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工場のこだわりと息吹を伝える新しい流通”ファクトリエ”【BBT-FCT #2】

ビジネス・ブレイクスルー大学大学院の「アントレプレナーコース」が2016年4月に開講しました。ICCパートナーズ小林雅が担当した「スタートアップ企業のビジネスプラン研究」全12回の映像講義について、許諾を頂きまして書き起し及び編集を行った内容を掲載致します。今回の講義は、ライフスタイルアクセント株式会社 代表取締役 山田 敏夫 氏にゲストスピーカーとしてお話し頂きました。60分の講義を7回に分けてお届けします。

(その2)は、高品質なものを手が届く価格で買えるアパレル通販「ファクトリエ」のビジネスについてお話し頂きました。工場のこだわりや利用者の声をダイレクトに届けるページづくりにも注目です。是非ご覧ください。

登壇者情報
ビジネス・ブレイクスルー大学大学院「アントレプレナーコース」
スタートアップ企業のビジネスプラン研究
「ライフスタイルアクセント(ファクトリエ)」

(講師)
小林 雅
ICCパートナーズ株式会社 代表取締役
ビジネス・ブレークスルー大学大学院 教授
 
(ゲストスピーカー)
山田 敏夫
ライフスタイルアクセント株式会社 代表取締役
 
(アシスタント)
小泉 陽以

その1はこちらをご覧ください:「日本から世界ブランドを作る」ファクトリエ山田氏のグッチ・パリ店での決心【BBT-FCT #1】


「ファクトリエ」の原点

山田 それでは本題のファクトリエというものについてご説明させていただきます。

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すごくシンプルに申します。

これは右側が某イタリアのブランドのジーンズです。

左側がファクトリエのジーンズになります。

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右側が5万円。左側の僕らの売っているものが1万2千円。

ただ、この二つは同じ工場で作られているのです。

このことからファクトリエはスタートしています。

工場で生産されている生地自体はヴィトンもシャネルもディオールも使っているような生地と同じような生地を使っておりまして、それを適正な価格、市場価格の約半額以下で販売していくというのが、僕らのビジネスモデルになっております。

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こちらも類似の例です。

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日本のモノ作りの現状は厳しい

ただ、この状況というのは、実は楽観視できるものではありません。1990年に50.0%あった国産比率は、4%ほどに減っているというのが現状なのです。

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これをなんとか盛り上げて行こうということが、僕らのやっていることなのです。そのためにインターネット通販という新たな流通を作る必要があります。

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僕らの場合、工場側が値段を決めるのですが、それをどう伝えていくのかというのをこうしたいろいろなサイトで必ず動画を埋め込まれた状態で発信していく。

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どういう場所でどういう人がどういうふうに作っているのかというのを見ていただけるようになっているのです。

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これもすべて自分たちで回りまして、取材をしていきます。どういう工場が作っているのかということで、工場の紹介もします。

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また、どういう人が使っているのかということで、使用者の声というのも載せている。

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大変ありがたいことに、ファクトリエを使ってくださった約85%が、「価格よりも質の方が高い」と言ってくださっております。

つまり、リピートしたいと言ってくださっているのです。

ですから、工場の出す、工場すべての力を凝縮して、お客様にそれが本当に良いモノだということを伝えて行くのが、僕らの役目かと思っております。

小泉 通販のサイトなのですが、ただモノを売るだけではないのですね。

ストーリーのようなものをみんなに知ってもらおうというところもある。

山田 まさしくおっしゃる通りです。

私は婦人服屋のお店の息子ですから、接客というのが実はすごく好きなのですが、逆にインターネットがそれを凌駕していることもあります。

インターネットの情報というのは何万人、何十万人の人が来ても、適正な品質の情報をきちんと伝えられるということがメリットだと思っています。

私が直接十万人に対して話すと、1年くらい時間がかかって、喉も枯れ果てるかもしれません。

そこを動画という形ならば非常にわかりやすく見せることができる。

声と手だけではなくて、視覚的に訴え、音も臨場感があって、現場の音が聞こえる。

今までの普通のお店ではなかなかできないことを、24時間、365日、情報としても提供していける場というのが、インターネットだと僕は思っています。

ですから、コストを下げるためにインターネットを使うというよりは、全国各地の方が、「地元のモノが欲しい」と思った時に、「それは東京の有名な百貨店にしかないのね」と諦めるのではなくて、インターネットで買えればみなさんに同じチャンスが与えられるかと思っています。

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小泉 ちなみに、これは一人で始められたのですよね。

山田 はい。一人で始めました。

小泉 どれくらいの期間、一人でやっていらっしゃったのですか。

山田 今、創業から丸4年なのですが、2年半は一人でやっていました。

小泉 お一人でここまでのことをやってこられたとのことですが、小林さん、いかがでしょうか。

小林 すごいと思います。一人ですから。

一人でできることというのはいろいろあるとは思います。

しかし、これがいろいろな人の関係してくるモノづくりということになると、一層難しいと思います。

それを、「一人でやろう」と始めるところと、そのまま2年半、一人でやり続けるという根性、気合いがすごいです。

なんとしても実現しようという気持ちがないと、こうはならないと思うのです。

そういった話をもっと伺いたいですね。

小泉 山田さん、続きましてお願い致します。

(続)

続きは 「初回生産分すら売れない」ファクトリエ創業の苦悩と起死回生の”行商” をご覧ください。

編集チーム:小林 雅/石川 翔太/榎戸 貴史/戸田 秀成


【編集部コメント】

続編(その3)では、ファクトリエ創業時の苦難とそれを乗り越えた「行商」策についてお話し頂きました。是非ご期待ください。感想はぜひNewsPicksでコメントを頂けると大変うれしいです。

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