化、無人化というところに興味があります。

武田 ありがとうございます。

それでは次に永田さんにお聞きしてみたいと思います。

上位レイヤーに影響を与える根幹的な技術に注目

武田 永田さんの回答はこちらでした。

永田 これは、ベンチャーキャピタル業界全体に適している話というよりは、やはり僕達がやる上でこういうことをしたいという思いをベースに、どういうところに投資しているか、を表現しています。

例えばイーロン・マスク(Elon Musk)が、Space Xを立ち上げて、火星に行くと宣言するのは結構ショックな話で、そのようなベンチャーが日本から出て来るのか?というと現状は難しいと言わざるを得ないと思います。

けれども、Space X(スペースX)の宇宙船の素材は、絶対に我々の投資先のものを使わないとそれが飛ばないとか、そうしたことを実現する可能性は皆さんでも感じられるのではないかなと思っているます。

例えば今、Googleがゲノム情報を集めていますよね。

では、ゲノム情報を集める中で、アメリカではアングロサクソンのゲノム情報は集められるかもしれないけれど、モンゴロイドは俺たちがやった方がいいよねという世界で太刀打ちできるかもしれません。

だから、僕達だからこそできる世界での戦い方として、インフラであったり、共通的な技術に対して(資金を)張ることによって、その上に乗らないと実現できないよねという状況を作り出す勝ち方があって、それがテクノロジーらしさだと思っているんですよね。

そうしたところには注目して投資し続けたいと考えていて、ここを通過しないとどうしてもビジネス化できないというテクノロジーをどこにおさえるのかというのがポイントです。

上位レイヤーに影響を与える根幹的なテクノロジー領域ということですね。

2つ目が、少し書き方が口語っぽいのですが、やはりIoTやIoT×アグリというのはある意味分かり易いじゃないですか。

分かり易さというのは非常に大切で、分かり易さとは即ちビジネスのイメージのし易さなんですよね。

まさに本間さんの話の中で、こういうビジネスがいいよねという時に、既存のセンサーや既存のテクノロジーを使ったものと、僕らが提案する新しいものを組み合わせた時に、もっとバリューアップができるかもしれません。

今までは、スピード感や、人や、戦略で勝っていっていたようなビジネス領域にテクノロジーを掛け算することで、新しいものが生まれるかもしれません。

まさにここをブリッジできれば新しい可能性が生まれると思っているので、僕達はシード投資なんですよね。

ですから、会社自体をIPOさせるというよりは、シードを活用して次のビジネスに使ってもらえる可能性をどれだけ広げていくかというところに駒を置いていきたいという思いが、強くあります。

武田 なるほど。

リアルテック企業の「解像度の高さ」が重要

武田 永田さんの回答の中で、「ネット領域の人達もなじみみやすい」というのは何だかとっても趣のある表現だなと思って、僕もそのまま書いた方がいいなと思って引っぱってきたのですけれども、多分、今必要なブリッジってそこ=なじみやすさなのでしょうね。

永田 そう思います。

咀嚼してきちんと渡せるという状況をどれだけ作れるかというのは、モノがあった方が分かり易いんですよね。

そこまできちんとやれるところを、僕らがどれだけ作れるかだと思います。

武田 そうなんですよね。

今日のカタパルト(リアルテック特集)で僕にとって一番印象的だったのは、プレゼンテーションをされている方達って、プレゼンテーションは(ICCパートナーズの)小林さんに鍛えられて上手になったと思うのですが、それでもいわゆるネット系のベンチャーのプレゼンテーションに比べるとやはりまだぎこちないということでした。

でも、彼らのプレゼンテーションって、ものすごく解像度が高いんですよね。

なぜかと言うと、やはりモノというかテクノロジーがあるし、そこまでやってきたという蓄積と自信があるから、プレゼンテーションのスキルを超えた形で、僕にはものすごく解像度が高い情報として伝わってきました。

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僕なんかはネットセクターを専門にしているアナリストなので、もうズキュンとやられちゃったんですよね。今日お話を聞いていて。

そういう意味で、今日プレゼンテーションを聞かせていただいて、「なじみやすい」というのがすごく腹落ちしました。

以上が自分のピュアな感想です。

ありがとうございます。

(続)

続きは 著名ベンチャーキャピタリストがいま注目する投資テーマとは?(後編) をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/Froese 祥子

【編集部コメント】

次回ICCカンファレンス KYOTO 2017 でも、カタパルト – リアルテック – を開催予定で、現在、登壇企業の募集(推薦)が始まっています。次回はもっとディープになると思われます!ぜひご期待下さい!(榎戸)

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